強風の火星一三型は、十四試局戦と同じものです。もちろん延長軸です。
十五試水戦は元々二重反転の火星一四型（当然、軸が長いです）で機体の流線経始や重心の設計が為されていたために、発動機換装後も軸の長いものを採用せざるを得なかったからです。
強風と雷電の違いは、スピナーが長くてカウリングが短いか、スピナーが普通サイズでカウリングが前へ向けて長いかのちがいでしかありません。

雷電の振動は、プロペラの剛性強化、発動機架防振ゴムの変更で対策され、実用可能なところまで持ち込まれています。
片

片様、強風の火星エンジンが延長軸の物とは知りませんでした。てっきり短軸の一式陸攻と同じものと思ってました。また勉強になりました。二重反転プロペラが検討されていたとは、火星エンジンのトルクは相当なものだったのでしょうね。強風はどうやって対応したのでしょうか。垂直尾翼をオフセットする(天山の方式）とか、離水するまで当て舵になるように操縦桿を調整するとか。この点はまた自分で調べてみたいと思います。

備後ピート

あ、失礼しました。
十五試水戦は「二重反転の火星二四型」ですね。
紫雲用の二重反転火星一四型に機銃同調装置がついたものです。
これら高速を狙った水上機二機種は、いずれも単浮舟なのであり、その分プロペラ・トルクから傾斜しやすく、対策が必要と当初は思われていたわけです。
片

以下は余談として。二重反転プロペラと見たときから「紫雲」のことは頭にありました。「世界の駄っ作機３」にも取り上げられているかなりのダメダメ飛行機だったようです。しかしこんな海の物とも山の物ともつかない飛行機のために軽巡２隻（大淀、仁淀）計画して、実際１隻計画して竣工してしまう日本海軍というところは…。個人的には大淀は連合艦隊旗艦にもなってるし、礼号作戦で実戦参加もしてるので十分(本来とは違ってですが）元は取れていると思うのですが。何かまたプラモ作りたくなってきた。艦船の話みたいになってしまってどうもすみません。
備後ピート

紫雲は第12偵察隊に配備されて3機がパラオ島に進出、昭和19年6月9日から8月12日の間に23回の偵察出撃を行い、その間の損害はF6Fを零戦と誤認して接近、撃墜された1機のみ。当然浮舟投下も無し、という好成績を残している機体です。
ＢＵＮ

ＢＵＮ様、余談ですよ、余談。いきなり通説を否定しなくても…。こっちははずみで1/700大淀買ってしまったじゃありませんか（さすがに強風まで買うのは思いとどまりましたが。紫電改作ったばかりだし）。しかしこの件は非常に興味深いので議論ボードで衆知に問いたいと思います。
備後ピート

それは通説でも何でもありません。「世界の駄っ作機３」の記事は間違って伝わっている情報の中でもとりわけ程度の低い、古いものに属します。他の出版物ではそこまで無茶苦茶に書かれてはいないものが幾つもあります。
情報には正しいものもあれば、大きく間違っているものもある、そしてその中間のものはもっとたくさんある、という事です。
ちゃんと取捨選択して質の悪い情報を鵜呑みにしないよう自分で気を付けなければいけません。
ＢＵＮ

うう、質問725に続いて情報収集についてまたも諭されてしまいました。厳格寸毫もいやしくもしないところ、さすがＢＵＮ様の態度ではありますが(←こういうこと書くから慇懃無礼と言われるのでしょうね）、私も考えるところがあって議論ボードにあげました。どうか忌憚のないご意見をいただきたいと思う次第です。
備後ピート

厳格も何も、もう10年も前に出版された飛行機エッセイで、楽しむ為に書かれて、読んで面白いのですからそこに文句を言ってもお門違いですね。
本来、楽しむための本から得た情報を根拠に物を考えると大きく踏み外す、という事です。
ＢＵＮ

情報収集にあたり、ソースの取捨選択が重要だということについては、反省することしきりです。考えることがあってというのはたまさかこの欄が契機になって歴史群像あたりに紫雲の特集記事が掲載されたり、造形村あたりから1/48の紫雲のキットが発売されたりというようなことを期待してのことでした。動機が下世話すぎましたですかね。
備後ピート