795 志茂田景樹氏の長編戦争シミュレ-ション「零戦大逆襲!」のなかで戦闘機パイロットにあこがれていた整備兵が、見よう見まねで戦闘機の乗り方を覚え、勝手に出撃して初陣でB-29を2機撃墜の戦果を挙げる場面があります。
 正規の訓練を受けていない飛行時間0時間の者が戦闘機を操縦士、あのB29を撃墜するなんて可能なのでしょうか?また仮にB-29を2機撃墜するような大戦果をあげても、整備兵が命令を無視して勝手に戦闘機で出撃るなんて軍法会議ものではないでしょうか?(作中では戦果がみとめられ普通に戦闘機パイロットになっていた)
るーきー

  1. 小説の中の描写を現実と混同されない方が良いと思います。フィクションはフィクションとして楽しみましょう。
    Wisteria

  2.  参考になりそうな事件。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A%E6%A9%9F%E4%B9%97%E3%82%8A%E9%80%83%E3%81%92%E4%BA%8B%E4%BB%B6
    バツ

  3.  不可能です。戦闘機パイロットは、素養選抜から始まり目的に合わせ徹底的な教育をします。そして、基準点をクリアーしたものだけが卒業し部隊へ行くのです。部隊にいっても初心者でしかなく、訓練と経験を積んで時間とともに一人前に成長していきます。
     たとえば空を飛んだこと無い人がはじめて自分が大空に上がった時、いったいどこにいるかわかりますか。水平飛行していかどうか判りますか。10分で何マイル(何キロ)進んだかわかりますか。最適な上昇率が判りますか。着陸できれる基地がどこにあるかわかりますか。速度計の速力と実速力は違うのです。高度も真高度と誤差があるのです。射撃などになると攻撃位置に遷移できませんから撃つこともできません。さらに、着陸は訓練中の者でも難しく一番事故が多いのです。素人にはできません。
     要するに、パイロット選考において一般人は一次試験で落ちるのです。パイロットに誰でもなれない理由がそこにあります。つまり、フィクションはフィクションでしかないのです。
    つっち

  4. 昔の丸に、元整備兵との対談形式でそんな話がありました。かなり詳しい話で、たしかB29邀撃にも上がったとありました。志茂田なら読んでるのでは。
    4式射撃装置

  5. 電撃戦が始まるとイギリス軍もドイツ軍に押しまくられて退却に次ぐ退却で、ひたすら逃げるばかり。そんな混乱のさ中の6月18日、ハリケーン部隊のイギリス空軍No.1スコードロンに配属されてたフランス軍情報将校は、ドイツ軍の迫るシャトーダン(引用者補 パリとルマンの中間ぐらい)の飛行場に1機の(引用者補 ブリストル)ボンベイが遺棄されているのを見つけた。調べると尾輪が壊れてたんだけど、情報将校はパイロットでもないのに、それをものともせず、ドイツ軍の進撃から逃れてきたフランス将兵5人を乗せて、このボンベイで離陸、イギリスに脱出して、自由フランス軍に加わったんだそうだ。
    (「世界の駄っ作機 番外編 蛇の目の花園2」岡部いさく 大日本絵画 2010)

    パイロットでなくても(飛行経験の有無は不明ですから)、大型の双発の遺棄機体を点検・整備し、離陸し、機位を失せず、高度を維持し、正しい方角を見出し、陸上を少なくとも140km程度飛行し、少なくとも80kmほどの幅の海を越え、異国で適当な着陸地を見つけ、適切な着陸操作を行った、わけですから、事実は小説より奇なり、ということもあるわけですね。むろん、滅多にないから話のタネになるわけですが・・・・


  6. 操縦手を志して選抜試験に通ったものの、訓練途中で適性無しとして除外される者が必ず一定数存在しますが、飛行機関連である地上整備員や爆撃機の乗員を再志願して採用された例は少なからずあったでしょう。敵地上空で陸攻の正副操縦手が重傷を負い、機銃手が代わって操縦した話を読んだ事があります。もちろん下手くそでフラフラだったそうですが、まったくの素人では出来ない芸当だと思います。何とか基地上空にたどり着いたのですが、着陸できる操縦技術は機銃手には無く、途方に暮れていた所、なんと血だらけの操縦手が息を吹き返し、操縦桿を握って不時着させたそうです。
    ppm


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