802 なぜP51ムスタングは翼面タンク採用による防御力低下を問題とされなかったのですか?
ぎゃおす

  1. 全金属製機の強度とスペースのある主翼内は燃料タンクを装備する部位として最適ですから、そこにタンクを積まない戦闘機の方に何か理由があると考えるべきものです。
    翼タンクが防御面で不利と考えられて避けられていたという論評は戦闘機の開発史に根差したものではなく、単純に機体を見比べて思いついた話に過ぎません。
    胴体タンクは被弾時に不利だから翼内タンクを装備する、という方針で設計された戦闘機も多いのです。
    BUN

  2. 大戦期の単発単座戦闘機に限ればアメリカ機はほとんど胴体内燃料タンクです。翼内タンクの機体はP−39があります。重心位置にエンジンがあるの主翼にしか設置できません。F6Fは一部主翼側にはみ出しています。翼内タンクの機体が少ないのは後方引き込み主脚や多銃装備が理由ではないでしょうか。セルフシーリングの防弾タンクに自信があり、パイロットの傍に設置しても大丈夫だと思っていたのではないでしょうか。P−51はもともとイギリス発注の機体でありノースアメリカンはB−25で翼内タンクに経験があり、厚みのある層流翼に燃料タンクを装備するのが最適だったのだと思います。
    モデラー

  3. マスタングは当初、通常の翼断面で設計されています。翼タンク採用と層流翼型には直接の関係はなく、しかも英国向け契約機の第一陣の燃料タンクは防弾装備がありません。
    引き渡し後に燃料タンクの防弾装備が問題となり、初期の機体は後方に下げられたままで過ごしますが、翼内タンク自体が問題になっている訳ではありません。

    また、他の米軍戦闘機ではF4Uも翼内タンクで設計されていますし、グラマンでもXF5Fは翼内タンクでしかもインテグラルタンクですね。
    BUN

  4. 以前、日本機(小型機)の大胆、積極的な翼内燃タン装備に比べ欧米機はなぜか少ないのが気になったのですが、スケルトン図などを見て特別な規制があるわけではないと理解しました。F4Uはコクピット直前の胴体内に新設されたのは覚えていたのですが傍に資料がなくあいまいでしたので入れませんでした。エアロディテールが出てきたので確認したらF4U−1の段階で内翼部のインテグラルタンクが廃止されていました。これは主翼に移された武装のコントロール系統のスペースを確保するためではないかと推測しました。F4U−1Dの段階で外翼前縁のインテグラルタンクも廃止されています。質問の防御力低下と関係あるかどうかはわかりませんが。マスタングの経緯については確立されていない層流翼を風洞実験などで有効と確認したうえで採用完成したと理解しています。
    モデラー

  5. マスタングの原型、NA50B/NA73はシュミードによって通常の翼型で設計、完成していて、その後、エド ホーキーの提案でNACAのデータに基づく層流翼型を採用して改設計されています。だから翼内タンクと層流翼型には何の結びつきもありません。
    また層流翼型にしたからといって翼内スペースが格段に増加するという訳でもありませんのでご注意を。
    BUN

  6. 設計が完了したのでしょうか。それとも機体が完成したのでしょうか。NA−50といえばB−25(NA−62)より前ということになります。NA−16を引き込み主脚にしたペルー空軍向け戦闘機で更に改良してタイ空軍向けに製造したが当時の政治状況の変化から米陸軍が引き取った、後のP−64(NA−68)というノ社初の戦闘機ということになりますが。
    モデラー

  7. そうはなりません。マスタングの設計番号はNA-50ではなく、NA-50Bです。
    両者は別の飛行機で、紛らわしい番号の付与は米陸軍航空隊側にお話のような勘違いが起こることを狙ったものだとの説もありますね。
    BUN

  8. NA−50Bで検索してもヒットしません。英文のNA−73で検索しても文中にNA−50Bは見つけられませんでした。Bというようなサブコードが付くのはNA−73X以外には見つけられませんでした。マスタングIA(NA−91)、P−51A(NA−99)、A−36A(NA−97)という風に発展型でも単独の設計コードのようです。防諜もしくは社外秘のためとしても契約までの短期間ですし、国際情勢上、逆に陸軍当局の監視がきつくなるのではないかと思ってしまいます。
    モデラー

  9. 検索すればヒットしますね。

    しかし、そこまで興味をお持ちでしたら、ネットからの断片的な情報ではなく、ちゃんとしたマスタングの開発史を一冊読まれることをお奨めします。番号付与のエピソードも複数の出版物で読めるはずですよ。

    P-51 Mustang: Development of the Long-Range Escort Fighter ISBN-10: 1903223148
    こちら辺りを入手されたら楽しいのではないでしょうか。
    BUN

  10. 横からすみません

    North American Aviation NA-50B

    で検索したらNorth American NA-50B / NA-73Xがありました。
    ほかにもいくつかヒットしますよ。
    P5.1

  11. 確かにNA−50B/NA−73Xはありました。私にはキンデンベルガーが提案した企画提案図の設計コードのように思えました。誤訳かもしれませんので断定いたしません。世傑には書かれていませんが、NA−73がマスタングIでNA−73Xがその試作機ということになります。P−51Mustang Timelineというサイトが日付順に(歴史の年表のように)書かれていますし登場人物の写真、各機種の写真、簡単な戦争状況やその新聞の写真も載っています。なにより文字が大きくて分かりやすいです。
    BUN様、質問者でもないのに数々のご無礼申し訳ございませんでした。
    モデラー


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