812 ベル ボーイング が先代オスプレイの進化系として開発している、quad tiltrotor (QTR)ですが、ローターを前進位置にすると、前後のローターの回転面が半分以上重なります。この場合後ろ側ローターの推力発生は、大きく低下してしまうのではないでしょうか。大昔のカーチスライトX-19でも同じ事があったように記憶しています。これまた大昔の航空情報の木村秀政先生の記事だったかな? しかし、ボーイング社の風洞模型の写真まである機体に、見落としが有るとも思えません。この辺りの技術に大きな発見でもあったのでしょうか?
KAZU

  1. 1918〜35年間の多発機に多用されたタンデム配置のプロペラは、のちに風洞試験などによって後部プロペラの効率が悪く振動の原因になることが判明しました。

    質問者様は多分このことをご存知だと思います。

    しかしDo335プファイルになってタンデム配置が復活しました。前後プロペラ間隔を十分に開ければ前部プロペラ後流は減速され後部プロペラの効率低下は抑えられるようです。

    ベル・ボーイングQTRのそれが十分開いてるのか狭いのかよくわかりませんが、カーチスライトX-19初飛行の1964年からエンジン・プロペラ技術はずっと発展しています。効率低下があったとしても強力なエンジン出力、振動に対しては高いプロペラ剛性で十分解決できてるのではないでしょうか。
    超音速

  2. ご指摘の通り、プフィルのケースはそのその辺りを配慮してありますね。飛行艇のタンデムエンジンやらで、苦労したドルニエ社の知見を感じる所です。ただ、QTRはティルトローターの大面積回転面が不安定な遷移時に重なり始めるという、ゾッとする状況があるんです。やはり大パワーと電子制御による、ある意味力技での解決なんですかね
    kかず

  3. X-19の墜落原因は通常モードで飛行中激しい振動が起き後部プロペラが片方脱落ということでした。
    ざっと簡単に計算しましたがX-19の馬力/円盤荷重はQTRの二倍以上でした。この数値が高いとプロペラ後流が速くなるのでX-19は前部プロペラの激しい後流に後部プロペラが悪影響されたと思われます。

    「ティルトプロペラ機」のX-19のプロペラ径は13ft。「ティルトローター機」のQTRのそれは50ftということですので、QTRの前部プロペラ後流の影響はそれほど激しくないと考えられます。
    超音速


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