843  お世話になります。航空機関係に書き込むべきか戦史に書き込むべきか迷いましたが、航空戦の結果に関わることなのでこちらに書き込むことにしました。
 いわゆるラバウル航空戦でよく「完全勝利」と評される、昭和19年1月17日の同地での邀撃戦で日本側損失ゼロ、米軍側損失12機(米軍記録による)という結果ですが、当時の邀撃戦に参加した搭乗員の証言を当たっても私が見た限りでは地上施設の損害に関してはほとんど触れられていません。
 米軍は戦爆連合で空襲を仕掛けてきたのですから、何かしらラバウルに損害は出ているでしょうし、その状況次第では「完全勝利」も陰りが見えると思うのですが、果たして当日の地上損害はいかほどだったのでしょうか? やはり上奏されたほどですから、ほとんど軽微と言える範疇だったのでしょうか?
タンゴ・ツー

  1. とりあえず戦史叢書『南東方面海軍作戦〈3〉』475pに、

    「一月十四日、十七日、二十四日にはラバウル湾内の艦艇にも被害を生じ、特設工作艦八海丸等約二万噸が沈没し、給油艦鳴戸がかく挫した。」

    とあります。
    バツ

  2. 鳴門の擱坐は1月14日ですが、八海丸沈没が17日当日ですね。
    この日はラバウル在港艦船を目的として、戦爆連合に加えて雷撃機をも交えた攻撃が行われています。


  3.  この日、ラバウルで沈没した日本船は、八海丸(5114T)の他に貨物船光晴丸(1943T)、雑用船乾進丸(3126T)が記録されています。また、特設運送船りおん丸(7017T)も航行不能となり、24日の空襲で全損となっております。これら4隻の合計は17000Tにのぼり、軽微とはいえないと思われます。
     御質問は地上での被害についてですが、この日のアメリカ側の攻撃目標はSBDs and TBFs, covered by fighters, bomb Japanese shipping at Rabaulと http://www.ibiblio.org/hyperwar/USN/USN-Chron/USN-Chron-1944.html にあるように日本側の船舶であり、地上は目標の対象となっておりません。したがって、地上の損害がそれほどなかったとしても不思議はないように思われます。ただ、206機に対して79機が迎撃し87機撃墜となっておりますが、アメリカ側の被害が12機となっているのであるのなら、在泊船舶にこれだけの被害が出たのは当然ではあろうと思います。
     
    hush

  4. うーむ、地上はそもそも目標ではありませんでしたか。証言で地上損害に触れられないのも道理ですね。
    しかし一万トンを超える船舶の被害は確かに軽微とは言えませんし、そうなると「完全勝利」も空戦の結果のみ見た場合とした方が良さそうです。
    回答ありがとうございました。
    タンゴ・ツー

  5. 便乗で質問です。 当日の日本ニュース194ではB24がやられる映像がチラっとでてきます。 「B24撃墜」とのアナウンスもはっきりありますが、米側12機の被撃墜にはB24は見当たりません。 17日は実際のところ米側の別の飛行隊でもっと損害がでてるのでは?
    24ddh

  6. >5
    日本ニュースの映像に映ったものが本当にB-24なのか、あるいは本当に1月17日の映像なのか、というところを疑うべきと思います。
    ナレーションも事実に即しているとは限りません。



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