885  知人が超々ジュラルミンの採用はゼロ戦の開発成功の一因だが大きなものではない。超々ジュラルミンによってできた重量軽減はせいぜい50s程度。全体重量で考えれば無視はできないが軽視はできる。実際、陸軍の隼には超々ジュラルミンは採用されていないが零戦とそう変わらない性能である。超々ジュラルミンがなかったとしても零戦の開発には概ね問題はない。
 知人のこの考えは妥当なものでしょうか?
ちゃっぴー

  1. 20ミリの翼内搭載についてはどうなんでしょう。


  2. 一式戦の主翼が軽量なのは、思い切って主桁を省くような形に翼内に箱構造を作ってその全体で強度をもっているためです。
    翼内に機銃を納めることは考えられていませんし、構造上できません。

    零戦の場合は、20ミリ機銃を搭載した戦闘機を作ることがそもそもの開発の目的なのであり、しかも同調装置の関係で翼内に装備することが前提になっています。

    両者は重量だけで比較できないのです。


  3. ちなみに、十二試艦戦の計画説明書によればESD材の使用で実現できる重量軽減は「30瓩程度」。しかし、「重量軽減方針は本機計画のの核心をなすものにして之が計画通り遂行せられずんば本機の成功は望むべからず」とも書かれています。
    与えられた要求と動力などの条件を勘案して解決し性能を実現するには、重量の数字を小さくして方程式を解くしかなかった、ということであったようです。
    実機が完成し合格してから以降でしたら、30キロ、50キロの増加もなんということもないのでしょうが、計画段階で審査をパスするためにはESDの使用も必要なことだったのではなかったでしょうか。



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