887 各国の主要航空エンジンが手動式慣性始動機を装備するようになったのは、だいたいいつ頃でしょうか?
それ以前は、オートバイのキックスタートやチェンソーのように、先に燃料オン、点火栓オンとしておいてエンジン本体を回す(つまり「コンタクトッ」は存在しない)という理解でよいでしょうか?
エンジン本体を回転させるのはプロペラを手で掴んで/ひも引っかけて/ゴム紐で等があるようですが、この「ひも」や「ゴム紐」も制式化されていたものでしょうか?
ワンウェイクラッチと巻き戻し機構を備えたリコイルスターター等は使われなかったのでしょうか?
小型単発機なら簡単な工夫ですみそうですが、大型多発機の高所にあるエンジンですと制式化しないではすまされないような大がかりな装置が必要になりそうですし・・・
また、始動車の登場と普及はどのようなものだったのでしょうか?
戦間機の軍用機数の少なさとその後の急増・基地移動の激しさを見るに、戦間機には始動車で間に合っていたにせよ、軍備拡大時期には別の方法が模索されたのではないかと疑っております。


ロク

  1. http://avstop.com/ac/apgeneral/startingengines.html の "Hand Cranking" のところを。
    コンタクトは電路接続の意味で使われています。


  2. ありがとうございます。
    過去ログにも両方のご意見がありましたが、「コンタクト」は、フライホイールの有無によって、イグニッションとフライホイールと両方に使われた、ということでしょうか?
    フライホイール有りの場合はその接続前に不意に始動してしまうおそれがないからイグニッションは予め接続しておいてもよいから・・・でいいのでしょうか。
    ロク

  3. 始動時の「クーペ」「コンターク」は慣性始動機よりはるかな以前、おそらく日本の航空黎明期までさかのぼれます。海軍でフランス語に由来する用語が残っていたのは、それが第一次世界大戦以前に使われ始めたものであるからです。


  4. で、エナーシャーの時代には、クーペはもうないわけです。
    おっしゃる通り「コンターク」の意味が変質しているのです。


  5. いわゆる始動車というのは、第1次大戦前にB・C・ハックスという人物が発明し、ハックス・スターターとも呼ばれます。1930年代後半ごろまで世界中で使用されましたが、日本陸軍では終戦まで使われたのは周知の通り。ソ連軍機でも、La-5までは始動フックがスピナについています。
    1920年にブリストルが実用化した圧縮ガス式始動装置というものがあります。日本にも同様のものが導入されており95式1型練習機(キ9)の初期型に3号機上始動機として搭載されましたが、軽量化のためキ9乙以降は撤去されました。
    1930年以後に電動式が採用され始めますが、始めはイナーシャ式ではなく、ダイレクトクランキングと呼ばれる方式でした。電動・手動のイナーシャ式の登場はこれ以降のようです。
    また、1936年にはドイツで火薬式スターターが登場しております。
    超音速

  6. ありがとうございます。
    おそらくそんなムシのよい資料はないのだと思いますが、国ごと、軍ごとに、時系列を追ってどんな始動手段がどの機種で採用され、あるいは除去されたのか、流れがわかるようなモノ・・・はありませんでしょうか?
    ロク


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