1005 またしても愚問があって参りました。
零戦二一型に99式1号3型搭載した後期型(?)四一型(?)は実際に量産されたのでしょうか。

過去の回答を探せば見つかるとは思うのですが,内部検索をすると漢字が文字化けしてしまい検索が出来ませんでしたので質問をさせて頂きました。

cherry

  1. 零戦四一型は「九九式一号銃三型」ではなく、ベルト給弾の「九九式一号銃四型」で、一丁当たり130発までということで計画が進められていましたが、生産機はないと思います。
    中島零戦の場合、五二型でもベルト給弾五二甲型は時期がかなり遅れてほとんど作られておらず、五二型から五二乙型へ中ナシで飛んだような印象があります。


  2. さっそくのご回答、ありがとうございます。
    20ミリは四型でしたか。失礼いたしました。
    なぜこの様な質問をしたかと言いますとこのページを見て疑問に思った次第です。
    https://drive.google.com/file/d/0B0Iwvrpz0e6CX1FuRDBsbkRiOHM/view
    (本項10ページ目に記載されております)
    cherry

  3. それは九九式一号固定銃二型改一(または三型)ですね。
    中島製零戦二一型には各部を五二型と仕様を統一した後期型(制式名はない)があり、100発ドラム弾倉も装備するようになっています。

    中島製零戦二一型は、本来は一号銃三型(100発ドラム弾倉、電気発射)装備にまず変わり、その後生産機の一部を一号銃四型(100〜130発ベルト給弾、電気発射)にしてゆく予定だったのです。四一型とは後者のことです。


  4. 正式名称が無いのは21型の主翼を積んだ32型とか22型とおなじカウル形状の52型などと同じ理由からでしょうか。

    重ねて御礼申し上げます。
    cherry

  5. 小改造にはいちいち型式名はつけられないものですが、さらに、兵装関係の改造に「甲型」「乙型」が付けられるようになるのは19年秋の名称付与標準改正以降ということもあります。
    例えば、それ以前であればベルト給弾の五二型も「五二甲型」ではなく「五二型」なのです。浜松に現存する零戦五二甲型三菱4685号機も19年3月生産機ですので機体には「零式艦上戦闘機五二型」と表示してあります。


  6. ちょっと細かい話になりますが、海軍機の型式名は内令兵によってその名称が何を指すのか一応の定義がされています。
    19年4月7日付内令兵27号では、
    「零式艦上戦闘機二一型 栄発動機一二型装備にして主翼折畳装置を有するもの 零式一号艦上戦闘機二型と呼称せしもの」
    「零式艦上戦闘機三二型 栄発動機二一型装備にして翼幅一一米のもの」
    という単純さです。
    風防の違いだとか推力式単排気管であるかどうかのような小さな差異は、この大区分の中に吸収されてしまうわけです。

    (「21型の主翼を積んだ32型」というのはA6M3の試作機のことかと思いますが、細かくいえば「三二型」には含まれない、ということにもなります。もっとも実際には、A6M3試作機は翼端の折畳部分を撤去されたと思っていますが)


  7. >>6 「小改造にはいちいち型式名はつけられないもの」とのことですが、補修部品の供給などに際しては、どのように照合していたのでしょうか?
    ロク

  8. 「何号機以前」「何号機から何号機まで、但し何号機何号機は除く」のような形です。
    製造番号が使われています。


  9. ありがとうございます。
    ロク

  10. 「何型だから細部まですべて同一」ということはなく、同じ○型のなかでもある部品は○号機から○号機までこの形、また別の部品は□号機から□号機までこの形、とそれぞれに改修が行われています。またこれは発注上の生産上ロットとも一致していません。それぞれの部品ごとに製造番号で整理してゆくしかないことなのです。


  11. 重ねてありがとうございます。
    個体ごとに、どこそこの(たとえばキャノピー)の仕様はA、どこそこ(たとえば20mm)の仕様は何号、という一覧を把握する必要があったことは把握しました。
    が、製造番号で管理するにしても、製造番号何番はこういう仕様である旨記載した表を部品の出して受け手が共有していなければなりませんよね。
    であれば、小変更ごとに型式の末尾に、仕様詳細をしめす符号をずらずらと並べてもよい気がいたします。
    そうしなかった(個体管理とした)のは、製造後の個体の改修はあり得、すると製造時の銘板に詳細を期しても無駄、ということでしょうか?
    ロク

  12. そういうのは機体ごとに付属する機体来歴簿に載るのです。


  13. もちろん、全部が全部ではないのですが。

    生産途中での設計変更の多さは、ほぼ何十機かごとに変化があります。
    また箇所としてもひじょうに多岐にわたります。
    仮に仕様詳細の全部を記号化していいっても、何十桁というオーダーでは済まないことになってしまいます。


  14. 例えば、一式陸攻G4M2の場合。
    2007号機 爆弾倉弾扉使用中止
    2008号機 増産対策実施
    2014号機 操縦席計器板の燃圧警灯廃止
    2025号機 火災防止のため中央翼変更 フラップ開閉器位置変更
    2035号機 胴体に特殊縦通材追加
    2045号機 主翼後縁肋材
    2055号機 脚連接棒変更
    2065号機 弾扉使用再開
    2070〜2074号機 この間の機体は弾扉を装備せず
    2105号機 前方風防に平面窓設置
    2151号機 アニリン添加燃料使用可能とす
    2155号機 方向昇降舵補助翼修正舵操縦装置変更
    2205号機 主翼工作簡易化、漏洩防止
    2255号機 プロペラ氷結防止装置変更 酸素供給装置変更
    2275号機 側方機銃を20ミリに変更 尾輪引込廃止
    2305号機 主配電盤変更
    2320号機 操縦席計器板に機内連絡表示灯追加
    2323号機 機内連絡表示灯追加
    2325号機 上方機銃を二号銃に変更
    2356号機 昇降度計を二型に変更
    2360号機 前方風防変更 格納時の前方機銃固定変更
    2374号機 生産終了(2375〜2500号機欠番)



  15. ↑は自分が拾えたものだけで、おそらく変更箇所はもっとずっと多いはずです。
    こうした変更はどこに記録されているかというと、それぞれの部品の設計図面上です。


  16. このように設計段階でくわえられた変更のほかに、
    現用中の機体の改修があります。
    こうしたものに対しては、

    令達
    航本機密第12308号 海軍航空本部長
     関係各庁長殿
    「一式陸上攻撃機一一型改造に関する件通帳」
    首題の件左記により実施すべし
    一、目的(略)
    二、改造要領(略)
    三、改造箇所 高圧油ポンプより切換弁に至る防火壁部管継手
    四、要改造飛行機 一式陸上攻撃機一一型第872号機以前の全機
    (以下略)

    このように、各航空廠に通達が行き、こうした通達はそれぞれの航空廠でプールされます。
    そして、その航空廠の管轄下に当該製造番号の機体があれば適宜改修工事が行われます。
    この場合は、872号機以前の当該部品を873号機以降の部品と同一仕様にしようとされているはずです。
    こうして、ある程度仕様統一されてゆくことになります。



  17. 詳しく具体的にありがとうございます。想像以上に頻繁に小変更があって驚きました。なるほど、型式を伸ばして小グループにくくるより、個体管理のほうがスッキリすること、納得いたしました。
    ロク


Back