1035 栄31型の存在意義ってなんでしょう。
金星50シリーズを敢えて選ばないで複雑なのを選んだ理由を陸海軍はどう説明していたんでしょうか。
燃費は悪いけど栄31型向けに積む水メタノールのことを考えると航続距離と搭載量はどのみち同じな気がします。
金星ファン

  1. 水噴射は公称以上で使いますから燃料搭載量が格段に増える訳ではありません。
    30分程度の使用を考えています。
    また水噴射装置は既製の機体にもレトロフィットする予定で、昭和19年初め頃には前線部隊にもそうした情報が行き渡っています。
    金星換装よりもはるかに簡単で手間のかからない性能向上策だったということです。
    また、18年10月の金星換装検討は文書上は金星五〇型改と書かれていますが、これは金星五〇型のことではなく、水噴射装置付の金星六〇型です。
    BUN

  2. 回答ありがとうございます。
    新型発動機導入というよりむしろ噴射装置の導入で、予定では昭和19年中には製造、配備されている零戦の能力も底上げされる予定だったんですね。

    18年10月の換装計画について、三割近く出力が向上するにしては最高速度の向上が控えめなので換装対象は五〇型かと思っていました。
    新司偵でも出力向上の割に速度が伸びていないので実態とは近い気がしますが六二型が五〇型とたいして変わらない出力しか出ていないと思われていたのでしょうか。
    それとも設計上の必然性があるのでしょうか。
    金星ファン

  3. 離昇ではなく高度馬力で比べてみてください。
    BUN

  4. 栄二一型の第二速全開が高度6000mにて980馬力
    瑞星二一型の第二速全開が高度6200mにて950馬力
    それらと比べて
    金星六二型の第二速全開が高度6000mにて1250馬力というのは大きくないでしょうか
    金星ファン

  5. > 4.
     よく知られている栄三一型の950馬力/7,000mは水メタ無しでのもので、一一五-二の実績を見る限り、水メタを用いた栄三一型は1,100馬力/6,000m位出るはずです。
     でなければ、栄三一型と同じく水メタ+高回転化で出力増大を図った金星六二型の出力も金星五○型と大差ないことになってしまいます。
     金星六二型の1,250馬力/5,800mというのは大きいとは思います。
     しかし、百式司偵三型開発時のエンジンナセル再設計で発動機直径増大による空気抵抗の増大を軽減しようとする逸話がありますが、つまりこれは、瑞星や栄クラスから金星に発動機を換装すると無視できないほど空気抵抗が増えるということに他ならず、また重い発動機への換装は機体補強も必要とし、それは重量の増加につながります。
    T216

  6. >5
    18年10月の換装計画の比較対象が栄三一型装備の零戦だったということですか?
    私の記憶では栄二一型を装備した零戦五二型との比較なので三割増しという表現をしました。
    カウルの余裕や実際の零戦六四型を見るにカウルの幅も高さも3号零戦までと変わらないような気もするのですが確かに機首武装を廃止しない前提では大きくなるというのはわかります。
    換装検討で空技廠のいう、施すと航続距離の低下が四割から二割に減る補強策とは何なのかが気になりますけどそれはもう別の質問ですね(燃料タンク増設用の補強?)
    金星ファン

  7. > 6.
     失礼、読み違えをしていました。
     2.でも触れられている百式司偵二型→三型の速度向上率と+12ノットという試算から推定される零戦の速度向上率はほとんど同じ(時期的に見て既に試作機が飛んでいる百式司偵三型の実績を参考にしている可能性もあります)ですから、試算としては悪くないのではないかと。
    T216

  8. >7
    やっぱり新司偵の実績でやるつもりだった換装を思い直したんでしょうかね。
    果たして金星六二型がカタログスペックを出していたのかという疑問が生じたのでしょうか。
    スペックが航続距離以外は不気味なほど零戦五三型の計画性能(栄三一型1300馬力)とそっくりな零戦六四型や1500馬力級の発動機がきちんと動いてれば時速640qで飛べるはずがなぜか時速610qしか出ない三式戦II型とどうやら同じくらいの出力しか出ていない五式戦の実績からすると妥当な判断だとは思います。
    彗星三三型だけ調子が良いのはなんだか流星の誉みたいです。
    金星ファン

  9. キ六一 二型の610km/hは実測値ではありません。ハ一四〇の不調が大問題になった頃の「現状、これ位か」といった値です。
    BUN

  10. それではその時点以外での標準的な実戦部隊での性能はよくわかっていなのですね。
    五式戦の上昇時間が6分/6000mなら烈風の例を考えれば当然ありうるし、それが本当ならその時の金星はカタログ性能を出せていそう(?)
    金星ファン

  11. キ一〇〇の上昇力としてよく出されている数字は、6分/5000mなのじゃないでしょうか。

    なお、キ四十六IIIも19年春から夏の時点で速度が7%落ちて、いわゆる額面割れを起こしています。


  12. どうせ金星六二型が金星五〇型系と同じような出力しか出ないなら五〇型系も検討対象になってもおかしくない気がしてまた不思議な気もしますが。
    しかし金星五〇型には水噴射がうまくいった場合水噴射装置を後付けできない(それが可能なら六二型に間接噴射ポンプなんてつけないでしょうし)うえ生産計画は乱れて水噴射付の金星の生産を邪魔しかねないとするとむしろリスクが大きく感じられそうではあります。
    回答ありがとうございました。
    金星ファン


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