1043 私は翻訳者ではありませんが文字化けしてしまう為に質問が投稿できない為(IMEの問題でしょうか)、代理人として投稿させていただきます。
遠く離れた海外のマニアの方の為、諸賢のお知恵をお借りしたく存じます。



こんにちは。
まず始めに、私は日本人ではなく日本語も喋れませんが、日本の航空機に関するさらなる知識の充実と詳しい情報のため、日本人の友人の翻訳を通してこの掲示板に投稿させて頂いています。
日本の零戦に関して、英語で入手可能な様々な書籍や資料を調べていくなかで、ebay/amazonのこれ以上超えられない壁に直面しております。私は零戦の21型、32型、22型、52型に関する運用マニュアルの翻訳を持っており、また以下の書籍から技術的資料も入手しております
http://imageshack.co...5202/Ba64Uq.jpg
しかし、堀越二郎チームによるフライトテストデータ、風洞テストとそれによる計算データが手に入れられません。調べていく中で以下のような興味深い資
料に出会っています
http://f.hatena.ne.j.../20130714123218
http://f.hatena.ne.j.../20130714123356

この件について、風洞テスト、失速速度などのデータを含むフライトテスト、堀越二郎氏による計算データを含む現時点で入手可能な資料がないか教えていただけますでしょうか。

零戦の技術的データ、運用マニュアルは持っているのですが、この部分の航空データの知識不足から、零戦の空気抵抗による速度源drag、プロペラ効率、垂直・水平安定板の性能について把握できずにいます。

また、特に私の理解が追いついていないのが、一部の零戦のエルロンに取り付けられたバランス用タブbalance tabの機能についてです

http://imagizer.imag.../674/O8pDsC.png
英語の情報源や米軍の捕獲零戦の資料においては常に零戦のロール率は悪く、エルロンの効きは良くないとの記述が見られるのですが、堀越二郎氏はその著作にて一部の零戦はこのタブを装着していたと記述しており、このタブが実際に性能にどれだけの影響を与えたのか、ロール率をどれほど改善できたのか興味深い所です。

聞いた所によりますと一部のデータは堀越二郎氏とM.奥宮氏の著作「Zero Fighter英語版書籍名」に載っているとのことで、空気抵抗やプロペラ効率に関するチャートも含まれているそうです。しかし、それがどの版なのか私にはわかりません。

これらについて、私の知識の充実という身勝手な理由ですが、お答えいただけると非常に光栄です。零戦についてより多くの資料を入手し、より深く理解す
ることが私の夢です。よろしくお願い致します。
敬具
ミハイル、ヨーロッパより
丙型

  1. 質問文中のURLがすべて開けません。
    再度、正しい形でURLを示していただけないでしょうか。


  2. 大変失礼致しました
    こちらが正しいリンクです

    http://imagizer.imageshack.us/a/img537/5202/Ba64Uq.jpg
    http://f.hatena.ne.jp/spanglemaker/20130714123218
    http://f.hatena.ne.jp/spanglemaker/20130714123356
    http://imagizer.imageshack.us/v2/800x600q90/674/O8pDsC.png


    丙型

  3. バランスタブについて。
    A6M2までの零戦の補助翼は計器指示速度155ノット付近から重くなり始め、200ノット以上になると重すぎる欠点があり、しかしこれは低速での旋回空戦と発着艦時に使う低速での舵の効きが優先されてしまったためで、補助翼自体の面積を変更して改善しようとすると低速で舵の効き過大となってふらつき、振動を起こすために、空技廠からの提案・設計により高速でのみアシストするバランスタブが設けられたものです。
    下川事故の原因かも知れないと考えられたために廃止されて再び高速で補助翼が重くなり、三二型で翼端を切断することでこれを回復したとされていますから、バランスタブ装備機の高速でのロール率はそれなりに向上していたはずです。
    のち、事故原因ではないことが明らかになったため、二二型と中島製二一型後期型で復活しています。


  4. ご回答ありがとうございます。

    横転性能の向上を翼端を切ったりバランスタブを再装備させているあたり高速域の横転性能は重視されていたのでしょうか。
    それとも高速域における性能低下が致命的なものだったのでしょうか。


    丙型

  5. 零戦の昇降舵には操縦系統を剛性低下させることで、低速時と高速時の舵の効きを両立させ、高速でも舵が軽くなるよう工夫されていたのですが、同じ方法を補助翼に適用するとフラッタ発生の原因となるため、補助翼に関してはまず低速での操縦性を優先して完成されていました。低速を優先して妥協しなければならなかったのは、そうしないと離着陸(発着艦)が危険であるからです。

    こうしたことから高速での補助翼が重過ぎてしまうことは当初より零戦の欠点として認識されていました。

    昇降舵と同じ剛性低下法を使えない代替案として、高速でのみ働いて補助翼を軽くする機構が必要であることはわかっており、空技廠で打ち出してきた打開策がバランスタブであったわけです。


  6. 剛性低下方式は、操縦索の剛性を低下させることにより、意図的に高速時の舵を効かなくさせるための仕組みです。

    飛行機は高速になる程、同じ舵面の角度でも舵の効きが大きくなってきますので、例えば操縦桿を同じ10センチだけ動かしても、その舵面の角度に対する飛行機の動きが速度域によって異なる事になり、どの程度操縦桿を動かせばよいかという判断を、パイロットの感覚で調整する必要があります。

    操縦索の剛性を低下させる事により、高速時の空気抵抗で重くなった舵面を動かす際に操縦索が伸びますので、例えば操縦桿の10センチの動きに対して、低速時よりも舵面の角度が少ししか変化しない分、効きは悪くなっている。
    しかしパイロットの感覚からすると、飛行機の動きはその速度域に関わらず、操縦桿の10センチの動きに対しては常に10センチ分、20センチに対しては常に20センチ分の動きをしてくれるようになる訳です。

    これは高速時に舵を軽くするための仕組みではなく、重くなる事を利用して「操縦桿の操作量(操作距離)」を一定にし、パイロットの感覚を助ける仕組みです。
    MITTU

  7. アシストというより、低速時と高速時での操作性の両立、ということですね。
    昇降舵の剛性低下と補助翼のバランスタブが三菱の社内文書上で上記観点により並べて述べられているのは確かなのです。



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