1060 日米の空母攻撃について疑問があります
艦上爆撃機の空母攻撃において、日本側の通常爆弾は遅延信管、米側はGP爆弾は瞬発信管を用いているように思えますが、何故このように日米で違いが出たのでしょうか

日本側が遅延信管を用いたのは信管機関部や弾薬庫まで到達を重視して撃沈を狙っていたから
米側が瞬発信管を用いたのは飛行甲板破壊による発着艦能力を奪う事を重視していたから
と考えれるのですが、何故日米でこうした考えの違いが生じたのでしょうか

のちにアメリカ側はSAP爆弾を使用しているとはいえ、大戦初期のアメリカの日本では艦爆による敵空母攻撃で狙い(飛行甲板破壊か機関部・弾薬庫破壊か)が異なるように思ってしまいます

日米共に敵空母撃破による制空権奪取を狙っていたのは同じだと思われますが、攻撃方法や手段でこのような差違が生じたのか未だに解りません
ご存知の方がいればお願いいたします
天ヶ崎

  1. 日本では昭和10年に実験を行い、その結果として、飛行甲板破壊だけでは敵空母の発着艦能力を長時間制圧できるほどの効果はない、しかし、艦爆の25番急降下爆撃で防御鋼鈑を抜くことは可能なのでこの方向での能力を高める、と方針化しています。
    日本海軍は洋上航空兵力で常に自方が劣勢であることを想定して臨んでいるので、高能率で敵空母を封殺することを考えざるを得なかったのでしょう。


  2. ちなみに、日本海軍の同実験の結果考察では、格納庫内での爆発も爆圧が側面から抜ければ効果が少ない、としています。
    飛行甲板でではなく、格納庫ででもなく、その下の防御甲鈑を抜くのが、敵空母を制圧する一番効果的な方法なのだろうと考えてしまったわけです。
    もうひとつには、米空母が近い将来装甲空母となるだろうことを念頭においているということもあります。


  3. 片さんありがとうございます

    >飛行甲板破壊だけでは敵空母の発着艦能力を長時間制圧できるほどの効果はない、しかし、艦爆の25番急降下爆撃で防御鋼鈑を抜くことは可能なのでこの方向での能力を高める、と方針化しています。
    これはつまり、
    ・機関部損傷をさせ速度低下する事で発着艦能力を長時間制圧
    ・弾薬庫爆発をさせ艦そのものに大ダメージを与える事で発着艦能力を長時間制圧
    を日本海軍は狙っていたという事でしょうか

    また、実戦の珊瑚海やミッドウェイなどで敵空母の発着艦能力が短時間で復活してしまいましたが、それは日本海軍の想定外、予想を上回ったという理解でよろしいのでしょうか


    また米海軍側の事情のついて詳しく知っている方がいれば引き続きお願いします
    天ヶ崎

  4. 日本海軍の昭和13年の各種爆弾の整備目標では、二五番通爆の用途は(戦艦、重空母(新)、重巡を除く)艦船の撃沈とされています。ここには重空母(現)までは撃沈可能とする対象として含まれています。

    しかし、現有二五番通爆では弾体の強度が足らず防御甲鈑貫徹に至らず自爆してしまうことが懸念され、ここを強化した九九式二五番通爆が作られるのですが、結果的に珊瑚海のヨークタウンではその九九式が装甲鈑に当たって爆発してしまっています。


  5. なるほど、撃沈による発着艦能力の制圧を狙ったということですね

    >二五番通爆の用途は(戦艦、重空母(新)、重巡を除く)艦船の撃沈とされています。ここには重空母(現)までは撃沈可能とする対象として含まれています。

    ついでにお聞きしたいのですが、ここで出てくる重空母(新)や重空母(現)はどの艦を日本海軍は指していたのでしょうか
    具体的に言えば、イラストリアスは重空母(現)と思われるのですが、重空母(現)は他にどの艦を想定していたのでしょうか
    天ヶ崎

  6. この場合は単純に、

     防御甲鈑50ミリ 重空母(現)
     防御甲鈑70ミリ 重空母(新)

    という意味合いです。
    文脈上、飛行甲板装甲のことをさしているわけではありません。



Back