1067 ここの過去ログや「いろいろクドイ話」でB-17が戦略爆撃機ではなく侵攻艦隊の洋上撃破がメインの爆撃機だという話を読んだのですが、最初のコンペでXB-17は高価なことを理由にB-18に敗れています。
またダグラス・マーチンはいずれも双発機で要求仕様を満たしたようですがXB-17だけ四発で、競合機と比べ過剰なくらい高性能になっています。
時期が近い九六陸攻も双発で十分な性能に達していますし、実際にB-18が陸軍の考える洋上撃破に十分な性能だとしたら、何故ボーイングはこのコンペのとき双発ではなく四発機を選択したのでしょうか?
Q&Aの過去ログでは陸攻が四発機にならなかった理由がいくつか出ていますが、逆にB-17が双発にならなかったのが不思議に思いました。
競合機がいずれも既存機の改良型で安価なのを売りにしていたから自社は高級高性能で勝負、という腹づもりだったんでしょうか?
通りすがり

  1. 双発のダグラス、マーチンは要求(もしくは要望)を満たしてないのじゃないでしょうか。
    特に航続力の点で。


  2. >>1
    ソースは専門書ではなくて英語版ウィキペディアその他で恐縮ですが、要求航続力2000マイルに対してB-18は複数ソースで最大航続距離が2000マイルを超えています。
    マーチン146の方はRangeが1237マイルと書いてありますが、英語版ウィキペディアではB-18AのFerry range2100マイルに対してRangeが900マイルなので、B-18の最大航続距離が2000マイルを超えているなら、恐らく爆装しての航続距離だと思われるRangeがB-18Aを上回るマーチン146も最大航続距離は2000マイルを超えているものと推測します。
    複数の文書でこの要求仕様は最低200mphの最大速度で10時間飛行と書かれていますが、爆装しての戦闘航続距離が2000マイルなのか、最大航続距離が2000マイルなのかはわかりません。
    通りすがり

  3. XB−17と言う呼称は存在しません。
    B−17の開発に関してはこちらをご覧ください。
    http://www.joebaugher.com/usaf_bombers/b17_1.html
    三角野郎

  4. 最初の試作機モデル299のことを「XB-17」とする呼び方は、日本語版Wikipediaだけなのですね。
    じつは世傑B-17もこの呼称を使っています。
    世傑もNo14と古い本なので、この呼称が正しいかどうかはなんともいえませんが。
    超音速

  5. XB−17は俗称で正式名称ではありません。B−299はボーイング社の社有機で軍のシリアルナンバーも与えられていません。
    三角野郎

  6. 質問そのものとは関係ありませんがXB-17という正式名称は無かったんですか。ありがとうございます。

    >>3
    このページの解説だとモデル299が四発になったのは294(XB-15)の縮小型として設計が始まったからとあります。しかし、294の小型版を作る際に双発にせず四発のままにした理由の説明はありません。
    もう一つの設計の参考になった247が双発なのですから、ダグラスのように双発旅客機を双発のまま爆撃機に改設計することも選べた中で、どうして要求性能に見合わない過大な294の縮小版を作ることを選択したのかの理由がわかりません。
    DC-2より設計が古く(原型はさらに古い爆撃機のY1B-9なんですね)性能も低い247を元にした双発案では検討時点で要求性能を満たせそうになく、限られた時間の中で要求を満たせる見込みのある選択肢は294の四発のままの縮小しかなかったから…と推測はしましたが色々検索しても裏は取れませんでした。
    通りすがり

  7. 爆撃機型モデル299と旅客機型モデル300は双子の兄弟機種です。
    モデル307ストラトライナーが「B-17の主翼などを流用」ということになっているので、爆撃機型まずありきと思われてしまいがちなのですが。

    「ダグラスのように双発旅客機を双発のまま爆撃機に改設計することも選べた中で」というのと同様、ボーイングも自社で作ろうとしていた四発旅客機を爆撃機としても使うことを選んでいたわけです。

    モデル300はユナイテッド航空で使われることが想定されていたといい、そもそもユナイテッド航空はボーイングの系列企業だった会社です。


  8. >>7
    ストラトライナー以前にモデル299設計開始時点で双子の四発旅客機300と同時に開発することが考えられていたんですか。これは知りませんでした。
    247がDC-2に敗れた後のボーイングは四発の大型旅客機で巻き返す方針を確定させていたようですし、そのための四発旅客機とコンポーネント共用で作るのなら必然的に四発になってしまうのでしょうね。
    通りすがり

  9. モデル300はユナイテッドではなく、TWA向けでした。
    YB−17のテスト飛行に参加していたTWAのチーフ・エンジニアのトミー・トムリンソンが関心を抱きボーイングのジャック・フリー、フレッド・コリンズとの会談でモデル299と同じ主翼、尾翼、エンジンを使って33席の旅客機開発が話し合われました。(Alain Pelletier著、Boeing The Complete Storyより)
    三角野郎

  10. ボーイング299はXB-17として領収される前に失われたので軍用機としてのシリアルが付かなかったのですが、米陸軍航空隊も製造元のボーイング社もこの機体をXB-17と呼ぶことを間違いとはしていません。
    従って、XB-17は存在する訳です。
    製造元のボーイング社のサイトをご覧なさい。

    そして2000マイルの航続力要求はフェリー状態ではなく2000ポンドの爆弾搭載を前提としています。
    BUN

  11. XB−17と言う正式名称は存在しません。あくまで俗称です。
    三角野郎

  12. 俗称ではないですよ。予定されていた名称というのが正しいでしょう。
    質問内容とも関係ありませんし「存在しません」などと言って何かが変わるような性質の話でもありません。
    BUN

  13. Fortress in the Sky, by Peter M. BowersのP.12をご覧なさい。

    One of the first fallacies of the B-17 story that needs debunking is the "XB-17" designation. There never was one, and the B-17 designation itself did not appear officially until January, 1936, nearly three months after the prototype crashed, Subsequent use of the fictional designation was the result of logic and convenience.
    三角野郎

  14. >9
    YB-17のテスト時というと1936年12月以降のことになってしまいますが、「300」というモデルナンバーは少なく見積もっても1935年以前のものです。307ですら起源は1935年なのですから。


  15. ボーイングはこの四発爆撃機/旅客機であるモデル299/300に若干先んじて、おそらくマーチンやダクラスと同規模と思われる双発爆撃機の検討も行っています。
    しかしながら、軍からの航続力要求が双発機では困難と思われる過大なもであったことから、他社の一歩先を行く四発機に主眼を切り替え、これを経済的にも成立させるために、やはりダグラスDCシリーズの一歩先を行く四発旅客機をも同時に考えたのだろうと思うわけです。


  16. >>10
    >>18
    要求仕様が「2000ポンドの爆弾を積んだ状態で」2000マイルなら明らかにB-18は満たせていませんが、何故要求仕様を満たしたモデル299が不採用で満たせていないB-18が採用になったんですか?
    価格の差が要求仕様を諦めさせるだけのものだったんでしょうか?
    通りすがり

  17. 訂正。>>18→>>15です。
    通りすがり

  18. マーチンB-10後継機として想定されていたのが双発機だったためではないでしょうか。
    四発機としては長距離爆撃機Project-Aが設けられているのとは別枠として考えられているわけであり、ボーイングも当初には双発機を検討しているのは、そういうものが求められているという前提があったからでしょう。
    双発で想定していたものが四発になってしまっては、所要機体数を整えるのも滞ってしまいます。
    双発では要求に足らなく、想定外のところから登場してきた四発機は機数整備が難しく、どちらも一長一短で決定打とはいえなかったがゆえに陸軍航空軍内でどちらを採るのか天秤にかけられたということなのでしょう。


  19. >>18
    要求仕様は「多発機」で「双発」とは規定されていなかったのでは?
    ボーイングの社長エグタベットが担当将校のジャン・ハワード少佐に確認した際に「記述は『多発』となっています。文字通りですよ」と回答されたって話がありますが……。
    薩摩

  20. ですから、規定ではなく「想定」という言葉を使いました。
    Project-Aの方も四発だけでなく六発を考えられたりもしています。


  21. 可能性は閉ざさないけれど、予算が無尽蔵あるわけではない、というところです。


  22. ボーイングは双発検討の時点でマーチンやダクラスよりも機体が大型で発動機出力も大きいものを考えてますね。
    おそらく要求に答えようとしてのことでしょうが、そういうことになるならばいっそ四発で、と踏み切ったのかもしれません。


  23. >>18
    >>22
    ありがとうございました。できればボーイングが双発を検討したという文書のソースを教えてください。
    通りすがり

  24. model 298で検索なさって見てください。



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