1101 みなさま、いつもお世話になっております。
度々の質問で恐縮ですが、とても気になる事がありますので、質問させていただきます。

■極初期のジェット戦闘機のエアインテークについて

極初期のジェット戦闘機では、機首の正面がエアインテークになっている機種が多くあります。

大型の電子機器が積めない、超音速飛行に向かない、といった理由で、現代の戦闘機では、機首インテークの形態は用いられていません。しかし、飛行性能的にはもっとも効率的な形態ともいわれているそうです。

となると、レーダーを積まず音速も出さない極初期のジェット戦闘機では、機首インテークの形態が理想的だったという事になると思うのですが、極初期のジェット戦闘機でも主翼付け根や胴体側面にインテークがある機種もありますね。


P−59はアメリカ最初のジェット戦闘機にして、早々、胴体側面インテークを採用していますね。

レーダーとも超音速とも無関係だったはずのそれらの機種が、もっとも理想的なはずの機首インテークを採用せず、主翼付け根、あるいは胴体側面にインテークを設けた根拠は何だったのでしょうか?

自分なりに調べてみたのですが、わかりませんでした。

機首に機関砲を搭載する都合かと思ったのですが、FJ−4は機首インテークでも機首に20mm四門も積めているので違いますね。

海軍機ゆえの都合があるのかとも思いましたが、これもFJがあるので違いますね。

双発機だからかとも思いましたが、アタッカーは単発でも胴体側面にインテークがありますので違いますね。

搭載するエンジンの特性によるものかとも思いましたが、アタッカーもMIG−15もニーンですから違いますね。

と、このように自分で考えてみても分かりませんでした。

後々、レーダーを積めるようにするためでしょうか?
燃料タンクの位置関係とかでしょうか?

ご存知の方がおられましたら、ご教授いただけますよう是非ともよろしくお願いいたします。
たーぼふぁん

  1. 追記:
    文章が長くて質問の焦点がぼやけてしまって申し訳ございません。

    質問の焦点は
    『レーダーとも超音速とも無関係だったはずのそれらの機種が、もっとも理想的なはずの機首インテークを採用せず、主翼付け根、あるいは胴体側面にインテークを設けた根拠は何だったのでしょうか?』
    ↑これです。
    たーぼふぁん

  2. 機銃であれレーダーであれ偵察・爆撃機材であれ二人目以上の乗員であれ、道具としての航空機はそれらの機材を必要な場所へ持って行く為の乗り物です。飛行機としての性能へのペナルティが許容範囲なら、機首という特権位置は手段では無く目的に充てたいのです。
    遠心式について言えば、空気吸入口が屈曲する事でのペナルティは軸重式よりも小さいです。
    にも。

  3. そのその双発機である、ということがその理由だと思いますよ。
    空気吸入ダクトの屈曲を避けたから、ああいう形になったのでは?
    http://www.aer.ita.br/~bmattos/mundo/country/usa/usa/bell_p-59.gif


  4. ↑「そもそも」ですね。
    Me262の原動機ポッドを胴体に密接するところまで内側に移したような感じ、と思えばよいのではないでしょうか。


  5. >にも。さま
    ご回答いただき、ありがとうございます!

    >機首という特権位置は手段では無く目的に充てたいのです。
    レーダーを積まない極初期のジェット戦闘機において、その"目的"とはどのような事がありますでしょうか?というのが、そもそも本質問の趣旨でございます。文章力が至らず質問の趣旨がぼやけてしまい申し訳ございません。
    たーぼふぁん

  6. >片さま
    ご回答いただき、ありがとうございます!

    >Me262の原動機ポッドを胴体に密接するところまで内側に移したような感じ、と思えばよいのではないでしょうか。
    なるほどです。図面を見るとエンジンがけっこうな大きさですね。これを二つ積むわけですから、機首インテークでは無理が出そうです。これなら確かにP−59の場合は双発機である事がその理由だと納得できます。

    では、単発だけどインテークが胴体側面にある機種の場合は、何が理由だったのでしょうか?
    機関砲を安定した位置に持ってきたいという理由なら分かるのですが、アタッカーの場合、機首に武装がありません。機首にカメラがありますが、まさかそれが理由ではないでしょうし。
    同じニーン単発のMiG−15とアタッカーとでインテークの形態が違うのはなぜなのかが気になります。
    http://aviadejavu.ru/Images6/AN/AN82-5/16-1.jpg
    たーぼふぁん

  7. 結論からいうと吸入効率を取るか内部配置の合理化を取るかの問題です。

    世傑No.84 F-80/T-33シュティングスターより抜粋
    「胴体側面にインテイクを設けたセンスは、レシプロ機とは完全に一線を画したデザインといえる。サイドインテイクは、機首インテイクより吸入効率は劣るものの、武装や装備品の収納に有利であり、その後のジェット戦闘機の主流となっていったことをみても発想が優れていたといってよい。」

    機首インテイクにすると当然長いダクトのための空間が胴体内に必要なわけで、内部配置はかなり苦しいことになります。なんとか配置したように見えても、しわよせで燃料タンク容量が圧迫されたり胴体が太くなったりします。じっさいF-86やF-84はかなり胴体が高くなっています。
    また写真偵察型を作るに当たってF-86はカメラの入った大きなコブが胴体側面に張り出し、F-84はわざわざサイドインテイクにして機首にカメラ用スペースを作る大工事を行ないました。

    レーダーを積まない、と言ってますけどグラマンF9FはAN/APG-30ARO測距レーダーを積んでます。

    時代を戻しますが、レシプロ機の場合でもエンジン/ラジエーター冷却のほか滑油冷却と過給器/気化器のための空気取り入れ口が3つ必要なわけですが、ラム圧利用のため機首最前面や主翼前縁に開口するのがもっとも吸入効率が良いというのはこの時代でも当然知られていました。3つとも前面に開口している機種もありますが、側面・上/下面に取り入れ口を突き出している場合も多いですね。
    超音速

  8. ・タービンのみならずレシプロに於いても、航空発動機が性能を発揮するには吸気系が動圧を活かして空気吸入を増大させられる形状である事。吸気が屈曲しない事が望ましいとされる理由。空気取り入れ口が機首だの胴体だのと考えるのが間違い。
    同じエンジンを積んだ零戦と隼の性能差は吸気取入口の空力性能の違いだという記事を読みました。
    ・遠心式は吸気の屈曲に比較的強い。軸流式は吸気の屈曲に弱い。
    航空機としての性能だけ発揮すればいいというのは実用機ではないです。グロスターやハインケルの実験機は機首に開口してますね。
    英国の実用機で機首に空気取入口を設けたものは亜音速時代は皆無ですが超音速時代に…
    にも。

  9. サンダース・ロー・スクアートが機首取入口でした
    にも。

  10. イギリスでも最初のグロスター E.28/39が機首ですよ。
    胴体側方給気はバンパイアからです。


  11. ただ、これは間違いないだろうと思うのは、初期においてサイドインテークを使い始めたのは、原動機が遠心式だったから、だとはたしかに思います。

    最初期は、機首から。
    次いで、遠心原動機で胴体側方空気取入れが出現し、
    軸流式が主流になると、機首からの取入れに戻る。

    以上は、単発ジェット機の大まかな傾向です。
    双発まで巻き込むとまた話が複雑になります。


  12. 機首のエアインテークが効率が良いのは判りますが、エンジンにとってはどうだったのでしょうか?
    何の障害物も無く一直線にダクトが通っている訳では無いと思います。例えば前輪等は必要でしょうしね。
    He178で機首インテークを採用したのにHe162ではエンジンを胴体上部に乗せたのは効率の良いダクトを設計する為のデータが無かった事も理由の一つだとだと聞いた事が有ります。
    まぁHe162に関しては製造の簡略化の方が大きな理由でしょうけど。
    しょうや

  13. >超音速さま
    ご回答ありがとうございます!
    内部配置の合理化のお話、納得です。
    P−80はスターファイアでレーダーを積むことになりますが、初期段階でサイドインテークを採用した機種は、こうした後々の発展性も考慮に入れての事だったのでしょうか?
    たーぼふぁん

  14. >にも。さま
    >片さま
    軸流式と遠心式のお話、なるほどです。

    >8.遠心式は吸気の屈曲に比較的強い。軸流式は吸気の屈曲に弱い。
    >11.軸流式が主流になると、機首からの取入れに戻る。
    機首からの取り入れに戻った後、電子機器の大型化でまたサイドインテークになりましたが、その際に軸流式の弱点はどのように克服したのでしょうか?
    たーぼふぁん

  15. >しょうや さま
    >何の障害物も無く一直線にダクトが通っている訳では無いと思います。
    たしかにそうなんですよね。機首インテークは操縦席を避けるように二つに分かれて屈曲してますよね。実際どのくらい効率に差があるのかは私にはわかりませんが、内部図解を見る限り、素人目にはサイドインテークと比べてもそれほど効率が良さそうには見えないのですが・・・。
    http://s1.1zoom.me/big3/320/339061-sepik.jpg
    たーぼふぁん

  16. >8.

    >遠心式は吸気の屈曲に比較的強い。軸流式は吸気の屈曲に弱い。

    そんなことはないように思いますが、どのような理由でしょうか。
    じゃま


  17. 関連サイトを見つけたので、参考ください。
    リンクが繋がらなければ、「ジェットエンジン ディストーション」
    で検索してみてください。

    http://www.iadf.or.jp/8361/LIBRARY/MEDIA/H19_dokojyoho/H19-6.pdf#search='%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3+%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3'

    >16
    遠心式と軸流式では、遠心式の方が「ディストーション」の影響を
    受けにくかったと思います。(文献忘れました・・・)
    taka

  18. >takaさま
    とても詳しいサイトをご紹介いただき、ありがとうございます!
    たーぼふぁん


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