1124 以前のAns.Q航空1060において、
日本では昭和10年に実験を行い、その結果として、飛行甲板破壊だけでは敵空母の発着艦能力を長時間制圧できるほどの効果はない、しかし、艦爆の25番急降下爆撃で防御鋼鈑を抜くことは可能なのでこの方向での能力を高める、と方針化しています。
と片様から回答を頂いたのですが、これについて質問があります。

1.飛行甲板破壊だけでは敵空母の発着艦能力を長時間制圧できるほどの効果はない、とは長時間とは具体的にどれくらいを指しているのでしょうか
(当日レベルで復旧とか週間単位での復旧とか、ドック入りレベルなのか、など)

2.飛行甲板破壊だけでは敵空母の発着艦能力を長時間制圧できるほどの効果はない、と日本海軍はしていたのに、飛行甲板破壊だけ日本空母の発着艦能力を長時間制圧されてしまったのは何故なのでしょうか
単純に、250kg爆弾の見積もりだったからで1000lbs爆弾だと話は別ということなのでしょうか

以前の書き込みについてで申し訳ありませんが、大変気になっているのでよろしくお願い致します
天ヶ崎

  1. 1は「時間」単位です。

    2は前提が少し間違っています。昭和10年に250kg爆弾に専念した訳ではなく150kg爆弾で敵空母の発着能力を奪えると考えているのが昭和11年頃の海軍です。高性能艦爆の最初の計画である十試艦上軽爆機が搭載するのも250kg爆弾ではなく150kg爆弾だということです。
    飛行甲板の破壊だけを目標とした150kg爆弾に見切りをつけて撃沈を狙える250kg爆弾へ、更に装甲空母に対抗できる500kgへと移行します。



    BUN

  2. BUN様ありがとうございます

    >1は「時間」単位です。
    長時間とは文字通り時間単位だったんです
    よろしければ具体的な時間なども教えて頂けると助かります


    >昭和10年に250kg爆弾に専念した訳ではなく150kg爆弾で敵空母の発着能力を奪えると考えているのが昭和11年頃の海軍です。
    なるほど、250kg爆弾ではなく150kg爆弾での評価だったんですか。

    天ヶ崎

  3. 日本海軍の急降下爆撃用爆弾はイラストリアスの起工によって小型爆弾による甲板破壊を最終的に諦め、大型化へと進み始めます。
    飛行甲板破壊ができなくなる、との見通しで発着能力を奪うことが困難だから船としての機能を奪い落伍または撃沈を狙うようになる訳です。
    そして装甲空母に対しては500kg爆弾でも発着機能を奪えないとの危惧を持っていることが空威研究会報告から読み取れます。
    飛行甲板破壊よりも落伍、撃沈の方が容易かもしれないと考えているのです。

    また以前の質問にあった信管の遅動ですが、同報告で投下高度により変更されるとしている点もよく考えてみる必要があるでしょう。

    BUN

  4. 小型爆弾による飛行甲板破壊を狙う(昭和11年頃)
    それだと長時間発着艦能力を奪えない。短時間で復旧しそう
    なら大型爆弾にしよう。それなら貫通力と破壊力があるから落伍、撃沈が狙えそう(遅くとも開戦後はこの方針)

    こういう流れなんですね。
    確かに落伍や撃沈なら敵空母の発着能力を奪う事と同義ですから、単に飛行甲板破壊だけよりそっちの方が望ましいですね。


    あともう一つお聞きしたいのですが、
    日本海軍が飛行甲板破壊から落伍、撃沈に方針転換したきっかけの一つとしてイラストリアスの起工が挙げられていますが、
    米海軍がSAP爆弾を使用しだすのは日本海軍と同様の理由なのでしょうか。
    つまり、装甲空母である大鳳の起工によって、米海軍も飛行甲板破壊から落伍、撃沈を狙うようになったということなのでしょうか。
    以前の質問で米軍側について回答が無かったので、こちらについてご存知の方が居ればどなたでも構いませんのでよろしくお願いいたします。
    天ヶ崎

  5. GP爆弾の貫通力不足が懸念された結果、APとGPの中間的なSAPが生まれる訳ですが、SAP爆弾は日本の通常爆弾と同じく対空母用という訳ではありません。
    米海軍はGP爆弾でも日本空母の撃沈を狙っているのです。
    BUN


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