1139 ちょっと変なことを思いついたので、質問します。
P51では、冷却器がラム推力を出して高速に貢献してましたよね。
飛燕もしかり、では、更に高温のエンジンを直接空気で冷却してた空冷エンジン機では、ラム推力は利用されてなかったようです。
ですが、実際には発生していてもおかしくはないてすよね。
これは、現実にはどのような影響を及ぼしていたのでしょう!?
又は、利用されていたのでしょうか?

青江

  1. タウネンド・リング→NACAカウル、あれが将にラム圧を利用してシリンダーヘッドを冷却しています。
    カウルの内面は翼の下面と同様に凹んでおり、其処に流入する気流の速度は遅く、気体密度は大きくなります。
    その濃い空気を、導風板でシリンダーヘッドに埋め込まれたフィンの間に吹き込んで、冷却します。
    BMW801の様にNACAカウル内面のラム圧が発生する所から滑油冷却器の空気を取るエンジンもあります。
    にも。

  2. http://www.warbirds.jp/ansq/12/A2003009.html
    http://www.warbirds.jp/ansq/1/A2000820.html
    とりあえずこちらの過去ログをご覧ください。
    超音速

  3. カウルフラップというものがあるのですから、空冷エンジンの冷却気排気口からも推力は出ています。
    そして液冷エンジンも同じですが、僅少な値の推力そのものよりも後方への乱流を整流することで性能向上に繋げています。
    にも。

  4. >P51では、冷却器がラム推力を出して高速に貢献してましたよね。

    この話題は、以前、議論ボードで何度か取り上げられていました。
    ラム推力は発生しないんですよ。

    流入した空気が冷却器内部で熱をもらって、高速で流出するので、ラム推力となる、というように書いている人がいます。

    しかし、これは違うので、逆に損失が増えるのです。

    冷却器に流入した空気は、冷却器内部で加熱されますが、
    熱エネルギによる空気の膨張・流速増大は同時に圧力損失の上昇とバランスしているので、推力がキャンセルされてしまいます。

    推力となるなら、冷却器内部の全圧が流入空気よりも高くなるはずです。
    しかし、もしそうなるなら、冷却器に空気が入らなくなってしまいます。

    むしろ、冷却器に流入する前後では圧力損失が生じますので、空気密度の低下によって、かえって損失が増えます。

    以下、計算例を示します。

    冷却器に空気が流入するときと、内部伝熱面を通過するときと、流出するときと、それぞれ圧力損失が生じます。

    この圧力損失は
    ΔP=0.5×空気抵抗係数×空気密度×空気流速**2

    【仮定】
    エンジン     :マーリンV-1650 1500ps
    大気温度     :15℃
    高度       :海面高度
    飛行速度     :400km/h
    エンジン正味熱効率:20%
    冷却損失     :30%
    冷却器出口空気温度:80℃

    【結果】
    冷却放熱量    :1329kW
    冷却空気流量   :26.3kg/s
    冷却器入口動圧  :7.56kPa
    冷却器空気抵抗係数(仮定): 0.1  0.2   0.3   0.4  0.5
    圧力損失  [kPa]     : 0.76 1.51  2.27  3.03  3.78
    動力換算損失[kW]      : 19.91 39.83  59.74  79.66  99.57
    動力換算損失[ps]     : 27.08 54.15  81.23 108.30 135.38

    エンジンパワーの9%近くが損失となる可能性があります。

    じゃま

  5. その「圧力損失」に対して、ラジエターが放出する熱エネルギーから発生する推力エネルギーがどれ程になるかという計算が必要ですよね。(拡散型の)ラジエターからは推力が発生しています。

    「2」で示された過去ログ以上の議論が必要ではないでしょうか。

    ちょん太

  6. ちょん太さん

    >ラジエターが放出する熱エネルギーから発生する推力エネルギー

    拡散型でも推力は発生しないんですよ。

    ラジエターの温度はせいぜい100℃です。水の沸点だから。
    ゆで卵をつくるくらいしかできないです。

    ラジエターの圧力損失と、放出する熱エネルギーは釣り合っているんです。
    推力は結局ゼロです。

    空気が温められて体積が増えるから、流速が増えるように思ってしまいますが、流速の2乗で圧力損失が増えます。

    ラジエターの抵抗が大きくなって、空気が入りにくくなり、むしろ流速は下がってしまいます。

    ラム圧は大気圧のわずか8%くらいで、推力が発生するほどラジエターに空気を押し込むことはできないです。

    ジェットエンジンでは圧縮機がついていて、大気圧の10倍以上で空気を押し込み、燃焼室で1000℃以上に加熱するから、推力を発生します。

    じゃま

  7. ラジエターが熱を発生していない場合に比べて、熱を発生していれば、推力は発生しますよ。

    「2」で示された過去ログに熱効率を仮定して計算されているじゃないですか。プロペラ推力に比べたら小さいですが、何馬力かの推力を算出されているじゃないですか。しっかりと過去ログを読んでくださいよ。

    冷却器の入り口も出口も静圧はどちらも同じ大気圧です。ラジエターからの熱流束は小さいですから、流路抵抗も変らず、静圧分布も変化無いとみなせます。熱が発生したから入り口から空気が入りにくくなるようなことはありません。流入空気速度に比べて熱膨張速度は十分に小さいです。慣性を持った空気が冷却器内部で(定圧)熱膨張し出口から流出する。熱膨張で速度が速くなった分が推力です。

    冷却空気の温度変化が小さいから熱効率がとても小さいのでしょうけど、ラジエターで発生する熱量が大きいから「2」で推算されているような数馬力の値が出るんでしょうね。原付バイクなら大きな値でしょうが、プロペラ推力が千馬力以上の飛行機にとってみればさほどの推力ではないでしょうけど。

    冷却器はそれ自体が大きな空気抵抗であり、それを相殺できるほどの推力は発生しませんが焼け石に水?程度の推力(上述の馬力比)は発生します。


    ちょん太

  8. ちょん太さん

    過去ログは読んでいるのですが、問題が多いと思います。

    >推進効率はプロペラ以外は勘です

    これはまずいのではないでしょうか。

    >カルノーサイクルで16.5%

    当時の航空エンジンですら、20%程度なのに、最高温度がせいぜい100℃では、
    そんな大きな値になるはずがないです。
    自動車用エンジンだって12%くらいの時代です。

    >推力排気管のデータを参考に計算

    排気管は、圧力損失がなるべく小さくなるようにしています。

    一方、ラジエターは、熱交換をする以上、圧力損失は大きくなります。
    熱交換は、空気と伝熱面のカラミで行われるからです。

    圧力損失が排気管のように小さければ、熱交換ができず、ラジエターにできませ
    ん。
    排気管のデータは、参考にならないと思います。

    >ラジエターからの熱流束は小さいですから、流路抵抗も変らず、静圧分布も変化無い

    熱流束が小さいなら、ラジエターにならないと思います。

    空気が熱膨張するから、体積は大きくなり、流速が増して、流速の2乗で流路抵抗が大きくなるはずです。

    また、ラジエター内部では、入り口の動圧が静圧に変わっていくので、分布は変わると思います。

    >熱膨張速度は十分に小さい

    熱膨張速度が小さければ、熱交換ができないと思います。
    とても長いラジエターになってしまう。

    >ラジエターで発生する熱量が大きい
     前述の
     >「ラジエターからの熱流束は小さい」
     とは矛盾するのではないでしょうか。

    >原付バイクなら大きな値

    今の原付バイクなら、昔の航空エンジンより熱効率が良いから、ラジエターで捨てるエネルギーは、むしろ小さいはずです。

    じゃま

  9. >5.ラジエターからは推力が発生しています。
    過去ログでは推力効果を肯定するような結論にはなってないと思うのですが、
    過去ログのほか
    http://www.warbirds.jp/data/us/htm/p-51s.htm
    こことか
    http://www.warbirds.jp/ibukuro/Raji.HTM
    ここでも推力効果は否定されています。
    超音速

  10. ちょん太さん

    過去ログは読んでいるのですが、問題が多いと思います。

    >推進効率はプロペラ以外は勘です

    これはまずいのではないでしょうか。

    >カルノーサイクルで16.5%

    当時の航空エンジンですら、20%程度なのに、最高温度がせいぜい100℃では、
    そんな大きな値になるはずがないです。
    自動車用エンジンだって12%くらいの時代です。

    >推力排気管のデータを参考に計算

    排気管は、圧力損失がなるべく小さくなるようにしています。

    一方、ラジエターは、熱交換をする以上、圧力損失は大きくなります。
    熱交換は、空気と伝熱面のカラミで行われるからです。

    圧力損失が排気管のように小さければ、熱交換ができず、ラジエターにできませ
    ん。
    排気管のデータは、参考にならないと思います。

    >ラジエターからの熱流束は小さいですから、流路抵抗も変らず、静圧分布も変化無い

    熱流束が小さいなら、ラジエターにならないと思います。

    空気が熱膨張するから、体積は大きくなり、流速が増して、流速の2乗で流路抵抗が大きくなるはずです。

    また、ラジエター内部では、入り口の動圧が静圧に変わっていくので、分布は変わると思います。

    >熱膨張速度は十分に小さい

    熱膨張速度が小さければ、熱交換ができないと思います。
    とても長いラジエターになってしまう。

    >ラジエターで発生する熱量が大きい
     前述の
     >「ラジエターからの熱流束は小さい」
     とは矛盾するのではないでしょうか。

    >原付バイクなら大きな値

    今の原付バイクなら、昔の航空エンジンより熱効率が良いから、ラジエターで捨てるエネルギーは、むしろ小さいはずです。

    じゃま

  11. すみません、二重投稿してしまいました。
    すみません。
    じゃま

  12. 9.はちょん太さんに突っかかる書き方になってしまいました。失礼しました。

    過去ログその他で「ほとんど無い」という結論は成立していて、それを「わずかだが有る」言い換えていいのか、
    それを推力と呼んでいいのかどうか、という議論に移っているということでしょうか?
    超音速

  13. >8
    >10
    「2」での最終計算で16.5%を使っていますか?

    私の書き込みで、静圧が入り口から出口まで大気圧で一定と書いていますか?流露断面形状が変れれば静圧が変るのはあたりまえじゃないですか。その「静圧分布」が小さな熱流束に対して(熱の有無に対して)一定とみなしえるんじゃないですか、と書いているのです。
    他も同様です。

    「2」も私のコメントも、丁寧に読んでください。
    「2」を丁寧にお読みになっていないから、「4」のような間違いをもっともらしくお書きになってしまうのですよ。

    >12
    別に「つっかかる表現」とは感じておりませんので、気にしないでください。
    引用は、読ませていただきました。(冷却器に関して私に未知の情報はございませんでしたが。)引用、ありがとうございました。

    ご推察のとおりです。これは、「2」で引用された議論においても、そうなっていると私は理解していました。

    しょうもない例えですが、お暇なら、以下もお読みください。

    年収1000万円の家庭で、奥さんが定価100万円の宝石(ダイヤのネックレス?)がどうしても必要だと言った。奥さんは定価100万円の宝石を値切って95万円で買った。

    奥さんは、近所の人に、「宝石店で5万円もうけた。」と言った。口から口へとその話は伝わり、宝石の話は出ずに、「あそこの奥さんは、その年、5万円かせいだ。」となった。

    その年のその家計をどう評価するかですよ。
    奥さんは5万円もうけたとみる。
    だんなは100万円の損が95万円になっただけのことだとみる。(口には出せないが。。。)
    なにも知らない人は、誤解して、その家庭の年収は1000+5=1005万円になったとみる。

    5万円の金額は事実として否定されません。
    なにも知らない人になってはいけません。状況をみ誤ります。

    上の話で1000をプロペラ推力、100を冷却器の空気抵抗、5をラジエターの(廃)熱利用の推力におきかえてみてください。(数字は、おおざっぱな例えです。)

    ラジエターの(廃)熱を利用した数馬力の推力は事実として存在するんですよ。それをどうみるかということですよ。

    引用された「2」以上の議論になっていないのですよ。かなしいかな。


    ちょん太

  14. ちょん太さん

    >指摘通り温度効率が高すぎますので…カルノーサイクルで16.5%…これを元に,推力排気管のデータを参考に計算し直すと…

    とあります。

    ところで、この過去ログの「温度効率」とはなんでしょうか。
    分子と分母はなんでしょうか。

    >私の書き込みで、静圧が入り口から出口まで大気圧で一定と書いていますか?

    確かに書いていませんね。でも、こちらも書いていませんよ。

    >「静圧分布」が小さな熱流束に対して(熱の有無に対して)一定とみなしえる

    ・「小さな熱流束」とは何に対して小さいのですか。
    熱流束が小さければ、とても大きな熱交換器になって重く大きくなり、飛行機の熱交換器には不向きです。

    ・熱の有無に対し静圧分布が変わらないなら、熱交換器は空気に動圧を与えるだけ、というありえない事態になります。

    実際には熱交換器の入り口全圧が熱交換器内部の圧力損失より大きいから、熱交換器に空気が入る。

    空気が熱交換器内部で加熱されれば、そのぶん熱交換器内部の全圧がより高くなって、空気が入りにくくなる。

    熱交換器は、推力を発生することはなく、損失を大きくするだけです。


    じゃま

  15. 圧力損失の計算とか難しいことは判らないのですけど、ラジエーターで推力が発生するのなら今の時代、自動車会社が真っ先に高速時の燃費改善に利用しそうなものですが・・・
    くら

  16. http://ansqn.warbirds.jp/logs/A003/A0000097.html
    この過去ログでは推力と考えるべきでないと書かれていますね。
    超音速

  17. >>15
    Meredith Effectといって速度が遅いものでは(例え航空機でも)効果がうすいそうですよ。
    ノース・アメリカン航空機の副社長だった、リー・アトウッド氏の話だそうです。
    http://bf109.exblog.jp/1572794/

    ↓はまた別のサイトですが、
    Meredith Effect: Fact or Fantasy
    http://www.supercoolprops.com/articles/meredith_effect.php

    あまりここの掲示板のだした結論だけにこだわる必要は感じませんね。

    太助

  18. 超音速さんが貼っていますが、メレディス効果は以前にも何回かこのサイトで議論されています。

    そのとき、「い」さんという方からメレディスの原論文を紹介されて読んでみました。
    アナロジーだけでやっているから間違いが起きる。
    計算してみたら、やはりだめでした。

    物理は、物性値を入れて考えないとだめなんですよ。

    じゃま

  19. >14
    あなたの理解が間違っていると私は思います。酸素不足で燃焼しなかった燃料が排気管から出ているのに、「気化しなかった燃料が排気管から出ている」と理解されていたように。
    (私も偉そうなことは言えませんが。)流体力学や熱力学をしっかり学んでください。現状、議論にならないですよ。

    >15
    整流して排出すれば、ささやかな足しになるでしょうが。コスト的にペイしませんよ。道に落ちてる一円玉を拾うと1円以上のカロリーを使うから拾わないという人もいます。1円玉自体の額面価値は否定されませんが。

    >16
    私のたとえ話も読んでくださいよ。「5万円」を「もうけ」とか「稼ぎ」とかどのように表現するかより、「5万円」の本質が大事だと思いませんか。

    私は「廃熱に伴う推力」とみています。冷却器からの「推力」という表現で、私は現象を理解できますし、私には違和感はありません。「2」の「isi」さんも、そのようなとらえ方で「推力」という言葉を使っているのだと思います。

    こまかな数字は別として、「2」の「isi」さんの論理展開は正しいと私は思っています。レベルの高い人だなと感じています。ただそれだけの話ですよ。


    私自身への言葉でもありますが、教科書や学術書でちゃんと勉強することですよ。「玉」と「石」を見分ける力を養うことですよ。ネット社会は手軽に多くの情報を得ることができて便利です。見分ける力がないと、玉石混こうの情報の海に、しょうもない「石」を握らされて溺れてしまいますよ。

    このトピへの私の書き込みはこれを最後にいたします。

    ちょん太

  20. ちょん太さん
    賛成ですね。
    おおいにやって批評しましょう。

    この問題は、熱交換器の問題なのですが、熱交換器の設計を実際に経験された方は、どうもいないようです。
    14.で「温度効率」について聞いてみたのですが、反応はありませんでした。

    流体工学と伝熱工学と、それから熱交換器自体の知識が必要ですね。

    そして熱力学のブレイトンサイクルのp-v線図を書けるようになってから「推力」について議論しましょう。


    じゃま

  21. 空冷星型エンジンのカウリング内のラム圧効果が推力を発生させるか否かについての過去ログが何処か判りますか?
    にも。

  22. >21.
    http://www.warbirds.jp/BBS/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=3550;id=
    超音速

  23. 後から後からで申し訳無いのですが
    BMW801の環状滑油冷却器はエンジンカウリング前縁の構造内に埋め込まれ、
    吸気はカウリング内側のラム圧から取って、排気はカウリング外側の気流が高速で流れて発生する負圧に流す、
    其についての過去ログが何処か判りますか?

    にも。


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