1182 気温変化について質問させていただきます。
旅客機で気温30℃以上の場合離陸が危険という記事を
読んだおぼえがあるのですが、零戦や一式陸攻など
第二次大戦の頃の飛行機にそういった気温変化による
揚力変化に対する注意事項はあったのでしょうか。
よろしくお願いします。
tototo

  1. 揚力に影響するのは空気密度ですが、基準気温を20℃とした場合30℃での密度低下は約3%で殆ど影響ありません。むしろ高度の方が影響が大きく、高度500Mに対し2000Mでは空気密度は約16%減少します。
    日本機の事は知りませんが、大戦中の米軍機のフライトマニュアルを見てもそのような注意事項はありません。

    旅客機について言えば、アフリカや南米の高地にある空港を使用する機体には熱帯高地仕様としてエンジンのパワアップや高揚力装置を追加したものがあります。
    三角野郎

  2. 三角野郎様、ありがとうございました。
    tototo

  3. 世傑B-17によりますと、B-17Fから熱帯地での推力を増すため付け根から幅の広い櫂型プロペラを採用したそうです。
    気温が高く空気密度が低いと、ジェット・レシプロともに出力が低下します。
    「離陸が危険」というのは揚力よりも推力低下の影響によるものです。
    大戦中の軍用機でも気温上昇による離陸性能への影響はあると思いますよ。
    超音速

  4. B−17Fがプロペラを11フィート7インチのWEE50-473に変えたのはR-1820-97のパワーを有効に利用するためです。
    B−17のフライトマニュアルでも、離陸性能に影響する要因として気温は載っていません。
    三角野郎

  5. 旅客機の気温の話は多分ジェット・エンジンの排気温度限界のせいで外気温が高い時は最大離陸推力を制限して運用する
    という話が誤解されているのではと思う。
    推力が制限されているので当然貨物等を減らして離陸重量を少なくして飛ばしているので危険な事は全くないです。

    推力が制限されているのに間違えて多く貨物を搭載してしまったという話は有り得るので
    そういった意味では危険かもしれないが。
    jas1

  6. >零戦や一式陸攻など第二次大戦の頃の飛行機にそういった気温変化による揚力変化に対する注意事項
    に関する資料を、私は、(たぶん有るのではないかと思いますが)存じませんので参考までに述べさせて頂きます。

    空気密度が下がりますと必要な揚力を得るには滑走速度を大きくしなければなりません。滑走速度を大きくするには、時間がかかり距離が要ります。(空気密度の低下で馬力も低下するでしょうし。)
    機体重量と標高と地上気温の条件に対する必要離陸滑走距離がマニュアルに載っていると思います。たぶんWW2の頃にも有ったと思います。

    問題となるのは離陸滑走距離です。これが即ち離陸性能です。
    零戦の場合は、陸上基地では問題になることはないでしょうから、母艦発艦に関してです。一式陸攻の場合は外地で設営した滑走路の場合です。
    離昇馬力は巡航馬力より大きいですし、離陸速度は巡航速度より小さいです。つまり、滑走路さえ10kmとか20kmとかバカほど長ければ、フルスロットルにしなくても、そのうち、重量にまさる揚力を得る速度に達するということです。

    小型空母の場合では彗星艦爆は、海上無風状態では速度が足りず発艦距離が得られず、発艦できないことがあったようです。また、陸攻では、角田和男元中尉がダバオから引き上げる時、陸攻の二番機は(重量オーバーですが)滑走路が足りずに椰子林に激突して炎上したそうです。(全くバカな話です。)
    滑走路さえ十分長ければ、なんの問題もありません。

    気温などの諸条件に対する必要な離陸滑走距離は重要な値ですので、「零戦や一式陸攻など第二次大戦の頃の飛行機」に対しても「注意事項」として存在していたと私は思います。

    ちょん太

  7. 失礼しました、米軍機のフライトマニュアルでは離陸滑走距離のデータ表に載っているのは「風速」、「滑走路面の種類」、「標高」、「離陸重量」の4項目で「気温」は項目として載っていませんが、表の下に小さく気温の注意書きがあるのを見落としていました。
    それによると、華氏75°を基準に離陸滑走距離は100°では10%、125°で20%、150°で40%増加すると書いてありました。

    また、昭和13年2月の陸軍航空本部の「飛行機操縦教育規定」第8章第42条に「離陸及着陸における滑走距離は空気の重量に反比例して増減するを以て標高高木場所又は酷暑の地方に於ける離陸着陸に方ては滑走距離の増大することを顧慮するを要す」
    三角野郎

  8. 皆様、ありがとうございました。
    tototo


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