1265 WW2の南方戦線において、連合軍内で多数の目撃情報があった「ブラックドラゴン飛行隊」についての質問です。

連合軍内で日本の精鋭戦闘機隊として噂になったブラックドラゴン飛行隊ですが、
「零戦6機で隊長機は黒塗りのBf109」
「ガダルカナルから来た精鋭」
「実態は一式戦闘機ではないか」
という3点しか情報を得られませんでした。

私はこのブラックドラゴン伝説の正体は黒江少佐率いる独立飛行第47中隊の鍾馗か、64戦隊に少数配備された鍾馗と隼の混成部隊ではないかという仮説に至りました。
Bf109に誤認されそうな日本機といえば主翼が小さい鍾馗か液冷の飛燕しか思い浮かばず、隼と零戦の誤認はよく起きていて、当時ビルマ方面に展開していたのは陸軍であった事が論拠です。

現在よく目にする「ブラックドラゴン飛行隊は隼だった」と言う説は、「隊長機は黒塗りのメッサー」という証言に対していささか弱い気がするのです。
小柄な鍾馗や液冷の飛燕を英空軍パイロットがメッサーと誤認したと考えた方が自然な気がします。

しかし、下記3項目についての情報が探し出せなかった為あくまでまだ妄想としか言えませんので、何かしらのご意見を得られれば、と思った次第です。

1.ブラックドラゴン飛行隊の目撃情報があった時期はいつ頃なのか。
2.当時展開していた日本の航空部隊はどの様な編成だったのか。
3.鍾馗と隼は機体性能が噛み合わない為、(迎撃を除いて)恒常的に編隊を組んで作戦に当たるのは余り意味がないように思えるが、その様な編成はあったのか。

以上の3点について、またはブラックドラゴン飛行隊伝説について何かしらの所見がある方のご回答をお待ちしております。
Shusui

  1. 機首の形状で間違える事は無いように思いますが・・・。

    3に付いてはビルマ方面の戦記(黒江氏のだったかな?)に一緒に出撃して落とされた描写が有りました。飛行特性の違う二式戦が一式戦に混じって闘ったのがいけなかったのかな?と思いました。
    暇人

  2. 独立飛行第47中隊にはキ60の2機が一時配備されていたようなので、これをBf109と見間違えた可能性はあるかと思います。ただし、キ60は実戦に参加せずに事故で失われたという記述もあるので、真偽は定かではありませんが。

    ハ140

  3. 過去ログに進出前に壊れて、その後不明と有りますね。
    暇人

  4. ≫暇人さん
    ご回答ありがとうございます。
    確かに機種形状とキャノピー形状など間違えそうもないのですが、隊長機は別機種というのが本当なら主翼のスパンが短い鍾馗位しか思い当たらず...。
    ハ140さんの仰るキ60なら誤認も納得なのですが、こちらも進出前に事故で喪失とのことですので多分違うようですね。

    確か南方では64戦隊の隼と鍾馗、屠龍の混成部隊が敵爆撃隊迎撃をした事があるはずですが、これはあくまで飛ばせるものを飛ばした結果と思われます。
    平時の編成として隼と鍾馗を組ませる事は巡航速度や航続距離をお互いに潰し合って良いことがないように思いますが、ソースがある訳でもなく私は何とも...


    ≫ハ140さん
    ご回答ありがとうございます。
    独飛47中隊はキ60を保有していた時期があったのですね。キ61の系譜も好きなのでこちらはこちらで調べてみようと思います。

    また、南方にいた液冷の戦闘機と言う括りで見ると64戦隊の鹵獲ハリケーンも該当しますね。
    ただしこちらは英軍の機体なので見慣れた連合軍が見間違う事はほとんど無いとは思いますが...
    Shusui

  5. 戦記に出ていたのは、侵攻戦だったと思います。読直せば良いのでしょうが。
    ネットでも色々出てくるかと思います。

    鹵獲機にはP40も有りますよね。自分達の機材を敵機と見間違える事ないとは思いますが。可能性の一つでは無いでしょうか。

    ただ、ブラックドラゴン伝説は無茶苦茶ですよね。突っ込み所が沢山有りそうです。Bf109は何かの見間違えとしても、零戦は有りませんし、何故にガダルカナルなんでしょうかね?50戦隊や64戦隊と闘う内に、話に色々と尾ひれが付いていったのではなかろうかと想像します。
    暇人

  6. 欧米での言説なのですから、"Black Dragon" Squadron でネット検索してみられれば良いのではないかと思います。
    ひとつくらいは具体的な日付が拾えるはずです。
    キ60もキ61も独飛47中隊も関係ないことはすぐにわかるかと思います。

    戦前戦中のアメリカの通俗文化の中の黒龍会は「悪の手練集団」みたいな感じですから、最近のものに例えたら「出撃したら、シスの暗黒卿たちが操縦するタイファイターの中隊に出会っちまったぜ。隊長機はありゃダースベイダー仕様だったぜ。ほんとにヤバかった」みたいな話だったのだろうと思います。
    僕がダースベイダーたちの乗り物をタイファイターくらいしか思い浮かべられないのと同じように、強そうなのは「ガダルカナルでふんだんに実戦を積んできた零戦」なのでしょうし、高級そうなのは「ドイツから来たメッサーシュミット」くらいしか思い浮かばない、むしろそうした通俗的な想像力の限界についてのお話だと思った方がよいのではないかと。


  7. 簡単にいうならば、「多数の目撃情報があった」としても、それが「同じ敵機だった」という保証はひとつもない、ということであるわけです。
    「今日、オレは敵に出会ってヤバかった」という心理があるだけなのです。


  8. >>暇人さん
    確かにP40も鹵獲していましたね。
    侵攻戦で異機種編成をしていたというのは大変興味深いので、蔵書を読み返してみようかと思います。

    ブラックドラゴン伝説は確かに無茶苦茶ですよね。
    私もBf109を隊長とした零戦部隊なんて実在したとは微塵も思っていないのですが、なぜそのような噂が生まれたのか、そのような噂を作り出した精強な部隊とは何だったのかという部分で非常に興味をそそられているのです。
    突っ込みどころを全部突っ込んでみて、最後にどこまで嘘と言い切れない部分が残るのだろうかと楽しみにしながら質問を投稿しました。
    私の考えが及ばなかった機種や説をいろいろ教えていただき、大変ありがとうございます。


    >>片さん
    ご回答ありがとうございます。
    おっしゃる通りBlack Dragon Squadronで検索はしたのですが、アメコミのBlack Dragon Society(黒竜会?)ばかり引っかかってしまって埒が明かなかったので、どなたか書籍や資料の情報をお持ちの方がいたら教えていただくことが出来ないだろうかと怠惰に質問をしてしまった次第です。
    質問を投稿してからも細々と検索をしていたのですが、未だ”7th Bombardment Group/Wing, 1918-1995”という本から「31 March」という日付しか拾うことが出来ていません。お恥ずかしいことながら、英語があまり得意ではなくこの本がすべて実話に基づいたものかもまだ判断に困っている状況です。

    私もゼロ戦やBf109がビルマにいたわけではないし、伝説そのものは噂や与太話ではあると考えているのですが、そのような噂になる精強部隊は一体何だったのだろう?と思っています。
    似た例として欧州におけるHe100D部隊の伝説のように勝手に尾ひれがついた半ば架空の精強部隊という例はあるわけですが、そちらはある程度明らかになっていますし、ビルマ戦線で起こったブラックドラゴン伝説はどんな噂の火種が考えられるのかと興味を惹かれています。

    ようやっと本題ですが、ご回答いただいた件に関しては全くその通りであると思います。
    「ヤバい部隊、ヤバい飛行機」の代名詞が歴戦のゼロ戦やBf109という形になって表れたのでしょう。噂の本体はひとまず置いておくとして、この解釈だけでも当時の連合軍パイロットの意識や風潮を伺うことが出来て大変興味深いものであると思います。
    多数の目撃情報も同一の敵機・部隊に関してのものとは限らない、という基本に立ち返らせていただいてありがとうございます。
    Shusui

  9. 日本本土空襲のB-29搭乗員の報告(任務後の正式な報告書の中でです)の中には、
    「日本側はBAKAをこちらに向けて放ってきた」
    というものが見られます。
    BAKAとは桜花のことであり、彼らが聴かされていた日本側が持つ最も理解しがたい、心理的に得体の知れない兵器の代表格であるわけです。
    しかも、何かを誤認しようにもかけらなりともそれに近い兵器を実際の日本側は持ち合わせていません。
    火種などなくとも、こうした話は簡単に発生するのです。



  10. 空戦している時に敵機をずっと見ていられる訳も無いですから誤認とかも多いと思います。日本側も F6FとP51 がごっちゃになっていたり、スピットや P51 が判別付かなかったり。
    暇人

  11. 強敵だったから、あれが噂に聞くベイダー機・・じゃなくて F6FやP51 に違いない、だったのでしょう。
    暇人

  12. Shusui さん

    11th Bomb Group (H): The Grey Geese を見られると面白いですよ。
    暇人

  13. 私は竜ケ崎飛行場で零戦の里帰り飛行・例のP51と編隊飛行した時の・をビデオカメラのモノクロビューファインターで見ていて、真正面から2機が突っ込んでくるのを見て、零戦とP51を見間違えましたよ。

    0.5秒間位見続けても見間違えます、色の情報が無いと。
    早房一平

  14. >>暇人さん
    ありがとうございます。電子書籍で見つけられたので読んでみようかと思います。



    >>早房一平さん
    真正面や機体形状の特徴を見難いアングルだとわかりにくいですよね。
    逆光や日差しが強すぎる場合にも色情報はわかりにくくなりますし、誤認しないで機種判定できるほうが少ないのかもしれません。
    Shusui

  15. 源田の剣とかビルマ航空戦読んでみればわかるけど機種の見間違いなんて頻繁に起きてるよ。紫電改が雷電、疾風どころか機首尖った3式戦に間違えられたり偵察に来てたB-29が撃墜されて雷電に撃墜されたって米軍兵士は言ってるけど隼だったり。ユーチューブにあがってるボーデンプラッテ航空戦では地上からわずか60m上空飛んでるP-47が味方の対空砲に攻撃されまくって元パイロットが怒ってました。
    緊急出力


Back