1281 P-39イギリス仕様(カリブー)は王立航空機関で審査を受けた際
「高高度に上がる迎撃機としてはハリケーン以下だが低空戦闘機や地上攻撃機としては使える(大意)」
との評価を下されRAFに少数が実際に配備され、海峡越しのダンケルク地上攻撃任務に試験投入されたもの一度きりで終わり
その後は一回も戦わずソ連に送られた……との事ですが、他機種での海峡越しの地上攻撃は断続的に行っており
その護衛に就く低空戦闘機(ともすればヤーボにも)のニーズがRAFには無かった、とは思えません
一度きりの実戦投入で引っ込められてしまったのは、低空戦闘機や地上攻撃機としてもRAFから見て何か欠陥があったからなのでしょうか?
タイフーンと比べると下位互換に見えるかもしれませんが、つなぎとしてなら二ッチはあったのでは、と思いまして
カタカナ提督

  1. 世傑P-39から引用します
    「離陸滑走距離686mは、英空軍のすべての基地で使用できないことを証明していた」
    これでは作戦に支障がありますね。
    「さらに致命的な欠陥として、射撃の際、操縦席内に一酸化炭素が滞留する現象が発見された」
    応急的な改修をした機体を実戦投入しましたが、全機を根本的に改修するには部品不足だったそうです。
    また、内蔵燃料タンク容量343.5Lに対し、スピットファイアMkIは387Lなので、航続距離もかなり見劣りしたのだと思います。
    超音速

  2. 遅くなりましたがありがとうございました
    難点と言えば航続距離だけかな?と思っていましたが
    英国本土の滑走路が(アメリカ陸軍の標準より?)短いせいで離陸出来ないんですか
    RAFの重爆への離着陸距離要求の厳しさは以前読みましたが
    アメリカ基準の仕様では単発戦闘機すら飛び上がれないとは、また短いですね
    そして航続距離に加えて、トドメに一酸化炭素漏れの欠陥とは……
    それなら一回だけの実戦で引っ込められたのも納得です
    カタカナ提督

  3. ソ連では一酸化炭素漏れは欠陥とされなかったのですかねえ?
    ぼら

  4. 何日か考えていたのですがやはり書き込みます。
    戦前からの飛行場は狭くて普通で、大拡張期の急造飛行場は粗末で当たり前だったのではないでしょうか。ブルドッグ、フューリー、ハート一族ぐらい向けに取り急ぎ作った飛行場は後世代のどの高性能機にたいしても不足していて当然な気がします。
    スピット、ハリケーン世代で1000m級の離陸距離が想定されている以上、700mは許容範囲にも思えます。タイフーンの離陸距離はそんなに短かったでしょうか?

    タイフーンは射撃時どころかエンジンからの一酸化炭素で暖機中から酸素マスク必須で、パイロットが潰されるから胴着不可、なにかってえと尾部がちぎれ、脱出困難な状況で落ちます。スピットからの転換希望者確保に苦労した挿話もあります。

    戦前には、RAFは、P−39に大いに期待しています。非国産機なのにイラストで紹介したりしています。37mm砲で敵爆撃機の防御機銃をアウトレンジする気だったのです。たった15発でも大口径砲の射程が頼もしかったのでしょう、その図にはヒスパノへの置換は出てきません。

    合理的な理由の他に、「(迎撃機として)ケチがついたから(ヤーボとしても)もういいや」みたいな関係者の気分を探るべきなのかもしれません。


  5. スピットファイアMkIIは離陸距離(take-off distance・50ft越え)400ヤード(366m)だそうです。離陸滑走距離(take-off run)は230ヤード(210m)。
    エアラコブラの686mはかなり長いように思いますけど、重量が相当重かったのでしょうね。
    必要滑走路長は離陸距離と同じだけあればいいわけではなく、かなりの余裕が必要です。
    http://www.jal.com/ja/jiten/dict/p277.html#03
    エアラコブラは余裕が無い状態で離陸していったと考えられます。

    関係者の気分という点では、メーカー計測のインチキスペックにだまされたーーーという失望以外に、エアラコブラ到着時点ではバトルオブブリテンはすでに一段落していたことが関係するかと思います。
    超音速

  6. 固定ピッチ最終世代はどうだったでしょうか。フラップの戦闘機への採用はいつ頃だったでしょうか。
    大拡張期の空港計画とどういう前後だったのでしょうか。
    可変ピッチ・フラップが当然となった後でも、爆装した”ボムフーン”の離陸距離はどうだったのでしょうか。686mはどんな状態で、なのでしょうか。

    試作機や初期型がコンセプト的にダメだった場合はともかく、機能的にダメな場合、頑張ってムキになって実用化される例と、割とアッサリ見捨てられる例があるように思います。その原因は「モノとしての不出来具合」に必ずしも合致せず、自国メーカーに仕事をやれるかとか、メーカーと軍の仲の良し悪しとか、いろんな事情が関与しているものではないでしょうか。




  7. 馬力の上がったP-39Nは、離陸重量7,301ポンドで50ft越え離陸距離1060ft(323m)・離陸滑走距離660ft(201m)というデータがあります。
    なので、世傑の686mという記述は離陸距離と離陸滑走距離、あるいはヤード・フィートとメートルの混同ではないかという疑問を持って別の資料を探しました。
    とある洋書によりますと、take-off run・750yards の記述に出会いましたのでやはり離陸滑走距離686mで間違いないようです。重量は7,845ポンドだそうでやはり相当重いみたいです。
    5.で書いたスピットの離陸距離は重量6,172ポンドです。

    超音速

  8. タイフーンIBの50ft越え離陸距離は740ヤード(677m)でした。重量は11,400ポンド。
    超音速

  9. 興味深い数値をありがとうございます。

    機体側の事情では、武装の弱さが後から気になったのかもしれない、と思い出しました。スピットもハリケーンも装備するようになって概念が強調されなくなっていきますが、イスパノ4門を求めるキャノンファイター同等の要求が消えたわけではありません。



Back