1314 もう一点、DH.98について質問いたします。
コンセプトとマーリンの優秀さを差し引いて、機体と主翼だけを見た場合、どこがどのように、どのぐらい、優秀と言えるのでしょうか。
5年先輩のブレニムの無武装偵察型試作機L1348は1940年に470km/hで、原型のタイプ142が4年前に記録した速度にも及びませんし、ましてやモスキートができつつある頃ですから、試作止まりは納得がいきます。
しかしL1348が840馬力双発、DH.98は1390馬力双発ですから、速度に差があるのも当然かと思われます。
また多くの戦闘機が速度のためにファストバック形状をとる中で、並列複座の涙滴形風防を大胆に突出させています(主翼桁と座席との取り合いもあるでしょうが)。水平尾翼は大きく、モーメント長も長めです。表面仕上げはともかく、形状からは、必ずしも有害抵抗が特に小さいようにも思われません。

もし仮に、L1348にマーリンを搭載していたら、DH.98より設計年次5年分遅いぐらいになったものでしょうか。
そうではなく、DH.98だからこその速度性能だったのでしょうか。

  1. これは、翼型RAF-28とRAF-34のどちらが高速向きなんだろうか、という問題なんでしょうか。


  2. モスキートとは性能の似通った双発機としてP-38が比較対象になると思います。
    両機とも最大速度と発生高度、エンジン出力、重量などが近い数値ですね。
    寸法はモスキートのほうがひとまわり大きいのですが、P-38のような双胴形式は実は表面積を増加させ摩擦抵抗を大きくしているのだそうです。
    P-38の主翼は大きなアスペクト比ですが、翼厚比は厚めになっています。
    そしてプロペラ直径はモスキートのほうが一回り大きく、3.8mもあります。
    総合的に比較すると両機がほぼ同じ性能なのは納得かなと思います。
    超音速

  3. >1.Airfoilチャートを見ても、RAF34が低レイノルズ数で不安定そうだな、ぐらいは判るのですが、実機には関係ないような領域ですし、定量的な比較をするだけの知識はありません。
    翼型を軽視するつもりもありませんが、主たる関心は、モスキートの成功における「翼・胴体を含めた設計全体の巧拙」と「コンセプト」の重要度の比較や、とらえ方の整理にあります。
    「戦闘機より速い双発軽爆撃機」が成立したのはモスキートならではだったのか、ブレニムやDo17のような前世代でも割り切って防御武装をナシすれば、単座複葉機に対する復座単葉機の優位性ではなく、単葉機同士で同世代のエンジンを使っていても、成立する余地があったのだろうか? というあたりです。

    >2.最初の書き方が不十分で申し訳ありませんでしたが、こういう興味なので、最終的に到達した性能が似ているかはあまり気にしていないのです。大きさだけ(重さは発動機で大きく変わりますから)ざっと比べると、ブレニムとモスキートもよく似ているのでして。
    P-38を復座化・尾輪化してみたら、57mm砲積めるか、4000ポンド爆弾を積めるか、というのも興味深い話柄ではありますが、別件かと思います。


  4. ざっと見ても、機首から操縦席風防にかけてと、エンジンナセルの設計ではモスキートにかなり分があるように思いますし、さらに銃塔の突出の有無があります。

    モスキートの形状は「有害抵抗が特に小さい」と見てよい部類だと思います。


  5. ブレニムの胴体をモスキート並みにリファインしたら戦闘機より速い爆撃機になったか、というお題でよろしいのでしょうか?
    そういうことでしたら多分難しいと思います。
    ブレニムの主翼は平均翼厚比16%ぐらいで、モスキートのそれは12.5%ぐらい(三面図からの採寸であまり正確ではありません)で、かなり違いがあります。
    仮にマーリンを装備したとしても、同じく厚翼のハリケーンといい勝負という所でしょうか。
    ちなみに、Do17も同じぐらいの厚翼です。
    超音速

  6. >4.
    ナセルは納得しました。ブリストルが気づくのはtype162、163。DHはDH.88時点で。
    ただ、L1348は銃塔はありません。
    機首ですが、多少整形したとはいえL1348も抵抗が少なくは見えませんが、DH.98も、他の双発爆撃機に多いファストバック式より風防の突出分、損な気がするのですが、どこが上手い点でしょうか?


    >5.
    Airfoil Tools によれば、ブレニム(後継機もずっと同じ)RAF28は9.8%、DH.98のRAF34は12.6%となっています。どちらも翼弦30%において、です。DH.98はRAF34Modなので多少は違うのかもしれませんが・・・

    でもブレストルの飛行機は元ネタのType142を例外として、みんな速くはないですよね・・・

    考えとしては、プレニムやDo17をモスキートのコンセプトで改良したら(モスキートのようにリファインするのではなく)、何年か早くモスキートのような存在(同世代、同級発動機搭載の単座戦闘機に追いつかれない)になり得たのだろうかとお考えください。



  7. ttp://m-selig.ae.illinois.edu/ads/aircraft.html

    こちらのサイトによりますとブレニムは翼根18%翼端10%でした。
    超音速

  8. 「翼根18%翼端10%」は単純平均すべきではないでしょうし、RF34に対してどのぐらいと考えればよいのでしょうか?

    DHでなくブリストルに着目すると、142で500km/h、142Mだとだいぶ遅くなりますがL1348で473km/h、また、夜間着陸時の乱反射が不評で生産型形状になりますが、He111やキ46−3のような段なし風防も試みられ、指定された空冷エンジンの限られた馬力の中で高速を目指す試みが見られます。
    が、大戦後半でも(主翼流用で手早く作れるのが要点ではありますが)「翼根18%翼端10%」を使い続けます。
    156はモスキートより1年早いので無理もありませんが、163、164になっても同様で、142に比べて馬力は3.5倍にもなるのに速度は530km/hとなっています。
    これはモスキートの出現により高速化をキッパリ諦めて別の道を選んだ、ということなのでしょうか。


  9. >RAF34が低レイノルズ数で不安定そうだな、ぐらいは判る

    どうして、判るのですか?


    大津


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