1408 ターボプロップ軽攻撃機が高度5000メートルからマーヴェリック・ミサイルを発射して、移動中の装甲車や高速艇を撃破することはできるでしょうか?
PIAT

  1. 素人質問ですが、よろしくお願いします。

     最近、清谷信一氏や兵頭二十八氏が離島防衛部隊の航空支援用にターボプロップ軽攻撃機がふさわしいと書いている記事を読みました。
    確かに滞空時間やコストは優れていますが、携帯型地対空ミサイルで撃墜できる軽攻撃機が離島防衛に役立つとは、私には思えませんでした。
     ところが、軍事ブロガーのJSF氏がジェット軽攻撃機スコーピオンについて書いた記事で、「携帯型地対空ミサイルが届かない高度から空対地ミサイルで攻撃するという用兵を想定している」旨の記載があるのを読みました。

     私は「地上部隊の航空支援は低空で行う」ものだと思っていたので、新鮮な考え方でしたが、誤爆が心配です。
     軽攻撃機による航空支援として、質問のような用兵は可能でしょうか?

     清谷氏や兵頭氏の名前を出すと炎上しがちになりますが、なにとぞ冷静なご意見をお願いします。

    PIAT

  2. 目標たる「移動中の装甲車や高速艇」を見つけ狙える手段が確立していれば全く問題ないと思います。
    寧ろマーベリックミサイルの重さが「ターボプロップ軽攻撃機」にはやや荷重で、
    低威力でもより軽量小型なスタンドオフ兵器を選考すべきと考えます。
    にも。

  3. MQ-9リーパーのようなアタックドローンのことではないでしょうか?
    超音速

  4. ご質問のミッションに想定されているのは、最近では
    マーベリック(もう製造終了のはずです)ではなく、
    レーザーJDAMやSDBですね。
    あと開発中だったと記憶してますが、JCMあたりではないでしょうか。
    この辺はリーパーにもつめるはずです。

    で最近は、携帯SAMなどが危険なので、CASも精密誘導兵器を主とし
    低空に降りずに済むようにしようとしてます。
    (A-10などは除きますが・・・)
    taka

  5.  にも様 超音速様 taka様  早速回答をいただき、ありがとうございます。

     私は航空関係には無知ですが、アフガン等への空爆で民間人への誤爆が相次いでいるので、高空からの爆撃は心配です。
     精密な誘導方法はないのでしょうか?

     映画『プライベート・ライアン』や『ティアーズ・オブ・ザ・サン』のラストでは、低空飛行する飛行機が絶対絶命の主人公を助けるシーンがカッコよかったのですが、近接航空支援を高空から行なうとは意外でした。
    PIAT

  6. 第2次大戦中のように航空機が高高度から直接目標を照準するのではなく、
    現代の近接航空支援では、まず地上部隊がレーザーレンジファインダーやGPSロケーターで目標のGPS位置を特定し、軍用パソコンと無線機・衛星通信機で指揮所または戦域管制センターにEメールで目標データを送信します。できればデジカメ等で撮影した画像や動画を添付します。
    航空機が上空に来たら、あらためて航空機と直接交信で最新の目標データを確認し、JDAMなどGPS誘導兵器を投下してもらいます。
    地上部隊から直接視認できない場合は、小型の偵察ドローンを目標に近づけて、同じように目標データを得ます。
    車両などの移動目標の場合は、レーザーディジグネーターで目標を照射し、ヘルファイアやペイブウェイなどのレーザー誘導兵器で攻撃します。
    超音速

  7. 当然のことですが軍服を着ていないテロリストの場合、民間人と区別がつかないので、どこまでも誤爆のおそれはつきまといます。
    イラク・アフガン戦争中、地上部隊は(ジャーナリストの取材がないとき)常にAK47やスコップを携行したそうです。
    もし民間人を誤射・誤爆してしまった場合、死体にそれらを持たせ、テロリスト殺害と報告するのだそうです。
    超音速

  8. >5
    >6、7も仰られていますが誤爆の理由としては
    @目標の指定の間違い(イラク戦争では、そもそも地図情報が古くて誤爆もあったとか。>7もこれですね)
    A照準ミス、目標座標の入力間違い(目標のGPS座標の入力間違いはよくあったそうです)
    B誘導兵器の故障(一般に稼働率は80%程度です)

    があります。技術的にはいくらでも精密に誘導可能ですが、信頼性や
    ヒューマンファクターがあるので、100%は難しそうですね。

    taka

  9. 話を戻しますが、
    ターボプロップ攻撃機といえば有名なAC-130がありますね。
    ほかに、米海兵隊では自前のKC-130Jを改造して、各種空対地兵器を搭載するハーベストホークという簡易攻撃機に仕立てあげました。
    AC-130やリーパー等は空軍機なので、海兵隊地上部隊が支援要請してもすぐに来てくれるとは限らないからです。

    なお、>4.で言及されたJCMですが、現在はJAGM(AGM-179)という計画になっています。
    ヘルファイアとマーベリックの中間にあたるサイズで、ちょうど8000mあたりの高高度からの空対地攻撃に適したミサイルにあたります。

    米軍の空対地兵器だけでも大中小かなりたくさんの種類があり、今回調べて初めて知ったものもいくつかありました。
    特に近年では誤爆や巻き添え被害を局限するため、スコーピオンミサイルなど小型の対地兵器が開発される傾向にあるようです。
    超音速

  10.  超音速様 taka様 航空に無知な私に色々教えていただいてありがとうございます。
     近接航空支援は空軍の重要な役割なのに、危険が大きいため空軍はやりたがらないそうなので、軽攻撃機もありかなと思いました。
     もっとも、無人機が最もふさわしいとは思いますが。
    PIAT

  11. その後のリサーチでわかったことですが、
    海兵隊はハーベストホークキットをKC-130以外にV-22オスプレイにも適用可能にする方針だそうです。
    また、空軍も新型のAC-130J「ゴーストライダー」は既存のAC-130Hのように榴弾砲やガトリングガンは搭載せず、ハーベストホークと似たキット式にして輸送型のMC-130に容易に転換できるようにしたそうです。
    無人機も意外と運用がめんどくさいらしいので、当面は有人機と併用し、とにかく航空支援できるユニットの数を増やすことで、地上部隊の航空支援要請にすぐに対応できるようにしたいのだろうなと思います。
    超音速


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