1435 1981年のイスラエル空軍によるイラク原子炉爆撃作戦(バビロン作戦またはオペラ作戦)について質問いたします。
この作戦では8機のF16が16個の200ポンド爆弾を投下し、14個を原子炉に命中させるという驚異的な戦果をあげています。
この爆弾は無誘導だったそうですが、どのような方法で爆撃したのでしょうか?

PIAT

  1. 10年以上前に読んだ本の記憶なので、あるいは記憶違いもあるかもしれませんが、単純にF16の爆撃照準システムを使い、35度の緩降下爆撃で命中させています。この照準システムは、地上の目標に対して誤差 5.0m以内と称されていました。

    使用されたのはMk-82 2000lb 爆弾。信頼性と、破壊力(これ以下の爆弾では原子炉本体に致命傷にならない恐れ)及びF16の航続距離との兼ね合いで決まりました。

    誘導可能な爆弾は、大きすぎ、信頼性に欠け、重い上に空気抵抗が増すので燃料が足りなくなると判断されました。

    あとは選抜された最優秀パイロット達に対地攻撃訓練を積ませることで成し遂げられたのだそうです。

    以下、ウィキペディアあたりに載っていそうな話

    攻撃したF16は2個小隊8機、各2発のMk-82を積んでいました。これを6機のF15が護衛していました。なおイスラエル側の見込みでは、半数の8発の命中を期待していたようです。
    タンジェント

  2.  屋上屋を重ねるなら、攻撃はヨルダンとサウディ・アラビヤ、そして、もちろんイラクを領空侵犯して行われていますが、レーダー探知を避けるために超低空飛行を行っています。したがって。目標の近くで上昇していますが、あまり高度は稼げなかったものと思われますので、かなり低空からの爆撃になったと思われます。もちろん、1で仰られている優秀な操縦士、念入りな攻撃訓練がなかったら無理な話ですが、このこともポイントになりそうですし、それに加えて、攻撃経路、目標に対する入念な情報収集があったから成功したと思っています。
     なお、Wikipediaには15発が命中、ただし1発は不発とあります。
     
    hush

  3. 航空機研究家の村上洋二氏の投稿文書からの抜粋になりますが

    基地を発進して超低空飛行を続け現地時間の一七二五時、航法位置確認点「バハール・アル・ムルフ湖」に到達、
    爆撃体勢に入った。目標の原子炉まであと10分。(中略)爆撃最終コースに入ったF-16は左に急旋回、
    同時に機首を上げてアフターバーナーをふかし上昇、いったん背面になって目標を確認すると、
    機体を水平に戻しながら目標に降下、原子炉に爆弾を投下した。三〇秒間隔で投弾する各ペアの爆弾は
    延滞信管のおかげで次々にドームを貫き内部に大被害を与えた。(以下略)
    陸奥屋

  4. こんな感じだったらしいですが搭載されたモノはMk.84 2000ポンド爆弾各2発、370ガロンタンクを
    両翼下に。翼端には当時最新鋭のAIM9Lを2発、胴体中央にも300ガロンタンクを搭載。更にチャフや
    フレアも満載し当時のGD社も想定外と言うほどの超加荷重だったそうで。
    更に基地でのエンジンウオームアップ中も燃料を給油し続けられたそうでギリギリ感が半端ないですね。
    ちなみに護衛のF-15の方はAIM9Lの在庫が少なかったため自国製のシャフリルを搭載していたそうです。
    陸奥屋

  5. >3
    ×投稿 
    ○寄稿
    >4
    ×Mk.84 2000ポンド爆弾各2発
    ○左右翼にMk.84 2000ポンド爆弾各1発
    陸奥屋

  6. 陸奥屋殿、訂正感謝

    Mk.82 は500lb 級でした。Mk.84 が正しいです。記憶違いでした。
    タンジェント

  7. ついでにオペラ作戦、別名バビロン作戦については、下記を一読することをおすすめします。

    「イラク原子炉攻撃! イスラエル空軍秘密作戦の全貌」著者:ロジャー・W.クレイア
    タンジェント

  8. 追記?ですが侵入高度は大凡100フィート(約30m)だったそうで原子炉付近では
    4500フィートまで上昇(こっちは色々説があるようです)の上、降下。
    侵入経路はヨルダンの領空を侵さないように、まずエチオン基地から南へ飛び
    アカバ湾を越えるとヨルダン国境よりのサウジアラビア領空の山岳地帯の渓谷を
    縫うように飛行、砂漠地帯にて上記のように100フィートまで降下しバグダッド南西
    20kmにあるオシラック原子炉へ向かっています。
    また、帰りは燃料の関係からヨルダン領空を通る進路を採っています。

    一番の脅威は何とサウジアラビアに配備された米国空軍のAWACSだったそうですよ(笑)

    陸奥屋

  9.  皆様 いろいろな情報ありがとうございます。
     湾岸戦争の少し前に『あの原子炉を叩け』(新潮文庫)を買ったのですが、私には専門的すぎたので、じきに手放してしまいました。
     ただ、次のような記述があったのを覚えています。
    @ サダム=フセイン大統領のあだ名は『チグリスの恐怖』『バグダッドの鉄の男』。
    A 出撃前に司令官はパイロット達へ「捕虜になったら、なんでも話せ。戻って来たとき、正気でいてほしいから」と言った。
    B 地対空ミサイルをかわそうとして高射砲に撃墜される飛行機が多い。

     質問する前にyoutubeで『operation opera』について、パイロットの視線のCGアニメを見ました。
     時々上下反転するのが不思議でしたが、ようやく理由がわかりました。
     F16は下が見えにくそうですね。

    PIAT

  10. 以前NHKで放映されたガンカメラ映像では
    CCIP(命中点連続計算)モード時のHUD(ヘッドアップディスプレイ)画面が映っていたと記憶しております。
    marderhund


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