1437  1436の質問に関連してなのですが機体内部色は防錆のために塗るのですか?
私も昔は防錆のためと思っていたのですが、自衛隊の航空祭の時に話した空自の人が「考えたことなかったけど違うんじゃない?昔の米軍機なんか外側無塗装の機体たくさんあるし旅客機だって外装無塗装の部分たくさんあるでしょ。もし機体が錆びるような材質ならまず雨風の当たる外側塗らないと。新幹線の見えない内側も飛行機と同じ あなたの言う機体内部色が塗ってあるけど あれってアルミとかカーボンだから防錆塗料必要ないでしょ?」と言われました。

 言われてみると車のボディの内側や鉄板を使った様々な機器では飛行機の機体内部色は使われていません。本当に防錆目的なのでしょうか?
トロッター

  1. アルミ合金の中でジュラルミンや超ジュラルミンは強度は最も強い部類ですが、粒界腐食を起こしやすいので。耐食性はアルミ合金の中では弱いほうに分類されます。貴な元素であるCuを添加することで耐食性劣化が避けられないのです。
    なので、塩害にはかなり弱いのです。
    少なくともWW2時の海軍機には塗装による保護は必須であったのではと推察します。
    マコト

  2. 海軍の全軽金属製飛行機は、表面をコーティングした合わせ鈑で作られることを前提としていて、元々の規定では、このうち艦上機のみを外側表面を透明塗料、内面を淡青色透明塗料で塗る、とされています。拡大して陸上機にも塗られたものもあります。
    これに関して、大戦中に廃止されたときの通達文があります。

    『航本機密第14628号 機体塗料節約に関する件通知』
    当分の間、首題右記事項は飛行機機体工作標準に依らず実施相成度
    一.(略)
    二.陸上機、機体内部(搭乗員周囲を除く)の防蝕塗粧(ち49第三種)を廃止す。但しESD押出金物及びマグネシウム合金部を除く。

    「ち49第三種」とは「淡青色透明」(通称青竹色)のことです。
    「防蝕塗粧」と明記されています。



  3. ちなみに、別のものには、「ち49第三種」は、下地軽金属の腐蝕状況を視認するため透明、と書かれています。

    さらにちなみには、より海水との接触があり得る水上機や飛行艇では、この「淡青色透明」での内面塗粧は行われません。
    内面にも「下塗り用赤褐色」がギチギチに塗られた上に、「上塗り用銀色」が塗り重ねられます。
    全金属製水上機である零式観測機の模型などで、内面に「青竹色」を塗っている例がありますが、あれは違っているのです。

    このように、防蝕の程度によっては、さらに分厚い防蝕塗粧が内面に対しても行われていました。


  4. 同時代の米軍機の内面に塗装されたジンククロメート塗料も、「塗装された亜鉛メッキのようなもの」として、耐蝕が目的とされています。


  5. 「電子機器、内部塗装」、「航空機、内部塗装」等で検索すると、種々の目的で塗装がなされているようですね。航空機も、昔と比べて寿命が随分長くなりましたし、電子機器は万一の事態を考慮したシールドや移動に伴う地球磁場の向きへの対処等も必要になってきていますからね。
    UK

  6. ありがとうございます。
    新幹線の内部も同じ色に塗られているのは>5の理由なんでしょうか。空自の人の新幹線の話で気になって画像探したら連結器カバー(車両の先端部分)の内側も確かに同じ色でした。
    電子機器対策だと昔と今とは色は同じでも成分はずいぶん違っているのでしょうね。

     対戦末期からベトナム戦争初期の外側無塗装の機体や現代の無塗装の旅客機の無塗装部分(主に翼)も何かコーティングしてあるのでしょうか?
    トロッター

  7. 「0系の連結器のカバーの中」というのは青緑のようですが、「ち49第三種」はクリアブルーですので、別物ではないかと思います。



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