1491 例えばローランドD.VIのように、戦闘機の胴体の外板にクリンカービルドを採用するのは、
フォッカー社などの戦闘機の鋼管布張りや、アルバトロスDシリーズのような合板張りセミモノコックに比べて、
どんなメリットがあるでしょうか?

デメリットも併せてお答えして下さると幸いです。
写真屋ジョー

  1.  もちろん、門外漢の私に分かるはずもないのですが、クリンカービルドって何だろうと思って調べてみました。その結果、
     https://www.muzeumlotnictwa.pl/zbiory_sz.php?ido=9&w=a
    に、This method, known as Klinkerrumpf (lit. clinker construction fuselage), appeared as a way of coping with plywood shortages that were suffered by Germany due to Allied naval blockadeと書いてありました。合板が海上封鎖で入ってこなくなったので、鎧張りでやってみたということらしいです。
     弱点は作るのが面倒だということらしいです。
     
    hush

  2. >1
    hush様、いつもお世話になっております。
    検索の範囲で出てきたのですね…調べが足りませんでした。

    ローランドD.VIに関して言えば、あのフォッカーD.VIIと競合した機体ですので、クリンカービルドの採用はそれなりの強みがあるのかと思っていましたが、合板が不足した事が採用の理由だったのですね。

    ちょっと質問の趣旨からズレますが、当時のドイツ戦闘機は合板張りが主流だったと思いますが、それらの合板は輸入に頼っていたということでしょうか。
    アルバトロスD.IIIやD.Vなどは主力を務めた戦闘機ですが…

    写真屋ジョー

  3.  https://books.google.co.jp/books?id=Nl3JDwAAQBAJ&pg=PA152&dq=plywood+shortages+German%E3%80%80albatros%E3%80%80aircraft&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwj7oI-9tf7nAhXbxIsBHRwpAOcQ6AEIKTAA#v=onepage&q=plywood%20shortages%20German%E3%80%80albatros%E3%80%80aircraft&f=false
     "German Fighter Aircraft in World War I: Design, Construction and Innovation"の152ページに1と同様に合板が不足したためと書かれていますが、同じページに、実績のあるフォッカーやアルバトロスには優先的に材料が提供されたとあります。この材料が合板を指すかどうかは、英語力が不足していて今一つ自信を持てないのですが、機体の材料に関しては、かなり輸入に頼っていたのではないのではないかと思っています。
     
    hush

  4. >3
    ドイツ国内で産出しないボーキサイトのような資源を輸入に頼るのは分かりますが、まさか航空機用の材木まで輸入頼りとは思いませんでした。
    hush様、大変参考になりました。
    写真屋ジョー

  5. >4
     ドイツの森林被覆率は32%とヨーロッパでは高率ですし、日本の5倍の木材を生産していますので、私も不思議に思って、第1次世界大戦時のドイツの合板生産量の記録を探し回ったのですが、見つかりませんでした。ただ、ドイツは需要の増大から1864年以降は木材を輸入しています。
     また、針葉樹をかつら剥きにして単板の合板を作る機械を発明して巨利を得たのは、ダイナマイトで有名なノーベルの父親です。そして、この機械は19世紀中葉にアメリカに設置され、合板が大量生産されることになります。
     したがって、当時のドイツでは合板の製造が行われていなかったか、細々としたものであった可能性があります。そして、第1次大戦の開始によりアメリカからの輸入が止まり、スウェーデンも中立国となったことから、合板は備蓄されたものか、国内で生産された少量しか使えなかったということかもしれません。しかも、当時の接着剤の性能を考えると、航空機用に使えたのはどれだけあったのかなと思うのです。
     
    hush

  6. >5
    なるほど、製造設備の問題の可能性があるのですね。
    それなら、ドイツが合板を輸入していても不思議はありませんね。
    写真屋ジョー

  7.  直接の答えではありませんが関連して補足させてください。まず、鎧張り(クリンカービルト)は、船建造で、下方の外板の上端に上方の外板の下端を重ねるという形式で、表面には段々担っています。かつての貸しボートはこれでした。
     しかし
    このD.VIの写真を見ると表面は平滑です。ではなぜ鎧張りというのか考えました。板の端面がまっすぐではなく鍵形とかクランクになっていて、上の飛び出した部分を下のへこんだ部分に重ねていると思います。こうすれば、隙間からの気流の吹き込みも防げます。表面は段差がなくスッとしています。
     hushさんご紹介のサイトでは、合板を節約するためと言いながら、合板の細長い板を使うとなっていて話が合いません。ムクのスプルース板を使ったのでしょう。
    電気戦艦

  8. >7
    電気戦艦様、補足ありがとうございます。
    写真屋ジョー


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