1531 素人質問ですが、プロペラ双発機の形式、牽引式、推進式、プッシュプル式、串型式で
どの形式が推進効率というかエネルギー効率が良いのでしょうか?
やっぱり大多数を占める牽引式でしょうか?
まさのり

  1. 純粋にプロペラの効率と言う点だけなら推進式が優れています。
    プロペラ後流の中に抵抗となるエンジンや翼などが有りませんから。

    ただし、冷却風の導入や離着陸時の地表とのクリアランスなど、構造的に牽引式より難しい問題も増えてきます。
    また、翼にプロペラ後流を当てる事によるフラップや動翼の効率アップなど、プロペラ後流を推進以外に利用するのも難しくなります。
    わんける

  2. 補足。
    その他に、
    ・脱出が困難になることがある
    ・延長軸が必要になることがある
    ・重心位置が後退し設計が難しくなることがある。

    超音速

  3. 世傑B-36から引用します。
    「推進式にするとプロペラ効率が高くなるといわれているが、この表現は誤解を招きやすい。
    プロペラを付けていない風洞試験のデータと比較すると、実機ではプロペラ後流の影響で、牽引式の機体のエンジンナセルや胴体の空気抵抗が推進式に比べ大きくなっていることを、性能計算のうえでプロペラ効率が高い(低い)かたちにして処理しているにすぎないからだ。
    実態はあくまで空気抵抗の変化と理解するべきである。同じプロペラを同じ環境で、同じ回転数で回しているのに、効率が高くなったり、低くなったりするわけではない。
    (中略)
    牽引式配置のプロペラの後流で、主翼表面の境界層の流れが乱され、層流翼の効果が失われることを嫌っての推進式プロペラ配置の採用だった。」
    超音速

  4. 民間機では、ビーチクラフト・スターシップ、ピアッジオP.180などが推進式プロペラを採用しています。
    これらはターボプロップでありながらジェット機なみの性能を有しています。
    推進式プロペラによってキャビン内の騒音が低減できる利点もあります。
    ただし、プロペラが主翼洗流と排気ガスの影響を受けるので機外の騒音はかなり高いそうです。
    プロペラ自体も小直径・多翅タイプを強いられており、低速での性能が心配な印象です。

    プッシュプル式は民間機ではセスナ・スカイマスターが有名ですが、ほかに量産された例がありません。
    片肺時の操縦が容易なのと、通常の双発機に対して空気抵抗が小さい利点がありますが、前部プロペラの後流が影響して後部プロペラの効率が下がってしまう欠点があります。
    とくに上昇力に影響するそうです。

    Do335の場合は前後プロペラの間隔を十分に離すことで、後部プロペラの効率低下を抑えています。
    超音速

  5. 超音速さん、わんけるさん回答ありがとうございます。当たり前ですが、どの方式にも一長一短がありますね。
    単発の推進式、牽引式ではどうでしょうか?
    例えば推進式→閃電、震電と烈風等の牽引式では?
    アメリカのXP-54〜56をみると
    敢えてその方式にする理由が無さそうですが
    まさのり

  6. 推進式プロペラの戦闘機開発が日米で流行したのは、抵抗減少のほかに機関砲配置や前方視界といった点で有利だったからです。
    超音速

  7. 便乗させていただきます。
    スクリューと同じように二重反転の場合プロペラが只動かしている流体が推力に変換されて効率が上がる事が多々あるように聞きましたけど。
    アジマスラスター等の例です。
    プッシュプルの場合は如何な具合でしょうか?

    青江

  8. >>5 単発推進式の場合、カウンタートルクが厄介になります。 
    牽引式だと主翼で整流したり垂直尾翼で補正できますが、頼れるものが機速のみの推進式の場合、低速でパワーをかける離陸時などは難しく、コントラペラに頼ってさらに構造と重量が増す事になったりします。

    >>7 上の件と少しカブりますが、プル側のプロペラ後流は翼や機体によって中途半端に整流されます。 乱流成分も当然含まれるため、プッシュ側にとっては良い環境とは言えません。
    可能ならコントラプロペラにまとめた方が悪影響を減らせます。



    わんける

  9. >7.
    世傑Tu-95から引用
    「二重反転プロペラは機体に加わるトルクが打ち消されるだけでなく、前段のプロペラの捩じれた後流のなかで後段のプロペラが回転するから推進効率が高くなる。この効果は胴体の前後のように離れた位置に置いたのでは、トルクは打ち消されるが、後流の影響が薄れるから、推進効率改善の効果は失われてしまう。」

    戦間期の飛行艇で流行ったようなプッシュプル式は、前後のプロペラ間隔が中途半端だったから、乱流混じりの気流の中に後部プロペラが置かれてしまった。
    Do335の後部プロペラは、前部と十分離れていて、間に主翼・尾翼が入っていて乱流がある程度落ち着いた状態のなかに置かれているということなのでしょう。
    超音速

  10. こちらも参考になるかも知れません
    http://www.warbirds.jp/ansqn/logs-prev/A001/A0004625.html
    ガス欠


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