1572 B-32ですが、B-29と同じようにマリアナから日本本土への空爆は可能ですか?
なかがわ

  1.  史実のB32ドミネーターの航続距離は約6000q、そして、マリアナ=東京間は約2400qですので、不可能ではありません。
     ただ、この航続距離でどれほどの爆弾を搭載できたか不明ですし、与圧装置がないので、B29のような高空を飛行できません。
     また、B29を第20航空軍が独占しており、マッカーサー隷下の極東空軍に日本本土爆撃用の機体がないために、B32を回したという経緯があるので、マリアナに配備される理由がありません。
     フィリピン、ルソン島からの爆撃は行っていますが、機数が少ないこともあって、あまり、被害は与えていないと思います。
     なお、架空の機体についてはコメントできません。
     
    hush

  2. 同じ要求仕様で作られ航続距離は同等なのに何を当然のことを?と思いつつ、データを確認してみましたら、
    B-32はB-29よりやや小型なのと与圧装置をあきらめたため軽量で、スペック上は若干高性能なのですね。

    B-29の日本本土爆撃での爆弾搭載量は、高高度爆撃をしていた時期は1.5〜2t。夜間低高度爆撃に移行すると、その2倍の量に。さらに動力銃塔を下ろして6tまで積んでいます。リトルボーイ/ファットマンは約5t。

    B-32はトラブルもなくスペック通りの性能なら少しばかり多く爆弾を積めそうですね。

    ただ爆撃と同じぐらい偵察の方も重要ですが、与圧装置がなく高高度飛行が困難となると偵察活動には使いづらいでしょうね。
    超音速

  3. 追記
    B-32の武装はB-29より少ないので、銃塔を下ろした時の爆弾搭載量はB-29と同等になるかもしれません。

    2.でスペックを疑うような記述をしていますが、第386重爆飛行隊の報告では、小さな欠点はあるがおおむね好評です。
    特に離着陸性能の評価が高いです。
    注目すべきはB-32の翼面荷重430kg/m^2(離陸重量)がB-29の400kg/m^2より高いことです。
    デイヴィス翼は、最大揚力係数が高いため離着陸性能を確保しつつ翼面積を小さくすることができます。最小限の翼面積により空気抵抗も小さくなり、最大速度と巡航速度が速くなっています。

    欠点は一定以上の速度になると急激に抵抗が増すこと(おそらく圧縮性の影響)。このため将来性がなく、戦後のコンヴェア機は層流翼が採用されています。
    B-32自体も機体を小型にまとめたため、B-29がのちに歩んだような発展性がないと思われます。

    質問者様のおかげで面白い調査テーマができました。感謝申し上げます。

    超音速

  4.  気になっているのはB32の航続距離です。
     http://worldwar2headquarters.com/HTML/aircraft/americanAircraft/b32.html
     上記には3,800 miles (max)と記されていますが、最大3800マイル(6115km)は、WikipediaのB29のRange: 3,250 mi (5,230 km, 2,820 nmi)、Ferry range: 5,600 mi (9,000 km, 4,900 nmi)という表記から考えると、Ferry rangeを指す可能性があります。つまり、燃料を満載しているが、爆弾等を搭載していない状態です。実際、B32はルソン島から長崎、沖縄から関東への爆撃や偵察飛行にしか行っていませんが、マニラ=東京間の距離が約3000km、マニラ=長崎間が約2200km、沖縄=東京間が1600kmですので、マリアナ=東京間の爆撃行はかなりきつい数字になりそうです。
     
    hush

  5. Range: 3,000 miles w/ 10,000 lbs. bomb load
    というデータがありました。しかし、燃料搭載量はわかりませんでした。
    https://ww2aircraft.net/forum/threads/too-little-too-late-the-b-32-dominator.1775/

    ただ、両機のペイロード(=最大離陸重量−自重)は共に30t弱とあまり変わらないのです。
    ペイロードの範囲内で燃油と爆弾・弾薬・乗員などを積み込むわけです。
    そして巡航速度はB-29の350km/hに対しB-32は470km/hとなっています。
    エンジンは同一であるため、これは燃費が良いということです。
    スペック上の航続距離が劣っているのは、燃料タンク容量が小さいためでしょう。
    XB-32の航続距離は
    Range: 4,450 miles w/ 2,000 lbs. bomb load
    というデータがありますので、おそらく生産型は燃料タンクを減らしているのだと思いますが、wiki英語版によれば爆弾倉内補助タンクが使用できます。
    これらのことから、B-32は低高度爆撃に限ればB-29と同等もしくは若干上の爆撃性能を持つと推定します。
    超音速

  6. >5
     御教示ありがとうございます。
     爆弾1万ポンド(4.5t)で航続距離3000マイル(4800km)でしたら、私が思ったような懸念はなさそうですね。
     
    hush

  7. 私には、この様な質問をする人の趣旨、意図が判りません。「B32 爆撃機」でググれば、要目などはいくらでも書いてある。
    また、回答する人の気持ちも判りません。例えば、大量の爆弾を積んで成層圏を高速で飛行するとき(少し後の時代なら地面近くを高速で飛行するとき)と、投弾後の帰還時とでは燃料消費率が大きく異なります。航続距離と戦闘行動半径の関係は、複雑です。
    あの当時、ドイツ等と異なり米国と英国は、何故あるいはどのような理由や戦訓の検討等でかかる航空機を計画し製造したか、何故落下増槽や空中燃料補給が用いられなかっか等を検討したりする方がずっと有意義だと思います。
    UK

  8. >この様な質問をする人の趣旨、意図が判りません。〜
    ググれば要目などすぐわかる、と私も最初に思いましたが、要目だけ調べても4.のhushさんのようにこの航続距離はどんな状態?という疑問もでてくるわけです。

    >回答する人の気持ちも判りません。
    私が回答するにあたっては自分が楽しいからやってるだけだと以前に述べたことがあります。
    なので質問者様の主旨、意図などは特に気にしていません。

    >例えば、大量の爆弾を積んで成層圏を高速で飛行するとき〜
    2.の回答で高高度爆撃と低高度爆撃では積める爆弾の量が違うと既に記述しています。
    なので高高度爆撃のほうが燃料消費が多いのだということは伝わったと思います。
    そのうえで、5.のように回答をしています。

    >あの当時、ドイツ等と異なり米国と英国は、〜
    それは議ボ行きの話題ですね。

    回答内容に反論等ありましたら歓迎します。
    超音速

  9. >>8 超音速さん
    >>高高度爆撃と低高度爆撃では積める爆弾の量が違う
    >>高高度爆撃のほうが燃料消費が多い

    これらはちょっと表現が乱暴なのでは?
    以下2点について確認下さい。

    爆弾の積載量は爆撃高度が問題なのではなく、単に、高高度爆撃をしていた時期は、B-29が進出していた基地から目的地までの距離が長かった(=燃料が多く、爆弾は少なかった)だけなのではないかと思います。

    つまり、高高度爆撃と低高度爆撃では積める爆弾の量が“変わらない”のではないかと主張します。


    次は巡航高度と燃費のお話です。
    B-29が揚抗比Maxになる高度を30000ft(とある最高速度に付則してあった高度)と仮定すると、この高度付近までは“高度が高くなるほど燃費はよくなる”が、それ以上の高度になると揚抗比が頭打ち→低下に転じる為に燃費も悪くなっていき、最終的には機体強度の制限から、高度の限界がくるのかと考えています。

    つまり、高高度爆撃のほうが燃料消費が“一般論でいえば少なくなる”と主張します。
    ただし爆撃時の高度で巡航していたとしたらのハナシです。高高度爆撃も低高度爆撃も航路の9割は(爆撃高度に関係のない)同じ高度で飛行していたのならば、小難しい事を持出さずとも、“高高度爆撃も低高度爆撃も燃料消費は変わらない”と言えると思います。


    如何でしょうか?

    太助

  10. 2.の回答の爆弾搭載量に関する内容は世傑が情報元です。
    こちらのリンク先でも高度別での爆弾搭載量の違いがわかります。
    http://b29memorial.com/plane.html
    引用
    Bomb Load: 5,000 lbs. over 1,600 mile radius at high altitude; 12,000 lbs. over 1,600 mile radius at medium altitude; 20,000 lbs. maximum over short distances at low altitude.


    ジェット機は成層圏のほうが距離燃費がいいのですが、レシプロ機の場合どの高度で巡航してもあまり変わらないです。
    https://aviation.stackexchange.com/questions/32830/how-does-the-efficiency-of-a-piston-aircraft-change-with-altitude
    排気タービン付きでも同様です。P-38とP-47のパフォーマンスシートを見てください。巡航高度10,000ftと25,000ftで航続距離はほとんど同じです。機械式過給機でも同じです。
    http://www.wwiiaircraftperformance.org/p-38/p-38-tactical-chart.jpg
    http://www.wwiiaircraftperformance.org/p-47/p-47-tactical-chart.jpg
    B-29の場合は、通常の巡航高度は9,000ftで、15,000ft以上になるとむしろ燃費が悪くなるそうです。
    https://aviation.stackexchange.com/questions/75415/why-would-a-b-29-consume-more-fuel-at-17-kft-than-at-9-kft
    要点
    ・与圧室への送気にパワーを取られる。
    ・空気密度が低いため冷却の問題からカウルフラップを開けて飛んでいる。
    ・重い機体を高高度へ上昇させるために燃料を使ってしまう。

    B-17やB-24が対独戦略爆撃で高高度を巡航していたのは、陸地上空を飛行するため高射砲や迎撃の脅威があったからです。

    >「B-29が揚抗比Maxになる高度を30000ft(とある最高速度に付則してあった高度)と仮定すると」
    上から目線で申し訳ありませんが、
    揚抗比についてちゃんと理解されてますか?
    元質問から外れますし一から説明するときりがないので、ご自身で勉強のうえ、どうしてもわからないことは新しく質問を立てて下さい。
    私もまだまだ勉強中の身ですが、ともに学んでいきましょう。
    超音速

  11. >>10
    何か色々と気に入らない書き込みをしたようで失礼しましたが、常連さんはいいですね、露骨に上から目線と断り書きの書き込みができて(真似したくはありませんが)。


    太助

  12. >11.
    気を使って書いたつもりですが、やはり偉そうな言い方でした。
    反省します。
    超音速


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