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カテゴリ間違えましたので再投稿します。 一○○式重爆撃機について 中島航空エンジン史を見ると一○○式重爆の為に開発されたというNANエンジン(2000hp以上)が12台近く試作されていて戦局により中止となった旨記載がありますが、一つ疑問なのは、九七式重爆に対して僅かに延伸されただけの航続距離しかない呑龍に大型で強力な発動機を乗せたら軽爆相当の足になってしまうのではないかと思ったのですが わざわざ呑龍用と銘打って準備されている以上、この機体の搭載力に余裕があったのでしょうか? 豚 |
- 多少回答からズレるかも知れませんが、例えばIII型はハ107(1〜2号機)もしくはハ117(3号機)を搭載して生産はされませんでしたが一応制式化されています。
双方とも離昇出力で2,500HPクラスの大型空冷星型18気筒エンジンで当然重量も既存機より増えていますが、これに対して燃料を1,000L前後多く搭載できるようにしたようです。
要は「高出力の代償としての重量増加は、そのまま出力で補い」「燃費増は燃料容量増加で補った」カタチになったと思われます(爆弾搭載量はほぼ変わらず)。
って、ここまで書いて調べてみたら「NAN」エンジンって、ハ107系列だったんですね・・・
陸奥屋
- 貴重な情報ありがとうございます。
1000リットルも増設可能なのですね。
前縁を直線とし、ナセル間のコード長を大きく延伸した主翼設計で燃料搭載量に尚も増設の余地があったのか、それとも胴体や外翼部に燃料を積む予定だったのかは気になりますが。
それと、1.の書き方だと航続距離は据え置きとは限らない(燃費悪化を補って余りある)という認識でよろしいでしょうか?
爆弾搭載量が据え置きとの事なので、例えば爆弾1トンで航続距離を減らさなくて良くなる、とか
NANエンジンは150×180mmという超ロングストロークエンジンなので、燃料1000リットル増設と合わせれば相当航続距離は延伸してるのではないか?、と個人的には思ったのですが。
豚
- III型の燃料増設位置・航続距離に関しては、詳しく書いた書籍を持ち合わせて居ないので不明です。ここは個人的にも知りたいところですね。
ただ、ここからは想像なのですがハ107系列はII型のハ109に対して1基あたり300kg程度、2基で600kgの重量増となってますし、
燃料増を考えると離陸重量は可成り増えていたのでは無いでしょうか、そうなると意外と航続距離は伸びていなかったかもしれません。
あと、こちらは私の書き方が悪くて勘違いを生んでしまったようですが、爆弾搭載量に関しては最大1,000kg(II型)から通常1,000kg(III型)になったようです。
なんというか・・・意外?と資料の少ない謎の多い機体ですね。
陸奥屋
- 標準1トン化は心強いですね。
ググったら試作機が590km/hというコンセプト通りの爆速を発揮したとか…。(質問するまで試作機が複数機製作されていた事も知らず、調べ漏れていました。幻の鐘馗三型の類だと思っていた)
呑龍三型は四式と比べても空力が良い機体のようですね。
やはりこの性能で「キ67よりキ49-3型作った方が良くね?」にならず打ち切られるなら、ベース機同様航続距離が短かったで説得力がありそうですね。
豚
- 馬力が違うので四式重爆の一型と比べるのはフェアではないですね、すみません。
直径1450mmのエンジンの抗力増大は大きいし空力上はやや四式重爆二型より不利でしょうが、でしょうが、馬力の成せる技でしたね(^_^;)
ただ、呑龍も2500hpのエンジンで同等の航続距離、更に標準搭載量は1トンにアップと相応の爆撃機への発展性があったということが分かれたので良かったです。ありがとうございます。
豚
- キ四十九IIIは制式制定されていない、試作機です。
また、爆弾搭載量が増えているように見えるのはこの時期に胴体爆弾倉への一〇〇〇瓩爆弾の搭載が要求されたからで、搭載量ではなく爆弾倉設計上の問題です。
四式重爆一型の爆弾搭載量も最終的には二〇〇〇瓩(胴体爆弾倉に一〇〇〇瓩、左右翼下の爆弾架に五〇〇瓩各一発))となる計画で終戦を迎えています。
BUN
- 陸軍重爆の爆弾搭載量は飛行機としての搭載量には関係なく、単純に爆弾倉の容積と懸吊装置の問題です。各国の双発爆撃機の標準的な搭載量が2,000kgまたは4000lbなのは燃料搭載量を減じればそれだけ搭載できる爆弾倉容積と懸吊装置があるということで、最初から遠距離爆撃を主任務としている陸軍重爆にはそうした装備がありません。同じような遠距離目標を爆撃する際は、どこの国の双発爆敵機も陸軍重爆と同じような爆弾搭載量となります。
一〇〇式重爆は性能的にも空力的にも問題を抱えた飛行機でしたが、その性能云々の前に、航空撃滅戦に適さない重爆への批判が参謀本部内に持ち上がり、新鋭の四式重爆も含めて重爆不要論が陸軍の双発重爆試作にブレーキをかけています。一〇〇式重爆の性能向上研究の中止や、四式重爆の雷撃機転用はそうした流れの中で起きたことで、性能がどうした、といった話ではないのです。
BUN
- BUNさん
恐縮ながら、キ49-IIでは離陸に失敗する恐れがあるのではないでしょうか?
もちろん限界までつめこんだ状態であれば、1トン爆弾を搭載して3000km飛ぶ事も可能だとは思いますが…。
B-25J(1700HP×2)は離陸重量34846ポンド(爆弾4000ポンド)の時に1498フィートで離陸可能という性能を誇りますから、当初から狙い値として離陸性能に余裕を持たせられるかどうかは関係があると思いますが。
豚
- 四式重爆でもどんな爆撃機でも爆弾倉や燃料タンクは通常、重心に近い位置に置かれます。
もし一〇〇式重爆に四式重爆方式で翼下爆弾架を増設しても重心問題は発生しなかったことでしょう。
もし単純に離陸重量をオーバーするといった心配でしたら、
他国の同級爆撃機と同じように離陸可能な重量まで燃料搭載量を減らせば良いのです。
一〇〇式重爆のような双発爆撃機の搭載量は他国の同級機と変わりません。
なのでその範囲内であれば十分離陸可能でしょう。
BUN
- 英軍のウェリントン爆撃機は爆弾搭載量2,000トンと紹介されてはいますが、
実際に一〇〇式重爆の常時状態と同じように行動半径1000km、余裕1時間(英本土からのベルリン爆撃に相当)で出撃する場合には1000lb(454kg)しか積めません。
爆撃機の搭載量は機体規模と馬力で概ね決まってしまい、
あとはその重量を燃料搭載に振るか、爆弾搭載に振るか、なのです。
BUN
- BUNさん
ウェリントンの数字を出していただき、ありがとうございます。
私の不理解からお手数おかけしました。
その調子だと同じ850kg(という積み方は無いですが)なら単発の天山の850kg魚雷の過荷重と大差無いか下手したら劣るレベルなんですね…
内心で重爆不要論は日本陸軍早まりすぎだろと思ったのを改めました。
豚
- 「陸軍重爆隊」p107
「中国奥地の目標は、漢口〜重慶は七八〇キロ(中略)
〇・五トンの爆弾を積んだ場合のイ式重爆の行動半径は七五〇キロだったので、重慶に行く場合は〇・三トンに減らす必要があった。九七重は〇・五トンの爆弾を積んでも行動半径は八〇〇キロあり、問題なかった。」
陸軍重爆はイ式の搭載力に劣ってはいない事は分かりました。
比較対象が、額面通りの性能が出ないとか、巡航速度の計測方法が違ったのかとか、色々言われるイ式ではありますが。
そして行動半径五〇キロの延伸が爆弾200kgと等価と考えると、海軍の陸攻はやっぱり凄いんじゃないかと思う次第です。
そして、これらと比較すると、爆弾750kg/行動半径1000km(適当にググった値ですが)一○○式はやっぱり長大な航続距離持って進歩の感が大きく、
「既存の97重と性能が大した上がらなかった」と評した輩を、開発の小山サンがブン殴ってもいいと思います。
豚