1732 紫雲と瑞雲の速度差について質問したいと思っていました。一応過去ログは検索してみました。もし、過去に類似質問やわたしそのものが聞いていたらねアルコールのせいと嘲笑してくださいませ。

紫雲は新機軸の高速偵察機で468キロ、瑞雲は強武装で空戦可能の水上(爆撃)機で448キロ。これでは速度に拘った紫雲の意味がないと思うのですが理由はどうしてでしょう?
発動も紫雲が強力です、翼面積は瑞雲が少ないです。
比べた晴嵐は水冷の熱田ですが、翼面積は星雲と少し小さいだけです。

それぞれ攻撃力のある二機種と比べて、偵察機でこの速度はと思ったのです。
※紫雲も大好きです。ただ速度差の理由(公表データの違いとか)を知りたいのです。よろしくお願いします。


4式射撃装置

  1. 読み返したら打ち間違えとか、早や帰りのワインのせいですか・・・
    意を酌んでくださいませ <m(__)m> 

    4式射撃装置

  2. 一般に出回っている諸元表では、発動機は火星24型(離昇1500hp公称2速1480hp/5500m)となっています。これは海軍航空本部資料が出典のようです。

    しかし十四試高速水上偵察機は火星14型装備(情報源がWikipediaなんですが、出典は内令兵第53とあります)となっており、これは離昇1410hp公称2速1250hp/6000mです。どちらも二重反転ペラ対応です。

    つまり、諸元表の最大速度は火星14型装備での計測結果で、火星24型は後から換装したか、又はその予定だったが最大速度は計測されなかったという可能性があります。

    ちなみに強風(十五試水戦)も当初は火星14型だったが、昭和18年に海軍が作成した試製飛行機一覧表では火星改104型(のちの24型)となっており発動機換装による性能向上計画があったのではと世傑に記述されています。
    超音速

  3. 紫雲は、軽巡大淀から射出機により打出され、敵戦闘機に襲われた場合にはフロートを切離して高速で離脱することが可能という要求のもとで開発されました。瑞雲にはそのような要求は無かった、少なくともフロートの離脱要求は無かったと思います。従って、フロートをつけた状態の最高速度を比較してもあまり意味がないと思われます。
    酔った者

  4. 紫雲のフロート投棄後の速度は実測されていませんが、300ノット(555.6km/h)から310ノット(574.1km/h)と計算されています。
    BUN

  5. 3ですが「軽巡大淀から射出機により短時間で6機連続で打出され」と修正します。
    酔った

  6. 超音速様、ありがとうございます。発動機が異なる定格が出歩いてたわけですねぇ。
    で、3乗根に比例ということでは火星24型装備で495キロとなります。
    翼端フロートの仕組みとかあるのになぁ、と瑞雲との差を考えてしまうところです。
    BUN様、ありがとうございます。フロート投棄後の計算の元は、やはり14型装備でいいのでしょうか。

    酔った者様、うーむ、紫雲はフロート付きでの高性能を狙っていなかったということですね! 即否定と思いましたが、そういう考えもありましたか。

    貧乏な帝国海軍も酸素魚雷と零戦だけはたくさん作ると連合国に言われてましたけど、紫雲も使い捨てにする気だったのかと思ったりしました。
    たくさんいるのは役に立たん参・・・ いや、みなさまいい週末を。



    4式射撃装置

  7. 瑞雲は初めから推力式単排気管ですが、紫雲は当初は集合排気管ですので、最大速度はその影響もあるかもしれませんね。
    超音速

  8. 超音速様、ありがとうございます。排気管の違いに気が回りませんでした、なさけありません。
    画像を見ると単排気管ではないようですが、増加試作機が改装され翼端フロート固定化されて実戦配備されたというこですね。
    実戦仕様の紫雲の速度に興味がありますが、記録資料はないでしょうけど推算は出来ないものでしょうか。

    それと三菱火星「1680hp」を搭載とよくありますが、この出力でないから速度が低いんですよね・・・
    実戦の紫雲は何キロ出たんだろうか??
    4式射撃装置

  9. >それと三菱火星「1680hp」を搭載とよくありますが、

    それは火星24型の公称1速(2500m)ですね。(こちらの資料では1620hp)
    最大速度は公称2速での高度なので、2.では1速の馬力は省きました。
    超音速

  10. 二式飛行艇二二型は翼端フロートを引き上げ式に改良していますが、速度向上は5kt程度だったそうです。
    超音速

  11. 瑞雲は最初から単排出管ではありません。
    試作機は集合排気管のようです。

    それとは別に空技報04204号という報告書があります。
    日付は昭和19年6月です。
    ここでは面白い内容があって
    4号機までの最大速度は241ノット(447.3km/h)だったが
    20粍機銃を装備した4号機以降は235.5ノット(436.2km/h)だとしています。
    みなさんがお話の前提としている数値より低いんです。
    紫雲よりもかなり遅いですよね。

    BUN

  12. それから、紫雲の発動機は内令兵の通り火星一四型だと思います。
    昭和十九年半ばの火星二〇型は不具合多発の状態ですから
    水メタノール噴射装置の無い一四型でなければパラオ島からの23回にわたる連日の出撃は不可能でしょう。
    BUN

  13. BUN様 ありがとうございます。お礼が遅れすみません。
    まず傍証からも、紫雲は火星一四型での速度で考えるのが妥当ということですね。了解です。
    そして瑞雲は、量産された20ミリ装備機は10キロ/時ほど低下しているとのこと。わかりました。

    ただ、紫雲はどうしてもう少し高速にならなかったんだろうかとの疑問が残ります。
    SCシーホークが503キロ/時も出るのが解せません。


    4式射撃装置

  14. SCシーホークについては、当サイト内のここをご覧ください。
    http://www.warbirds.sakura.ne.jp/data/us/htm/seahawk.htm

    引用「速度性能は発生高度から見てかなり割り引く必要があるように思える。同時期の日本の水上機と比べれば、まだ劣っているとも見ることができる。」
    超音速

  15. 紫雲の原案はC計画策定時に丙巡搭載用の高速水偵として
    最大速度240ノットから260ノットで計画されていたもので
    昭和14年12月に試作機製作、15年春に完成といったスケジュールで
    試作が行われる予定でした。
    紫雲はこの時の要求をほぼ満たしているのですが、実際の審査完了までは
    随分と時間が経ってしまっています。
    これは性能標準が高速水偵に最大速度300ノットを求めたことに対応しようと
    試作計画を再検討しているためで、
    浮舟投棄などの奇策はこの要求を達成するために導入されたものです。
    紫雲が遅いか速いか、といった論評ではなく、
    計画時に何を要求され、どう応えていったかに注目したほうがその機体の本質を知る助けになるでしょう。

    BUN

  16. 超音速様 ありがとうございます。そこの部屋、SCについてはクリックできるんですね! 見逃してました (/ω\)
    うーん、発生高度から見てかなり割り引くとは嬉しいのですが、SCの過給機の設定が高高度向けになっていたというわけでございましょう。なら、それはそれで羨ましい性能と思えるのですが・・・高高度、高速度・・・
    我が水上偵察機が用いる高度では優速でないということですね。

    BUN様、ありがとうございます。おっしゃる通りです。
    ただ、「瑞雲に比べて紫雲はそんなにずば抜けて速くもないなぁ、どうしてだろ。」という素朴な疑問だったのです。

    4式射撃装置


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