1743 軍事用語的に、神風ドローンと巡航ミサイルの違いに何か定義はあるんでしょうか?
ウクライナで、神風ドローンの活躍が日々話題になっています。
でも、それって巡航ミサイルの一種なんじゃないの?
と疑問が湧いてきおります。
心配で夜も眠れません。
似非ハンター

  1.  ドローンはリモート・コントロールの無人航空機ですが、巡航ミサイルは自立飛行が可能です。
     もともと軍事用語としてのドローンは、リモコンの無人標的機でのことで、蜂の羽音に由来するものです。このため、クィーンビー(女王蜂)という標的もありましたが、いろいろなところに立ち寄っていく感じがあります。これに対し、ミサイルは投石に由来するように、目標まで一直線に向かうイメージがあります。速度も異なります。
     
    hush

  2. 私の認識に間違いがなければ、ドローンは遠隔操縦と垂直離着陸が可能なヘリコプター類似のプロペラで飛ぶ航空機であり、軍事における初期の用途は小型艦艇からの対戦攻撃です。指示された位置に爆雷等を投下する。従って、再使用が可能です。昭和30年頃に再刊された海と空誌等に説明がなされています。「神風」がつくと、自分が目標に向かって飛び込むものとなります。あの当時、用途が限られる上に整備が大変なので、用途が広い有人ヘリにとって代わられました。
    巡航ミサイルは、レーダー探知を避けるため地表近くを飛ぶジェット駆動のミサイルです。従って、通常は目標等は予め入力されており、自分自身が爆発します。
    UK

  3. 個人的にも、その件はモヤモヤしてたんですが、たまたま先日見つけました。

    「徘徊型兵器」
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%98%E5%BE%8A%E5%9E%8B%E5%85%B5%E5%99%A8

    ここによると
    「徘徊型兵器の、従来の対地ミサイル・巡航ミサイルとの違いとしては

    発射(離陸)する時点では必ずしも攻撃目標が明確である必要が無い。
    飛翔体自身が自分で攻撃目標を探す事ができる。
    攻撃目標が見つかるまで"徘徊"して待つことができる。
    攻撃目標が見つからない場合に帰投できる機体もあり、コスト的にも無駄にならない。
    といった点が挙げられる。」となっています。
    但し、もうちょっと何らかの定義はありそうな気はしているんですが・・・
    陸奥屋

  4. 2でUK様が言及しているのはDASHだと思いますが、それ以前にも軍用ドローンの例があります。
    米軍は第二次大戦中に行なったアフロディーテ作戦がそれです。
    V2ロケット発射基地を目標とし、無線操縦装置を搭載したB-17やPB4Y等の爆撃機に爆薬を満載して突入させるものです。独軍のミステルに似てます。
    爆撃機は離陸時のみパイロットが乗って離陸後にパイロットは脱出、以後は無線操縦で、爆撃機はテレビカメラの映像を送信しながら無線操縦されます。
    攻撃は何度か行なわれましたが、ことごとく失敗。パイロットの死亡事故もあり、かのジョン・F・ケネディの兄ジョセフも犠牲になりました。そのため結局は中止されました。
    戦後、無線操縦システムは余剰となったF6Fヘルキャット多数を無人標的機化するのに使われました。
    朝鮮戦争では空母ボクサーにドローンヘルキャットが配備され、ふたたび自爆攻撃に使用されました。こんどは成功し戦果も挙がったようです。
    米軍がカミカゼを始めた!と共産軍側は軽くパニックになったそうです。
    超音速

  5.  現在、英語のdroneは無人機の意味で使われておりますので、RQ4グローバル・ホークもドローンです。
     また、プロペラ推進ではないファイアー・ビー標的機もドローンです。
     日本語はともかくとして、英語の意味では垂直上昇も、プロペラも関係ないということになります。
     なお、4で言及されているB17改造のBQ7もドローンと呼ばれています。
     
    hush

  6. 3にある条件の
    「攻撃目標が見つからない場合に帰投できる機体もあり、コスト的にも無駄にならない。」
    これが一番重要な気がしますね。

    hush様の言及するクィーンビー、ファイアービー標的機もそれ自体が撃たれるわけではなくバナー/スリーブ標的の曳航機として使い、パラシュートで着水して再利用する使い方が基本のようです。
    4で紹介したレシプロ機の自爆ドローンも元々は通常の飛行機です。

    だから帰還して再使用するように作られているのがドローンで自爆ドローンはそれの改造、ミサイルは最初から使い捨てが前提というのが最も大きな違いと考えます。
    ただ使い捨てドローンというのも開発されており、この定義ですべて分類できるものではなさそうですが。
    超音速

  7. ここの解説がドローンと巡航ミサイルノ差異について参考になると思われます。

    https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20221024-00320745
    タンジェント

  8. 皆様、回答ありがとうございます。
    総じて、明確な定義は無い。
    ただ、慣例的にプロペラ駆動がドローンで、ジェットエンジン駆動が巡航ミサイルと呼ばれることが多い。
    と言ったところでしょうか。
    似非ハンター

  9. >8
    >ジェットエンジン駆動が巡航ミサイルと呼ばれることが多い
     5で申しましたファイアービーはジェット推進で、少し前まではドローンというと、これのことを指しました。
     Wikipediaで申し訳ないですが、 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%A1%E4%BA%BA%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F のドローンのところに
     「drone」の、語義のひとつとして「a pilotless aircraft or missile directed by remote control.(遠隔操作で指向され、操縦手の搭乗しない航空機ないし飛翔体)」とOEDにあると書いてあります。
     したがって、若干の進路変更は可能だが目標に直進するものをミサイル、リモコンもしくは自律的に動き回るものをドローンとするほうがよいように思われます。
     
    hush


Back