1747 星型エンジンの排気管について質問します
第二次世界大戦の当初は星型エンジンの排気管は複数気筒分の集合排気管がしか見かけないですが大戦後期には推力式単排気管が主流になってますね。この2種類の排気管のメリットデメリットと選択された経緯について教えてください。V型エンヂンについても言及おねがいします。
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  1. Fw190 ではエンジン冷却の助けになりますね(A-2)から。

    https://de.wikipedia.org/wiki/Datei:Focke-Wulf_Fw_190_A-1_and_A-2-A-3_comparison_profile_line_drawing.jpg
    百九

  2. 1930年あたりまで星形エンジンの排気管は単排気管だったり集合管だったりまちまちです。液冷機も同様です。
    単排気管は軽量化のため、集合管は排気口を操縦席の下か後ろに誘導し騒音を避けるためです。
    いずれも排気口は外側に向けられており、ススやオイル、熱から機体を離すようにします。
    NACAカウリングが普及すると集合管が一般的になります。
    これは排気管が外部突起物となり抵抗源なので極力少なくする考えです。
    例外的なものはポリカルポフI-16で、カウリング周囲に単排気管が分散して出ていて、排気流による冷却空気吸い出し効果を発生しています。
    1940年ごろから推力式単排気管の空冷エンジン機が出始めると思いますが、過渡的なものとして推力式集合排気管も一時期ありました。
    日本陸海軍機が使った推力式単排気管は推力「だけ」の効果ですが、Fw190AやLa—5などは前述の冷却空気吸い出し効果も得ているのは1.のとおり。
    さらに、グッドイヤーF2Gのそれは排気流で胴体側面の乱流を吹き飛ばして抵抗を減少させる効果も狙っているそうです。
    ノースアメリカンB-25はD型以降単排気管になりますが、これは消焔効果が目的です。それまでの集合排気管は夜間で排気焔が目立っていたのを対策したのです。
    まぶしいLEDライトの光を拡散レンズでやわらげる感じでしょうか。

    超音速

  3. 一時期のRRマーリンエンジンの排気管はフィッシュテールタイプというもので排気推力を得ていました。
    2気筒を集合し一旦チャンバーのような空間に溜め、縦長の排気口から排気という凝ったものです。
    効果的に排気推力を得られる物のようですが、工作が面倒だったのか、その後単純な単排気管になります。パッカードマーリンは初めから単排気管です。
    排気管の断面積を徐々に絞り排気口で40%ぐらいの面積にするとベンチュリー効果で流速が上がり効果的な推力を得られるようです。

    超音速

  4. >3.では(出口を40%くらいにする)と有りますが、
    出口を絞りすぎるとオーバーヒートを起こしやすくなるのではと思いますが?

    百九

  5. >4.ご指摘ありがとうございます。
    訂正します。60%でした。
    超音速

  6. 単排気管になって気筒個々の異常爆発を検知しやすくなった
    単排気管は排気推力のみならず集合排気管より気筒背圧が低くなってエンジンそのものの出力が上がる
    渡辺洋二 空の技術―設計・生産・戦場の最前線に立つ より

    以下は昔読んだ事ですが書名は忘れました
    単排気管は集合排気管より音が大きく耳が悪くなるほどだった
    集合排気管はスロットル操作をした時に長い炎を引くようで
    被弾損傷した僚機が基地を目前にして着陸のためスロットルを絞った時
    長く伸びた炎が漏れた燃料に引火、爆発して助からなかったと
    単排気管になって炎が短くなって引火の危険が減ったと
    ガス欠


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