1753 どうして一式陸攻は当初爆弾槽覆いが開閉式でなく交換式なんでしょうか。せっかく雷爆装を胴体内に収めても腹が開いてたら帳消しになりそうですが。
ペルシャ猫

  1. 他国が、開閉式の爆弾槽扉を実用化したのは何時なのか、
    取り分け魚雷を格納出来る長さの開閉式の爆弾槽扉は何時なのか、
    から判断すべきでせう。
    私は当時実用化出来なかったから覆で凌いだと考え〼
    にも@一言。

  2.  1930年代から降着装置に引込式が採用され始めていますので、扉の開閉も簡単なように見えますが、1式陸攻の爆弾槽は魚雷が収まるだけあって覆いが巨大です。たとえば、零戦は油圧式ですが、F4Fでも降着装置は手動式であった時代です。したがって、そのような巨大な覆いを動かせる機械が入手できたかというと疑問です。実際、TBDでも魚雷は爆弾槽に収まっていません。また、捻出できたとしても、巨大な機械は重量や強度の問題が生じます。整備の手間も増えます。
     もっとも、陸軍の97式重爆撃機が開閉折畳式の扉を持っており、1式が同じ三菱製であることを考えると、採用されなかった理由が不分明です。多分、97式のが最大限度であり、魚雷にはそれ以上の開口部が必要であったとか、設置の場所がなかったとかでしょうが、96式陸攻の吊下式では性能低下が激しかったが故の内蔵ですので、どうしても扉が必要だったのでしょう。その結果、22型の途中から設置されたわけですが、機体側面にスライドするという例をあまり見ない方式になったのは、そうしなければならない必然性があったとは思いますが、そこの考察はできていません。
     ぜひ、識者の御意見をお聞きしたいものだと思っています。
     
    hush

  3. 古い書籍からで今でも通用するか不明ですが
    「海軍陸上攻撃機 一式陸攻・九六陸攻のすべて」(サンケイ出版・横森周信氏著作)には

    「なお、この弾倉の扉は、初期の型には機構複雑になるため、偵察作戦時には整形のため取付けたが、
    爆弾や魚雷を搭載したときは扉をはずして開き放しであった。
    一式陸攻一一型の飛行写真で、よく胴体下面に大きな窪みが見えるのは、このためである。」とありますので
    多分に開発及び生産初期の技術的問題や機構複雑化を避けるための手段だと思われます。
    但し、二二型の途中から爆弾倉扉は常設(初期生産機は外されていたり居なかったり)されているので
    それらが払拭されたのでは無いでしょうか。
    陸奥屋

  4. 御三方お返事ありがとうございます。

    >1
    開閉式爆弾倉扉の各国での実用化時期や寸法については私にはまったくわからないのですが、少なくとも発注された1937年時点で国内で開閉式扉そのものは既に実用化されていたのは確かです。
    爆弾倉に魚雷を搭載できる機体としてはTBFとベンチュラまでしか遡れませんでしたが、どのみちMk.13魚雷は91式魚雷より1m以上短いので彼らでも日本の魚雷は機内に積めませんね。

    >2
    TBDの爆弾倉よくわからないですね。500ポンド爆弾1発か魚雷の尻だけが入り、2,3発目の500ポンド爆弾や1000ポンド爆弾は機外搭載です。爆弾倉というより腹がつかえるので抉ってあるだけのようにも見えます。
    とにかく「抗力源を仕舞ったのにそれで出来たでかい抗力源が放置されてる」のが釈然としません。動力化が難しかったとしても手動にすらせず(爆撃の度にハンドル回す人の腕がもげそうですが)パカパカの取り外し式にしてしまったというのがわからないし、そのあたりにちゃんと触れた資料に出会えていません。

    >3
    横森氏の本ではその前に「主脚のモータはブレーキが効かなく不都合があった」という趣旨の記述があるので関係しているかもしれませんね。
    爆弾倉扉が開閉式になったのは2065号機からだそうです。
    ペルシャ猫

  5. 開閉式爆弾倉扉は、丸メカによると4.のコメントの通り二二型の65号機からとなっています。
    しかし部隊では外してしまうことも多かったようです。
    ハンドルを手で回して開閉するもので、飛行中は完全に閉じないらしく、実際は使いづらかったのかもしれません。
    速度低下については、
    世傑の要目表によると一式陸攻一一型(脱着式覆い)の最高速度は攻撃正規で428km/h/4200m。
    一式陸上輸送機一一型(陸攻の偵察状態に相当)は445km/h/4000mです。

    兵装が外部搭載の場合はどうかというと
    SBDドーントレスの場合、世傑の要目表では、外部搭載物なしのSBD-1の最高速度は407km/4877m。
    1000lb爆弾一発搭載の場合396km/hです。

    いずれの場合も速度低下は10〜20キロであり、あまり変わらない印象です。

    超音速

  6. >3、5
     フォロー多謝。
     3で紹介された本に出てくる「気をゆるしたハマグリのように」少しずつ口を開いてしまいというのは、そのことだったのですね。
     
    hush

  7. 単純な外開き扉のランカスター
    https://thehangarmuseum.ca/sites/default/files/styles/gallery_row_image/public/2021-02/WHITT_DOC190829_5791a%20copy.jpg

    開状態で扉が胴体にフィットした九九双軽
    https://m.ww2db.com/images/air_ki48_23.jpg
    https://i.imgur.com/5EB75xQ.jpg

    安定/操縦特性の変化が小さく、爆撃照準の微妙な修正/応答を得るための工夫です
    ガス欠

  8. ドクトリンでの中攻の役割は艦隊決戦の際の敵艦攻撃ですから、
    要求を満たせる開閉式爆弾槽扉が出来ないのなら
    敢えて投棄式爆弾槽扉を選んだというのは在ると思います。
    にも@二言。

  9. 訂正〉敢えて投棄前提で帰路には爆弾槽剥き出しの爆弾槽覆
    にも@三言。

  10. >7
     https://m.ww2db.com/images/air_ki48_23.jpgは403 Forbidden errorと出て見られなかったのですが、 https://ww2db.com/image.php?image_id=12329 の画像ですね。
     その理屈だと納得がいきます。
     ありがとうございます。
     
    hush

  11. 1630番に同じような質問がありますよ
    ぐんまたろう

  12. >11
     ありがとうございます。
     
    hush


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