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いつも興味深く拝見させていただいております。 キ61、キ100関連で、主翼の胴翼取付部について質問させてください。 三式戦闘機について調べていると、主翼と胴体の取り付け位置をある程度前後に調整できる構造だと自分は認識しています。 気になっているのは、実際に改良型の開発時に重心位置が変化した際、バラストの搭載を行っている事です。 具体的には、 3式戦闘機の一型丁において機首武装強化と暴発対策関連で重心位置が前進したので、その対策として主翼位置を4p前進させるとともに機体後部にバラストを積載したり、 5式戦に発展する際に発動機換装に伴う重心位置の後退により、バランス調整のため搭載されていた胴体後部バラストも撤去することとなり軽量化したあたりです。 この流れで思っていたことなのですが、 主翼の取り付け位置の前進を4p程度ではなく、どうせやるならもっと前進させれば、性能低下を招くバラストを積む必要は無いように思えてきます。 それをしなかったのは何故でしょう。 過去ログによれば、バラストの増加を「他の機種よりはある程度押さえることが出来る」と書いてあるように、調整範囲の限界を超えていたのでしょうか。 それとも、三式戦一型丁は暫定的な武装強化機として生産を急いだということで、軽微な変更で早急実用化させるための妥協的措置でしょうか。 どうぞよろしくお願いいたします。 みいつ |
- 丸メカの操縦系の図解を見ますと、主翼を移動すると補助翼操作系とおそらくフラップ作動系に影響が出ます。
それらの設計製造の変更をしなくて済むのが4pまでで、あとはバラストで補正する事になったと思います。
質問に有ります(調整範囲の限界)が4pだったのでしょう。
全長の変化の側面図
https://ww2aircraft.net/forum/attachments/ki61_extended-jpg.201858/
下記でいくつかの図が見れます。
https://ww2aircraft.net/forum/threads/kawasaki-ki-61-hien.32783/
https://ww2aircraft.net/forum/threads/kawasaki-ki-61-hien-tony-and-or-kawasaki-ki-100-pictures.19312/
百九
- 追加です。
https://ww2aircraft.net/forum/threads/kawasaki-ki-61-hien-tony-and-or-kawasaki-ki-100-pictures.19312/
上記を少し下がると(ki61.zip)が有ります、これが丸メカのコピーです。
最初の(33.jpg)が操縦系の図に成ります。
百九
- 図とともにお示しいただき、どうもありがとうございます。非常に興味深いです。
なるほど、もしかすると構造設計的にはもっと主翼の位置を調整できるのかもしれませんが、補助翼へとつながるロッドが限界いっぱいまで前に来ているように見えますから、これより先は中身をそこそこ弄らないと操縦系統に干渉する事が避けられませんね。
フラップにしても、胴体側から油圧作動筒を介してトルクチューブを支持しているので、これも胴翼の位置関係が変わるとそのままでは収まらなくなるかもしれないし、フィレットの形状も変わりそうで変更点が多くなるかもしれませんね。
とても参考になりました。
みいつ
- 一型丁の重量増加の内容について確認が必要と思います。
一型丁は昭和18年11月ごろに20mm装備の要請があり改修に着手されました。
機首を20cmほど延長し主翼取り付け位置を前進するなどの改造で、19年1月に1号機が完成。
結構な大改修だったようです。
なお、この時点では暴発対策は想定外だと思います。ホ5が前線で使われ始め、暴発問題が出てくるのが19年ごろだからです。
したがって一型丁の完成当初には尾部バラストはなく、後になって暴発対策で砲溝への鋼板追加にともない尾部バラストが搭載されたと思います。世傑もそのような書き方です。
一型丁は自重250kg増加ですが、暴発対策以外に防弾の強化や燃料タンクの拡大も含まれているので機首の延長だけならそれほどの増加ではなかったと思います。
超音速
- 超音速様
機体の型式が同じでも時期によって装備が異なるというのはよくある事ですが、その件は知りませんでした。
どうもありがとうございます。
みいつ