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九九式艦上爆撃機の爆弾搭載量は250kg×1、60kg×2と同時期の米海軍の急降下爆撃機 SBCヘルダイバー、SB2Uヴィンディケーター、SBDドーントレス達と比べると見劣りしますが、これはエンジンスペックや機体強度のバランスを取ったせいなのか?それとも帝国海軍が航空攻撃のメインは雷撃だから搭載量に関して要求しなかったのか?それとも他の理由があったのでしょうか?それと搭載量に関して現場からクレームとかは出てたのでしょうか? まさのり |
- SBDドーントレスなどでも、九九艦爆と航続力の条件を揃えると、500lbs爆弾装備になります。
搭載量とは、爆弾+燃料(+その他)の合計であるわけです。
片
- 空母の飛行甲板は脆弱で小型爆弾であっても穴が開いて発着能力を失ってしまいます。
日本海軍が艦爆に求めた任務は、敵空母の飛行甲板に穴を開けることでした。
爆弾は250キロでいいが命中精度が重視され、九九艦爆(十一試艦爆)に要求された急降下終端速度は370km/hでした(当初の要求は445km/hだったがより下げられた)。
なるべく目標に近づいてから投下・引き起こしできるよう低速での急降下性能が求められたわけです。
そのため機体はあまり重くできなかったのです。
対して米海軍は急降下爆撃で戦艦をも沈めるつもりでした。
そのためSBDドーントレスの爆弾架は1600ポンド徹甲爆弾まで搭載可能です。
要求された急降下終端速度は460km/hなので投弾高度は高くなり命中精度は低下するものの、大型爆弾であれば至近弾でも浸水させることができます。
爆弾搭載量の増加要求はあったと思います。
彗星(十三試艦爆)には装甲空母の出現を見越して500キロ爆弾搭載が要求されました。
九九艦爆も二二型で翼下の小型爆弾架は4つに増加しています。
超音速
- 片さん、超音速さん回答ありがとうございます。爆撃対象が違うと投下高度、急降下速度が違って来るのですね。あと航続距離との兼ね合いとか…
Ju87の急降下爆撃が、かなりの角度で低高度迄降下するのは、命中率を取ったのですね。
まさのり
- 発動機の出力、軍人の要求仕様(Juは、地上攻撃が主だと思います)等を無視して爆弾搭載量等を比べても、あまり意味がないと思われますが。
UK
- だから、「エンジン出力の差が大きいです」とか「そもそも軍に要求された仕様が異なります」とか そういう事を質問者さんは教えて欲しいのではないでしょうか。
かめ
- >4.発動機の出力
九九艦爆一一型(D3A1)とSBD-3ドーントレスのエンジン出力は全く同じです。
金星44型は離昇出力1000hp、ライト・サイクロンR-1820-52も同じく1000hpです。
質問者のまさのりさんは当然認識したうえで質問されていると解釈しています。
重量を比較すると、D3A1は250キロ爆装・機内燃料満載(1000L)の過荷重で約4トン、SBD-3は同じく500lb爆装・機内燃料満載(984L)で4.5トンです。
この状態での航続距離は両機とも約2300kmで同等です。
翼面積はそれぞれ約35m^2と30m^2なので、翼面荷重も馬力荷重も重いSBD-3は発艦性能が気になりますが、風速25ktで128mだそうです。
フラップの面積がD3A1より大きいので離着艦性能は確保できているのだろうと思います。
超音速
- 九九式艦爆の航続距離について、一般的に出回っている諸元では一一型1,472 km二二型1,050 kmとなっています。
6.で述べた約2,300kmというのは、機内燃料満載・最適経済速度(平均210km/hぐらい)での最大航続距離という数字です。巡航速度を速めにすれば相応に航続距離は減少します。
2.に書いた理由により正規全備は3,650kgという軽めの重量になってますが、この重量内で爆装すると燃料は3分の2程しか積めません。従って諸元表では1,472 kmという航続距離になるのです。
二二型は燃料タンク容量が1,079Lに増えているのに航続距離が1,050kmと減少しているのは、巡航速度をかなり速めにした結果だと思います。
最適経済速度の210km/h程度では実戦に即していませんから。
超音速