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報道等でみる慣用句で「観測気球(を上げる)」というのがあります 仏ballon d'essai、英observation balloon から来ているようですが、気球から/気球で観測するというより気球を見せて相手の反応を引き出すというように使われます 実際の観測気球はそのように使われていたのでしょうか? よろしくお願いいたします 月次 |
- 御質問にもありますように、もとはフランス語のballon d'essaiバロンデッセで、気象観測用の気球のことでした。それが https://fr.wiktionary.org/wiki/ballon_d%E2%80%99essai の2にありますように、世間の需要を確かめるために試験的に書かれた小品のことを呼ぶようになって、現在のような意味になったようです。この語は1930年代に英訳されてobservation balloonとして使われるようになったようです。
揚げるという表現が使われるようになったのは、日本でballon d'essaiをアドバルーン(advertising balloonからの造語で広告気球)と一緒にしたからではないかと推測しています。アドバルーンは1910年代から広告用に使用されており、まさしく見られるための存在だからです。そして、私の検索が悪いせいかもしれませんが、観測気球を揚げるに該当するような英語やフランス語の用例があまり見つからないからです。
モンゴルフィエ、レオン・ガンベッタとフランス人にとって気球は馴染みのあるものですので、それが洒落た用法として使われたのは容易に想像がつきます。しかし、日本の文壇でそのようなものを作る余裕はないように思いますので、恐らくは新聞用語として入ってきたものではないかと思います。そして、日本では1930年代の終わりから軍用に使えるということでアドバルーンの使用が制限され、禁止に至っていますので、observationを直訳して観測気球としたが、アドバルーンからの類推で揚げるとしたのではないでしょうか。
hush
- hush様、ありがとうございます
元々風を見る気象観測用の自由気球だったものが日本では繋留式のアドバルーンと混淆ごっちゃになり用語として観測気球,アドバルーン双方残っている(軍用観測気球が囮的に使われた例からきているわけではない)ということですね
月次
- 蛇足ですが、
>>1 のリンク先にもあるように、対訳は observation balloon よりも Trial balloon が適切かと思いました。↓のお話しなんかも興味深いですが、
https://www.historicalindex.org/what-is-a-trial-balloon.htm
Wikipediaでは以下の記載があります。裏は取っていません。
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Trial balloon translates French ballon d'essai, which was a small balloon sent up immediately before a manned ascent to determine the direction and tendency of winds.[3]
風の方向や傾向を調べるために有人上昇の直前に上げる小さな気球
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Trial_balloon
太助
- >3
フォロー多謝。
hush
- p.s.世論は風とか、政界で解散風とかいいますね。
太助