1800 五式水偵零観二式水戦など単フロートの水上機は地上や艦上で整備保管する場合専用台車が必要だと思いますが台車が足りないあるいは無い場合はあり合わせの木材で作成した台座などを使ったようですが緊急の場合例えば他艦の水偵を回収した場合斜めのまま保管とかになるのでしょうか?

my

  1.  それはレア・ケースでしょうから、規定はないと思われます。実際にあったとしたら、その辺のもので何とかしたとは思いますが。
     また、旧日本海軍の場合、兵器のほうが人員より貴重だったようですので、斜めで保管はないでしょう。
     
    hush

  2.  関連質問です。ここに出てくる水上機のフロートの材料はなんでしょうか。木製でしょうか軽合金製でしょうか。また、水密を確保するための組み立て方法はどのようになっているのでしょうか。木製の場合は表面に布を巻き付けてから塗料をかけてるような気がするのですが。
    電気戦艦

  3. >2
     設問の五式水偵は95式水上偵察機のことだとしたら木金混製骨組み、零観、2式水戦は全金属モノコック製となっています。 http://www.warbirds.jp/ansq/1/A2000387.html に「基本的に機体と同様の構造で、金属モノコックが普通ですが、古い機体では木製も当然あります」とのことですので、軽合金製であろうと思います(96式小型水上機は金属製フロートだそうです)。
     
    hush

  4. hush様 どうもありがとうございました。材料のことはよくわかりました。さらに私の関心は外板相互の水密維持にあります。フロートが木造ならそれは木造船ですから外部からコーキング(外板の継ぎ目に古ロープをほぐしたものなど繊維的なものを打ち込むこと)をやったでしょう。軽金属の時は継ぎ目をどのように処理したのでしょう。何かシーリング剤を合わせ目に塗っていたのでしょうか。これは飛行艇の時も同じ課題だと思います。
    電気戦艦

  5. 世傑184二式飛行艇より抜粋
    「なお艇底面の鋲頭部は耐食性と水密のため絹の薄布を接着し、上から二回塗装されている。
    二式飛行艇の艇体外板は(中略)外板を接合する重なり部は、水密塗料を二時間おきに2〜3回塗り、適当な換装時期を狙ってリベットを打つ。」
    「外板重なり部に布テープを使用しては?という案もあったが『不純物の装入まかりならぬ』と一蹴されてしまった。(中略)対策として底板ラップ(繋ぎ部分)の外面から布テープを貼り水密の補いとした。」
    「海上係留で運用していた二式飛行艇は一晩にドラム缶2本分のビルジ(溜水)が溜まる。」


    「知られざる軍用機開発」木製飛行艇蒼空の章より抜粋
    「艇体は桁助骨に硬化積層材、一般助骨に普通積層材、およびヒノキ単材を用い、外板は主翼と同じヒノキ合板を用いた。また喫水線以下の部分には、特にセルロイド合板を外張りして防水・防虫の役をさせた。接着剤は主として常温硬化石炭酸樹脂接着剤を用い、耐水性の完全を期した。」

    超音速

  6. 訂正
    換装時期→乾燥時期
    超音速

  7. 超音速様  詳しい情報ありがとうございました。飛行艇の底部分は今まで考えたことなかったので、これは重要なことであると今更ながら気づきました。二式大艇の担当者も苦労されたようです。軽合金を使用する以上リベット接合になり、重ね継手、リベット孔周辺からの水を完全にシャットすることは不可能です。侵入する水の量が一定以下ならそれを当然と受け止めるのも一つの方法とも思います。
     新明和で作っているU2はどのようになっているのでしょうね。
    電気戦艦

  8. >7
    >軽合金を使用する以上リベット接合になり
     専門外の領域ですので間違っているかもしれませんが、 https://www.sanpo-pub.co.jp/library/history/post_407.html の溶接の歴史を見ておりますと、1930年代後半から軽金属の溶接の研究が始まっており、戦時中にはできるようになっていたようです。これがどの程度まで広まっていたのかは存じませんが、U2のような戦後の機体では溶接ではないでしょうか。
     
    hush

  9. hush様 >8
     ありがとうございました。アルミニウムおよびその合金の溶接は重要な課題であり、かなり進んでいるというニュースも見たことがあります。U2にどの程度使われているのかは興味あります。今後調べたいと思っております。
    電気戦艦

  10. >9
     鄭重な御礼を賜り恐縮至極。
     ところで、すでに御覧になられているかもしれませんが https://www.jstage.jst.go.jp/article/jilm1951/35/10/35_10_597/_pdf に「軟鋼のリベットで接合して、リベット頭をアルミニウム帯を溶接被覆している」とあり、燃料タンクの漏洩防止や水密構造の保持に役立ちそうです。
     また http://www.warbirds.jp/ansq/11/A2002288.html には「震電の主翼もスポット溶接を用いていたそうです」とあります。
     
    hush

  11. hush様  >10
     興味深いもの紹介いただきありがとうございました。第一の報告で Fig.1 のアルミと鋼板の締結方よくできています。第二の報告も多くの内容を含んでおり、役に立ちました。
     話は少し飛びますが、戦後鋼製船体の上に軽金属製の上部構造物を置くことが流行ったことがありましたが、海水がかかるところで異種金属を接続することに苦労しているようでした。
    電気戦艦


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