1802 ボブウエイトについて教えてください。
下記の様に重心は、多く見てMAC 15%から35%に設計されます。

https://airmanship.jp/images/wb_cglim.jpg
https://airmanship.jp/airplane_wb.html

しかし重心が後方によりすぎると不安定に成る為に、
たとえば P51はD型からボブウエイトを取り付けて操縦性を向上させています。
(専門的な事は理解していませんが)

そして下記は消滅したサイトからで申し訳ありませんが、
<明らかに、ドイツの戦闘機はソ連の専門家の航空機設計に対する見方を変えた。
以前は、縦方向の安定性にわずかな余裕があれば高い運動性が保証されると考えられていたが、Bf109Aはその逆だった。
例えば、I-16では、MAC 27.5-34%のアライメントにおいて、水平翼の相対的な面積は翼面積の18.8%であった。
Bf109Aの14-22%のアライメントでは、このパラメータは13.7%を超えなかったが、水平面での操縦性はI-16よりも優れていた。
ソ連の戦闘機は厳格な操縦技術を特徴としていた。安定性が低いため水平飛行でもすぐにパイロットを「疲弊」させ、離陸時や特に着陸時には細心の注意が必要だった。>

@Bf109は最初からボブウエイトを取り付けていますが、重心は前方に有るようですが効果は同じという事でしょうか?

A上記から考えて、I-16にボブウエイトを取り付ければ操縦性は向上するでしょうか?

百九

  1. 飛行機の安定と操縦性(内藤一郎 酣燈社)によると
    ボブウエイトとは昇降舵の操縦系統に取り付けられ、操縦桿を前傾させるオモリで
    重心が後退するにつれて失われる「舵感」を改善する機能を持ちます。
    直接的に操縦性を良くするものではありませんが
    微妙な速度(→姿勢)変化を「舵感」にて瞬時に伝え、操縦者が対処しやすくなります

    胴体タンク残量にデリケートなP51では別の効能もあったようですが特例だと思います
    http://www.warbirds.jp/ansq/1/A2000661.html

    消滅サイトについては
    主翼と水平尾翼の面積比率だけを見比べているようですが
    主翼と水平尾翼がどれだけ離れているかという視点が欠落しています
    (テイルモーメントアーム、主翼の空力平均翼弦の25%位置から水平尾翼の同25%位置までの距離を主翼の平均翼弦長で割る)

    またBf109Aの重心位置も14-22%は前過ぎだと思われます
    飛行力学の実際(内藤子生 日本航空技術協会)には
    人力操舵において重心位置26%以前の場合「曲技の舵重過ぎ」の記述があり
    同22%以前では主翼が最大揚力係数を発揮する迎角を取れなくなり
    さらに着陸時の地面効果(水平尾翼)で引き起こしできずに突っ込む危険があるそうです
    ただ水平安定板の角度を変えてトリムを取るなら限界が伸びるのかもしれません

    Bf109Eは斜め支柱があるにもかかわらず水平安定板を可変化している事に驚きます
    ガス欠

  2. ガス欠さん、有難うございます。

    検索で以下が見つかりました、下記は E型です。
    下記の中で CAX は MAC のロシア語です。
    26.55% は悪くない数字ではないでしょうか、ただ比較的に前方に寄り易いのかも知れませんが。
    https://ww2aircraft.net/forum/attachments/109e3_10-jpg.412918/
    https://ww2aircraft.net/forum/threads/109-center-of-gravity-and.25813/

    水平安定板の可動について
    メッサーシュミットの義兄のマデラング(航空技術を研究している)から現在で言う(フライングテール)のアイデアを教わり
    M29 で最初に取り入れましたが尾部の強度が不足して欠陥機になってしまいました。
    その後 Bf108 の設計において国際旅行機競技会の審査基準が厳しいので主翼後縁を全てフラップにしています、
    そして縦のトリムのために水平安定板の可動を採用したのだと思います。
    百九

  3. ちょっと単純化し過ぎたので補足します
    実際にはボブウェイトの重量だけで機能するわけではなく
    その分の前傾を打ち消すトリムタブ調整がセットで必要だそうで
    「舵感曲線」がゼロに近付く時(重心位置の後退により)浅く寝た線を深く起こす働きをすると書かれています

    質問にあるURLで前方の重心限界15ー20%と前寄りなのは恐らく
    曲技飛行しない非人力操縦の機体を含む数字かと思います
    水平安定板の角度を変えるのもアシストのひとつですね

    その他、脚の出し入れによる重心の移動方向や(P40、A-10)
    フラップの種類(後方にせり出すファウラー、ダブルスロテッド)
    重心に対するフラップ位置の遠近(先細比の大小、後退角)
    なども許容限界に影響すると思います
    ガス欠

  4. ガス欠さん、有難うございます。

    下記がソ連で調査されたA型です。
    https://www.asisbiz.com/il2/Bf-109D/Condor/pages/Messerschmitt-Bf-109A-2.J88-Condor-Legion-6x15-Otto-Polenz-Bujaraloz-Spain-1937-03.html
    百九

  5. 下記のE型の(19.9-28.8%)から考えて(14-22%)は調べなおさないといけませんね。
    https://ww2aircraft.net/forum/attachments/109e3_10-jpg.412918/
    百九


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