1855 |
デルタ翼機に関してです。195〜60年代に制式採用になったデルタ翼機の殆どは尾翼無しですが、Mig-21/Su-9、A-4スカイホーク、グロスタージャベリンは尾翼付きデルタ翼です。Mig-21/Su-9は後退翼と比較してデルタ翼にしてます。尾翼付きデルタ翼にするメリットというか、どうして後退翼よりデルタ翼が選ばれたのでしょうか? A-4スカイホークは、翼の折り畳み機構無しで空母のエレベーターに載せるというのと爆弾、ミサイル、燃料タンクを機外搭載するためのスペース、剛性確保かなぁと考えてみましたが。 まさのり |
- 「尾翼付きデルタ翼にするメリット」で検索をかけるといろいろ出てきます。たとえば、その中の https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%86%E5%9E%8B には「無尾翼デルタ翼は、離着陸性能に劣るのが最大の欠点であった。尾翼つきデルタ翼とすればその短所は回避できる」とあります。航空機のことなど何も存じませんが、他のページを見ても同様のことは書かれているようです。
なお、尾翼無しに回帰しているのはステルス性の向上のためのようです。
hush
- hushさんありがとうございます。艦載機のスカイホークは離着陸性能の向上と言うのは分かりました。
後退翼型とデルタ翼型の試作機を作り比較検討したMig-21/Su-9は「空気抵抗が小さく翼面積が大きく取れる」デルタ翼のメリットを選んだということでしょうか?
まさのり
- 世傑MiG-21によりますと、
後退翼のYe-2とデルタ翼のYe-4が試作され、後退翼機のほうが高速を発揮し、こちらが採用されてもおかしくなかったが、デルタ翼機のほうが旋回半径は小さくロール性も高かったのと、構造的に約200kgも軽く作れたのが決め手だったそうです。
同じく世傑A-4スカイホークによりますと、
後退翼機のFJ-4Bフューリーと採用を争ったが性能的には甲乙つけがたく、リスク回避の判断で両方生産されました。
スカイホーク(当時はA4D)のほうがFJ-4Bより小型なので空母搭載に有利だったのと、安価に生産できたので、FJ-4Bは222機で生産を打ち切られました。
なお、無尾翼デルタは離着陸性能が悪いという定説になってますが、ダグラスF4Dスカイレイという艦上戦闘機があります。
後継機としてF5Dスカイランサーも開発され、ヴォートF8Uと採用を争ったときには性能で勝っていましたが、ヴォート社救済という政治的理由で不採用となりました。
MiG-21も無尾翼デルタのMiG-21Iが1968年に作られており、Tu-144の翼型をテストする実験機でしたが、従来より高い運動性を発揮したため戦闘機として生産しようという意見もあったほどです。
超音速
- 超音速さん、ありがとうございます。スカイホークは色々な要素を検討してのデルタ翼採用ですね。
しかしダグラス社のスカイホーク、スカイレイ、スカイランサーのデルタ翼って、当時のコンベア F-102/106、ミラージュIII達のようなピュアデルタと比べると翼端が独特な形状をしてるのは意味があるのでしょうか?
まさのり
- 切り落としデルタ翼ですね。クリップトデルタ(Clipped Delta)またはクロップドデルタ(Cropped Delta)とも呼ばれます。
デルタ翼の翼端部分は揚力を生んでおらず不要だとして切り取ったものです。
翼端失速傾向を多少やわらげる効果もあります。
切り取ってできた角の部分を丸めたのがダグラスのデルタ翼平面形です。グロスター・ジャベリンも似た翼端形状ですね。
発想は早くからあり、スカイレイは1951年初飛行です。
ダグラスは戦前から無尾翼機を研究していて、終戦でドイツから入手したデルタ翼のデータと自社の研究を合わせてできたのが切り落としデルタ翼で、スカイレイの初期設計案D-571からすでにこの翼形状です。
米国内でも当初は切り落とすのが有効なのかどうか議論があったようで、コンベア機(B-58・F-102/106)は切り落とさないデルタ翼です。
コンベアXF-92試作機が一応の成功を収めたのでそのまま踏襲していったものです。
ミラージュIIIは英国のフェアリー・デルタ2を参考にした形状です。
現代のデルタ翼戦闘機はほぼすべて切り落としデルタですね。
超音速
- 超音速さんありがとうございます。ダグラスがそんな前からデルタ翼の研究をしてるとは…やっぱりノースロップと一緒に仕事をしてたからかな。
まさのり