1871 https://youtu.be/WQFxO4OAI1I?si=3SaLAcdTGaFzYB8r
これは、80年代にハリアーを取り上げたドキュメンタリー番組です。この番組でも最後の方で触れてますが
どうしてF35B登場までの期間、ハリアーの方式偏向ノズル方式のV/STOL機体は開発されなかったのでしょうか?ハリアー/AV8Bがあれば充分ということなのか?それとも米英以外では特許の関係とかで開発出来なかったのでしょうか?
まさのり

  1.  「ハリアー/AV8Bがあれば充分ということ」でしょう。というのは、ハリアーという飛行機はペイロードの少なさと、航続距離の短さが大きな問題でしたが、AV8Bで随分改善されています。しかし、あの機体を欲しがる国のほとんどが軽空母、もしくは、それに準ずる艦の所有国です。したがって、需要は限られますし、ペガサス・エンジンの発展にも限界があります(BS.100という開発中止になった改良型はありましたが、開発中止になっています)。
     特許はあり得る話ですが、方式偏向ノズル方式では音速を超えられないという判断ではないかなと思います。

    hush

  2. 西ドイツでVFW VAK 191BというVTOL攻撃機が1970年に初飛行しました。
    ロールス・ロイス/MTU RB.193-12推力偏向エンジンに、リフトジェット2基を追加する方式です。
    最大マッハ1.2〜1.4が可能とされましたが、NATOの方針変更により試作3機で終わりました。

    超音速

  3. >2
     知りませんでした。

    hush

  4. hushさん、超音速さんありがとうございます。
    https://ja.m.wikipedia.org/wiki/VFW_VAK_191B
    wiki日本語版を見てもハリアーの方が使い勝手が良さそうです。
    まさのり

  5. 他に推力偏向方式のVTOL機としては、ドルニエDo31輸送機があります。
    RRペガサスエンジン2基と翼端のリフトジェットを使う方式で、1967年に初飛行しましたが、試作3機に終わりました。

    超音速

  6. 1960年前後に各国で流行したVTOL戦闘機は、飛行場が破壊されても使える航空戦力、ひいては核投射手段が目的でした。
    1960年初飛行のP.1127ケストレル(ハリアーの原型)はあくまでも過度的なもので、各国が目指したのはマッハ2級のVTOL戦闘機です。
    1961年にNATOがVTOL戦闘機の要求仕様を発表し、これに応募するため開発開始したのがホーカーシドレーP.1154(1.で紹介されたBS.100エンジンを使用)とダッソー・ミラージュIIIVです。
    ダッソーは実験機バルザック(1962年初飛行)を経てミラージュIIIVの開発に臨みましたが、リフトジェットを8基使う複雑なもので、単発のP.1154の方が明らかに実用性が高く、両機とも開発中でしたがNATOはP.1154を採用しました。
    しかし英国労働党政権の軍事費削減によってP.1154は開発中止。そのためNATOのVTOL戦闘機計画も終了しました。
    つまりBS.100エンジンとP.1154は技術的理由ではなく政治判断で中止されたのです。
    代替としてケストレルがハリアーとして実用化されました。
    ミラージュIIIVは開発続行し1966年にマッハ2を達成しましたが、試作機2機が墜落し開発中止となりました。

    いっぽう西独ではティルトジェット方式のEWR VJ 101実験機が1963年初飛行し、初のマッハ1超えVTOL機となりましたが、戦闘機としての実用化は断念。
    そこで計画中止されたBS.100エンジンの技術に目を付け、ロールスロイスとMANターボ社が共同開発したのがRB.193-12エンジンで、これを搭載するのが2.で述べたVFW VAK 191Bです。
    先に述べたNATOの方針変更というのは、やはりVTOL機はコスト高のわりにペイロード/レンジが小さいため、STOL機のほうが実用的という判断です。
    この方針変更で開発されたのがパナビア・トーネードというわけです。

    超音速

  7. 超音速さんありがとうございました。
    まさのり


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