267 潜水艦の対地速度計の運用/原理について教えてください。
1)そもそも潜水艦に対地速度計が積まれているのか。
2)Doppler Velocity Log という名称からして、音波のドップラーシフトを観測するのか。
もしそうなら、音波の照射方向は、海底(下方向)か、海岸(横方向)か
3)対地速度計は常時運用しているのか、潜水時もしくは、反対に、浮上時や寄港時などに限定されるのか

よろしくお願いします。
太助

  1. 呼び水というか、僅かな記憶なのですが・・・
    クランシーの作品(確か、「レッド・オクトーバーを追え」)の中に、艦体キール内に加速度計があって、それで積算して対地位置情報を・・・という記述があったと思います。

    あと、こんな特許のページも検索でひっかかります。ジャイロや加速度計がキーワードのようですね。
    http://www.ekouhou.net/disp-fterm-2F129AA15.html

    TOSHI!!

  2. >1
    ご質問の対地速度計は、慣性装置(ジャイロ+加速度計)とは別物ですね。
    慣性装置を使えば、加速度の積分から速度、位置が割り出せますが、
    時間が立つほど、原理的に誤差が非常に大きくなります。
    なので、精度が要求される場合は、普通別の計測手段をもちます。
    電波高度計や、GPSなどです。

    ご質問について
    1)潜水艦の対地速度計の必要性は私には分かりませんが、、
      航空機の表示速度は、対気速度、パイロットも対地速度はあまり
      気にしてません。
      位置は慣性装置やGPS、TACANなどから算出しているようです。
      
    2)音波のドップラーシフトを利用して速度を測るなら、海底方向しか
      ありえないでしょう。水平方向では反射させる相手が遠すぎます。

    3)音波を出すわけですから常時出してることは考えにくいです。
      その音で見つかってしまいます。
      



    taka

  3.  潜航体の対地速度計測システムの一例です。
    2.2航法システムに載っています。
    ttp://www.lib.uec.ac.jp/mylimedio/dlimage/image?issueid=330089&tocid=100729673&pageseq=2&style=inline



  4. 1)冷戦終了後の現在では、GPSなど衛星や地上施設に頼ることができる建前になっていますので、対地速度の計測は、GPSログが主のようです。特に浮上航行中は民生のGPSログが多用されているようです。それにドップラログも併用されているのでしょう。安全海域(相手によると思いますが)での潜航中は、INSとドップラログを主に使うことになるでしょう。

    2)もちろん潜水艦もフネの一種ですので、対水速度の検出には、電磁ログが主に使われているはずです。

    3)SSBNのように、敵の攻撃により使い物にならなくなってしまったかもしれない衛星や地上施設に全く頼ることなく、自分の位置や対地速度をきわめて精密に検出するためには、重力偏差計が一番信頼されていて、大いに活用されているようです。
    豪腕少年タイフーン

  5. 回答ありがとうございます。

    なるほど、重力偏差計ですか。
    これは地図を作るのが厄介そうですが、そこをクリアできれば良いですね。最近は民生品もあるらしいですし。

    それ以外の方法はTOSHI!!さんの言及された加速度計の積算ですか。蓄積した誤差はGPSとDVLで時折リセットするんですね、たぶん。
    太助

  6. 蛇足で申し訳ございません。
    Robin E. Bell氏によると「トム・クランシーの小説に出てくる潜水艦『レッド・オクトーバー』は完全なフィクションで・・・」とされています。特にクランシー氏の初期の小説はデタラメばかりとされておりますので、アンスクに引用されるのは御遠慮された方がよいかと愚考いたします。

    ちなみに、本職のサブマリナーの連中の間では、公表できることはできるだけ正確に描写した上で、機密事項に関してはまことしやかなウソ八百をならべて、それらの間をできるだけ自然にわからないように無理なくつないだ書籍が、高い評価を得ているようです。素人にはバレないようにうまくデタラメを書くテクニックが評価されているみたいです。
    豪腕少年タイフーン

  7. >6.
    失礼ながら、
    >クランシー氏の初期の小説はデタラメばかりとされておりますので
    >素人にはバレないようにうまくデタラメを書くテクニックが評価されているみたいです
     それを貴殿は一つ一つ証明できるのですか? もしできるならそれを本筆問内容について書き込んでいただければよいことですし、逆に出来ないなら軽率にそのようなことは書かない方がよろしいかと。 老婆心ながら。
    艦船ファン

  8. >7.
    自己訂正レスです m(_ _)m
    本筆問内容 → 本質問内容
    艦船ファン

  9. 艦船ファンさま、貴重なアドバイスを賜り、誠に有難うございます。

    私は単に、Scientific American Magazine誌の記載を引用しただけですので、旧ソビエト海軍や米国海軍の機密事項について、デタラメが記載されているのか、本当の真相が暴露されているのかなど、民間人には証明できるわけがないのは明らかだと存じます。もちろん本職なら罰せられるでしょう。

    クランシー氏の書物には、その後に公開された資料もありますので、素人からみても明らかに間違っているとはっきりわかる記載が少なくありません。いちいち上げなくても(少なくともサブマリナーのサイトなどでは)有名な話です。クランシー氏には海軍軍人の親友も多いようですし、実際に米国潜水艦の体検搭乗なども何度もされているようです。民間人と軍人の間の真の友情と、機密事項の秘守とは、特に両立できないことなのではないのだと愚考しております。

    だだし、本職のサブマリナーのサイトの書評やカキコをながめていると、「真実の正確な描写と、機密事項に関してのフィクション(デタラメ?)との自然な融合やバランスが抜群!」との称賛をよく目にすることは事実だと存じます。
    豪腕少年タイフーン

  10. >9.
    >フィクション(デタラメ?)
     フィクションとデタラメとは意味が全く異なりますが? 小説なら当然フィクションがあっても然りです。 それが小説というものなのですから。 しかしそのことを“デタラメ”とは言いませんが? フィクションである記述を引用しての回答に対して言及されるのであるならば、それがフィクションであることを根拠を付してご指摘なさればよいのであって、十把一絡げに“デタラメ”と言われるのはいかがなものかと。 雑誌の記述を引用したからといって、それは言い訳にはなりませんよ。
    艦船ファン

  11. 艦船ファンさま、何度も貴重なレスを賜り、誠に有難うございます。そろそろこの辺で終了したいのですが、最後に少しだけ御容赦ください。

    私は、けっして「十把一絡げに」フィクション=デタラメだと申し上げているわけではありません。小説はフィクションですので、艦長名や艦名が事実とことなっていても、けっしてそんなことは「デタラメ」だと申し上げるつもりは全くございません。(私も小説の中で潜水艦長に任じられた名誉を受けたことがあります)

    しかしながら、私は小説であろうが、ノンフィクションであろうが、こと「機密事項」にかぎっては、当局から正式に公開が許可されていないかぎり、「真実とはことなる」、つまり「ウソ」ないし「デタラメ」しか記載されていないはずだと申しあげているだけです。たとえ一般的に広く周知の事実であっても、秘密を守る宣誓をした上は、現職でも退役軍人でも、守秘義務が一生ついてまわるわけです。ですから、「機密事項」に関する事項のみに関しましては、フィクションを安易にアンスクに引用するのはいかがかと申し上げただけです。ちなみに米国海軍では、サブマリン・オペレーションは、原則的にすべて機密事項であることは御存じのとおりです。

    少し前に、ロス級潜水艦のフライトI・II・IIIの見分け方のカキコをして、元米国海軍関係者より強く叱責されたことを白状したことがありましたが、米軍よりも海自の方が、機密にされている事項は、より広範囲なようです。アナポリスの応用有機化学教室のサイトに、講義録のPDFまで公開されているのにもかかわらず、海自OBなら、その物質名を言及することだけでも守秘義務に抵触するようです。

    しかしながら、冷戦終結後は、以前のトップシークレットが、徐々に公開されるようになってきております。何年か前のSmithsonian Magazine誌に、TASSについての詳細な記事が掲載され、こんなことまで許されるようになったのか?と、話題になったことがありました。
    豪腕少年タイフーン

  12. >11.
    私の理解力と文筆力がないのでしょうね。 申し訳ありませんが、どうも私が言うことが通じないようですし、それに貴殿の>9.も>11.も何を仰りたいのか判りませんので、当方もこれで最後とさせていただきます。

    要するに機密事項が書けるとか知り得るとかの話しをしているのではありません。 貴殿が>6.で
    >クランシー氏の初期の小説はデタラメばかりとされておりますので
    >素人にはバレないようにうまくデタラメを書くテクニックが評価されているみたいです
    と書かれているので、本当ですか、とお尋ねしたわけです。 そして小説の“フィクション”と“デタラメ”とは違うと言うことも申し上げました。 もう一度よくお読みください。 貴殿は“デタラメ”だと言っているのですよ。

    トム・クランシーが小説の中で事実・実際と異なることを言っている部分があったとしても、それが機密事項を知っているから書けないのか、知識不足で知らないのか、そんなことはどちらでも良いことでしょう。 小説なんですから。 そしてそこには事実・実際のこともあれば全くの創作の部分もあるでしょう。 もちろん彼はその小説が真実とも事実とも言っておりませんし、言うわけがありません。 がしかし、だからといってそれを“デタラメ”が書かれている、とは言いません。

    貴殿はしきりに機密事項云々のことを言われるようですが、もしそれを以て当アンスクで小説名を挙げるのがよろしくないと仰るならば、むしろそれこそここで皆さんが挙げられる多くの一般軍事関係出版物やネット記事も総て同じことになりますよ。 なぜ小説ならダメなのですか? 何故
    >アンスクに引用されるのは御遠慮された方がよいかと
     になるのでしょうか?

    貴殿の理屈によれば、機密事項に関連する(と思われる)事項の総てについて、それらに触れた総てのものは、“デタラメ”であるのでその引用も名前も出すこともよろしくない、ということになりますよね。 なぜ小説以外は言及されないのですか? 仰っていることの辻褄が合わないでしょう。 そして“デタラメ”とはそういう小説ではない、事実・真実だといっているものの誤りを指摘するのに使うべきでしょう。 それがこの言葉の意味なのですから。

    そして、何が本当の機密事項で何がそうでないのか、貴殿はお判りになるのですか? 私に言わせれば、それを明らかにしないことも機密に含まれると思いますが? それならば何故小説がダメで、その他のは良いのですか? 小説は総てがフィクションであり、その他のは総てが事実・実際について書かれている、にはならないでしょう?  それを“十把一絡げ”と申し上げたのですが。

    なおついでに申し上げるなら、トム・クランシーの作品は、ストーリーはともかくとして、内容的にリアルに近い(と思わせる)からこそ売れたんです。 私からしてもかなりの部分でリアルな点が多いと評価できます。 当然ながら、普通の読者の中にはリアルな点とフィクションの部分との差が判らない人達がいても不思議ではありません。

    だからこそ、貴殿にその切り分けがお判りになるのなら、フィクション部分はフィクションだと指摘されればよいだけのことと申し上げました。 デタラメではありませんし、小説だからダメの話しには全くなりませんから。

    なぜ「レッドオクトーバーを追え」や「レッドストームライジング」が米海軍兵学校の軍事学で推薦参考図書の中に入っていたかお判りですか? リアルな点とフィクションの部分とをキチンと切り分け(て教え)られるからです。 そしてそれくらい記述内容的にリアルな点が多く入門書として適しており、かつ候補生に関心と興味を持たせることができる、と言うことです。 貴殿がダメという小説ですが。

     長くなりました。 少々きつい言い方をしましたが、何か勘違いをされておられるように思いましたので。 ではこれにて。

    艦船ファン

  13. 艦船ファンさま、わざわざ長文のレスを賜り、誠に恐縮いたしております。本題とはかなり乖離してしまい、誠に申し訳ございません。

    ただ、終了を宣言されながらも、同時に御質問も受けましたので、簡単にお答えさせていただきます(最後に質問だけしておいて、一方的に打ち切るのは、ルール違反とされております)。


    >何が本当の機密事項で何がそうでないのか、貴殿はお判りになるのですか?

    1)公に機密指定が解除がなされないないかぎり、米国海軍が機密事項としているものは、すでに周知の事実であっても機密事項です。ネットでこれに抵触すると、相手にされないか、とんでもなく叱られます。

    2)政府機関の公刊物や機関紙(大衆向けには「Undersea Warfare Magazine」など)に掲載されたり、議事録や講義録で公表されたものは、あくまでも「建前」としてだけですが、すでに機密指定が解除されたものと考えております。

    3)政府と密接な関連のある公益団体の機関紙、例えば「Proceeding」誌や「SEAPOWER」誌に掲載されて公開された事項は、もはや機密指定が解除された「建前」になっているものと考えております。

    4)合衆国政府から公的に認可されている学術団体の機関紙、例えば「JASA」誌(私の論文が掲載されたこともあります)などに記載され、公開された事項についても同様です。

    5)合衆国政府から補助金を受けていたり、アメリカ文化センターなどに展示されている、公的公益団体が発行している大衆向けの機関紙に記載された事項についても同様と考えております。


    また、一部訂正をさせてください:米国海軍士官学校のサイトには、もはや件の講義録のPDFは存在していませんでした。別の場所に残骸がいくつか残っておりますので、探せばまだ読めると存じます。もしドルフィンをお持ちでしたら、直ぐに何のことかおわかりになることと存じます。ちなみに私のパソコンには、2001年と2004年の講義録のPDFと、2005年の講義用のパワー・ポイントがダウンロードされておりました。
    豪腕少年タイフーン

  14. >13.
     そこまで仰るなら、ついでにもう一つルール違反をさせていただきましょう。 もう一度コメントの書き込みで。

     当方の>12.の「?」は別に貴殿に質問したわけではありません。 貴殿の書かれていることはおかしいでしょ、という意味です。 ですから回答は何も期待しておりませんでした。 当方の文書力のなさでしょうね。

     もっともその「?」に対しても、結局もまともな答えは一つも頂けませんでしたが。

     要するに貴殿には何も通じなかったということですね。 いや、ここまで来るとわざと問題を逸らしておられるのかと、当方としては疑問に思わざるをえませんが。

     敢えて三度目を張り付けておきますね。 貴殿が書かれた

    >クランシー氏の初期の小説はデタラメばかりとされておりますので
    >素人にはバレないようにうまくデタラメを書くテクニックが評価されているみたいで>アンスクに引用されるのは御遠慮された方がよいかと

     が間違っているでしょ、と言っているのですよ。 当方が申し上げているのは当初からたったこれだけのことです。 これにキチンとお答え頂ければ、初めのコメントで終わっていたことですが。

     もしまだお判り頂けないのでしたら、失礼ながら一度“デタラメ”という言葉がどういう意味なのかをご確認なされたらいかがでしょう。 辞書をお持ちでなくとも、ネット検索で直ぐ出て来るでしょうから。

     そして申し上げるまでもなく、「とされている」とか「雑誌記事を引用したまで」では、貴殿のご発言の責任のすり替えにはならないこともお忘れなく。

     そして、貴殿の言われる機密事項云々などは当方の最初に指摘に何の関係もありませんし、ましてや米海軍兵学校の講義資料云々など全く必要のない事柄ですね。 (勿論そんなことをお書きになられても何の自慢にもなりませんが。 当方のCDやHDにも腐る程ありますし、テキストの現物も本棚に沢山並んでいます。 ここにお出での皆さんにも同じ様な方が大勢おられることでしょうから。)

     では、貴殿とのやりとりは本当にこれで終わりとさせていただきます。 結局キチンとした回答は頂けなかったということで。

     他の皆様には直接の質問に関係ないことを再三書き込み、大変失礼いたしました。 お詫びいたします。 本アンスクでの回答に関する事と了され、どうかお目こぼしを。

    艦船ファン


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