277 A級駆逐艦アケロンでは、高温高圧の機関が試験的に搭載されましたが、後の駆逐艦で採用されていないということは何かしらの欠陥があったのでしょうか?
また、手元の資料には、「高圧前進turbine、第1中圧前進turbineのreaction stageにend-tightened bladingを附し、各速力にて経済を図つて居る」とあるのですが、「end-tightened blading」がどういうものなのか教えていただけないでしょうか。お願いします。

  1. お手持ちの資料は何てタイトルで何時頃の刊行ですか?
    駄レス国務長官

  2. ちょっと自信がないんですが。
    ご質問の後半部分は「翼端シール」と呼ばれるものかもしれません。
    添付ホームページの下寄りに図があります。
    蒸気が動翼の外側に逃げてしまわないようにするための機構ですね。

    http://www.globmaritime.com/technical-articles/marine-engineering/auxiliary-machinery/860-blades-of-turbine.html?showall=1

    太助

  3. >駄レス国務長官様

    造船協会雑纂 (114) 3-6 1931年9月 英國新駆逐艦Acheron
    です。
    Shipbuilding and Shipping Record 1931年6月25日が出典となっています。


    >太助様

    ありがとうございます。リンク先に目を通させてもらいます。


  4. 前半部分
    建造費が253,380ポンドで、同型の他7隻中の最高232,027ポンドはもとより、同年度計画で基準排水量で190トン重いきょう導艦のコドリントンの251.887ポンドよか高額なコト
    燃費は7%減となったが、タービンは高中低圧の3気筒構成(写真有り)で、他艦の高低圧2気筒構成(多分)よか複雑で重いコト
    (高温高圧蒸気はタービンで膨張させるのにより多段落を要するコトは常に念頭に置かれるのが良いでしょう)
    などが量産に適さずと判断されたのではないでしょうか
    以上March著British Destroyers 1892-1953に拠る
    駄レス国務長官

  5. >end-tightened blading
    米2で紹介されているshroudと呼ばれる翼端シールで覆われたBLADEですが
    http://files.engineering.com/download.aspx?folder=2c22b4c0-4fb7-4431-857d-4fd7ccc22c96&file=Close_up_LP_blading.jpg
    ↑の左側と思われます。

    米2の「End Tightening」の紹介分を意訳+補足を入れると
    通常のエンジンで暖気運転を完了した物はturbine bladeと外側のケーシングは同じような割合で熱膨張するので それ以降はbladeと外側のケーシングが接触して破損する事は無いが
    End Tighteningだと外側に蒸気を逃がさないのでケーシングが膨張しない、及び熱を全部bladeに受けるのでbladeが余計に膨張すること及びshroud部が重く遠心力がかかるので余計に外側に引っ張られると言う事で急加速時に蒸気量が増加するとbladeとケーシングが接触する恐れがある。のではと思われます。
    駆逐艦で緊急時に急加速時出来ないのは致命的ですね。
    jas1

  6. 後半部分
    衝動タービンと違って反動タービンは動翼部分での蒸気の膨張(=圧力降下)が有りますので、ケーシングと動翼先端部分との間隙に回り込む蒸気によって汽翼尖端漏洩損失を生じます
    ご質問のend-tightened bladingはこれを抑制するモノで、パーソンズ・マリン・ターバイン社の考案になり、効率を改善するとともに、無しの場合と比べて動翼本体とケーシングとの半径方向間隙を広くするコトができ、万一タイトニングのひれの先端が他と接触しても、動翼本体のダメージを防ぐことができます
    以上大賀著「蒸気及瓦斯タービン」に拠る

    >5.
    ケーシングには静翼が植え込まれてますので蒸気の熱は充分伝わりますケド
    駄レス国務長官

  7. >6ケーシングには静翼が植え込まれてますので蒸気の熱は充分伝わりますケド


    end-tightened bladingの場合、静翼が植え込まれてるくらいじゃケーシングは充分膨張しないですよ。動翼の膨張にケーシングの膨張が追いつけません。
    米2の紹介文でもローター・スピードを増加するのに1時間かかると書かれてますし。

    そもそも「本体とケーシングとの半径方向間隙を広くするコトができ」ってのが少々疑問。半径方向間隙を密にし、なおかつ半径方向に逃げる蒸気を少なくするのがend-tightened bladingのミソだと思うんですが。

    もし、両方成り立つのであれば※2と※6は思想が違う別のエンジンなのでは?
    jas1

  8. 反動タービンでは蒸気はまずケーシングに接したのち静翼→動翼という順番で接してゆくコトはご理解いただけてます?
    あと動翼を通過せず尖端を迂回して下流に流れる蒸気は有効仕事をしない=効率低下の一因となるコトはご理解いただけてます?
    そこでend-tightened bladingとすれば動翼尖端を迂回する蒸気が減るので、あえて半径方向間隙を密にする必要がないコトはご理解いただけてます?
    また動翼の膨張にケーシングの膨張が追いつけないとするなら、なおさら半径方向間隙を大としなくてはならないコトはこれまたご理解いただけてます?
    駄レス国務長官

  9. も一つ
    反動タービンで一対の静翼と動翼とではどちらが高温かはご理解いただけてます?

    駄レス国務長官

  10. 補足
    タイトニングのひれの先端を、パーソンズ社のパテント回避のため、軸方向でなく半径方向に向けたモノもメーカーによっては有りますケド、その場合でもケーシングと動翼自体の先端部分との間隙はタイトニング無しのモノよかずっと大です
    駄レス国務長官


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