298 いつもご教授頂き有難うございます。

英戦艦「ヴァンガード」と仏戦艦「ジャン・バール」はなぜ完成されたのでしょうか?
WW2終了後の時代であり、もはや戦艦は膨大な建造・維持費に見合わないと評価されていたにも関わらず、就役させた理由がよく分からないのですが。
それとも、イタリアでも戦艦「アンドレア・ドリア」「カイオ・デュイリオ」の二戦艦が暫く現役であったように、当時は前述のような戦艦の低評価は日米のみの事象であり、ヨーロッパでは戦艦はまだまだ仕事や価値があると評価されていたのでしょうか?

よろしくお願いいたします。
Ranchan

  1.  この辺の過去ログは参照されたでしょうか?
    http://www.warbirds.jp/ansq/21/B2001054.html



  2.  ジャン・パールの分を忘れていた。
    http://www.warbirds.jp/ansq/21/B2001482.html



  3.  ヴァンガードは1946年の対日戦参加を目標に工事が進められていた結果、終戦後の艦艇建造計画見直しの時点であらかた出来上がっており、今更廃棄・解体する方が勿体ない、と思われたというのがあります。

     まあ建造予算削減&運用経費削減のため、乗員定数を原計画より削減した状態で運用することとなったこともあり、一部の艤装工事を未実施のままで就役させてますので、完工していたとは言い難いかも知れませんが。
    大塚好古

  4. お二様方ご回答有難うございます。

    戦艦「ヴァンガード」につきましては、「具体的な使い道や存在価値はよく分からないが、ここまで工事が進捗したんだから勿体ない、完成させちゃえ」ということなのでしょうか・・・。

    ただ、申し訳ありませんが「ジャン・バール」がなぜ完成させられたのかがよく分かりません。(2.でご紹介頂いた過去ログは「『ジャン・バール』が航空母艦に改装されなかった理由」であり、「なぜフランス海軍は『ジャン・バール』を完成させる(戦艦を補充する)必要があったのか」の理由には触れられていません)
    就役・運用中の「リシュリュー」のスペア的な意味合いだったのでしょうか?

    申し訳ありませんが、その点についてお付き合い頂けますと幸いです。
    Ranchan

  5.  ジャン・バールの就役は、戦艦云々のハードの有効性以前の問題で決まっていた事と言えます。
     WW2後のフランス海軍は保有艦艇数こそ350隻となり、開戦前の250隻を上まわってますが、保有t数で見れば開戦前の59万tに比べて、戦後は37万tと半減しています。つまり、大型艦が少なくなっている状況です。
    しかも保有艦艇は英米独伊の艦艇の寄せ集め状態で規格も寄せ集めです。
     よって、戦後直のフランス海軍の再建=建艦政策は、国産化と大型艦建艦へと指向しています。
    しかし、国内企業は戦争の影響で疲弊しており工業生産高は開戦前の半分程。再建の目処が中々に立ちません。
     この流れから、ジャン・バールの様な国産で、一から建造しないで済む大型艦艇を破棄するという考えは、ほとんどありません。
    ジャン・パール自体、再就役が前提で話が進んでおり、そこで上にも挙げた様に、再就役するのであればより良く使える様にしたいという考えから、空母か戦艦かという話が出てきます。



  6.  1945年度予算で「ライオン」と「テメレア」の建造が再承認されたように、未だ戦艦は上陸作戦時の火力支援・空母部隊の護衛・高い指揮通信能力を活かして艦隊旗艦任務に充当すること等を含めて、1945年には作戦上未だ一定の価値があると評価されています。

     1945年秋の艦艇建造計画見直しで、この両艦の建造は中止となりますが、既に竣工間近だった「ヴァンガード」は、この様な作戦・戦術上の要求と、3で示した理由もあって継続されました。
    大塚好古

  7. ご回答有難うございます。

    フランスの場合:まさに戦後のフランス海軍復興のシンボルとしてであり、戦力としての「ジャン・バール」はあまり問題ではなかった。
    イギリスの場合:まだ戦艦は有効に使用できると評価されていた。(でも、それならKGV型などはもっと活用できなかったのか・・・という気もいたします)

    とのそれぞれの事情があったわけですね。
    Ranchan


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