305 教えて頂きたい事があります
私の家の隣のおじさん[故人]に聞いた事がありますが、戦艦大和の主砲最大射程は48キロ、速力32ノット、後進でも28ノット出せたそうです、
高角砲要員として公試運転の時の各種試験に居合わせたとの事です、これらの数値は公式に残っているのでしょうか、それとも実用外の番外編記録として「知る人ぞ知る」程度のものでしょうか?
もう1点
硫黄島や沖縄に米国戦艦は艦砲射撃を行使してますが砲身の交換は如何していたのでしょう、砲歴100で交換との記述を観た事があります、真珠湾に帰港しての作業でしょうか、かなりの時間的ロスが有りますが?
ついでにもう1点
戦艦ビスマルクは正にドイツと思わせる幾何学的で重厚な見るからに強力戦艦と言ったシルエットです。しかし最近各種資料の流出で、やれ設計が古い、水平装甲が薄い、等「ビスマルクよいしょ」の私としては失望の一途です、希望的憶測としては欧州最強、米国16in砲戦艦と条件次第で好勝負
と思うのですが戦艦としての真の実力はどの程度だったのでしょうか?
素人の私への解答宜しくお願いします。
tomu3180

  1. 1段目のみ
    大和型の主砲の最大射程は41,400m
    公試速力は過負荷全力でもって大和が27.68ノット、武蔵が28.10ノット
    後進全力は大和が17.20ノット、武蔵不詳
    ちなみに後進タービンは前進タービンに比べて羽根の段落数が著しく少なく、力量(出力)は前進の3割程度なので、後進で28ノットなど夢のまた夢ってなトコロです
    駄レス国務長官

  2. 早速の解答有難うございます。
    私も知識の範囲で41,400mと言ったところ笑われ、それは実用射撃の数値であり限度いっぱいで撃てば48,000mの数値が出たそうです、しかし散布界が広がり過ぎて駄目だそうです、速力においても通常より遥かに大量の油を消費するので是も実用外だそうです、後進については記憶違いかも知れません、
    また航行中に錨を投下する等と言った事もしたそうです、私が「そんな事をして大丈夫か」と言ったら「公試試験は何でもやるだ」といってました。
    大和が初めて雷撃された時も乗っていたそうです、まんざら嘘でも無いと思うのです。


    tomu3180

  3. >公試試験は何でもやるだ

    公試は火砲にせよ機関にせよ要求事項を満足していることを検証し、海軍への領収の可否を判断する場であり、限界性能を試す場ではありません

    >また航行中に錨を投下する等と言った事もしたそうです、

    万一錨が壊れたり鎖が切れたりしたら領収=就役が遅れますケド
    武蔵では「前後部投揚錨試験」は停止中(推進器回転数ゼロ)の状態で実施されてます
    駄レス国務長官

  4. 再度の解答有難うございます。
    私も試験と言えば公試運転しか知らないのでその場で行われたと思っていましたが以前の段階で各種限界試験を行ったと考えれば納得できるのですが、
    また主砲発射時の爆風で両側の機銃座人員は耐えられないと言っていました。おじさんはその後、内地で教官に成ったそうです。
    tomu3180

  5. >以前の段階で各種限界試験を行ったと考えれば

    それは組立前に個々のパーツレベルで実施しておくべきものではないでしょうか

    駄レス国務長官

  6. 済みません。何の役にも立たないでしょうが…。
    海自の某護衛艦艦橋の速度表記に39ノット以上の目盛りがあって
    「このフネってこんなにでるの?でなかったら必要無いもんねえ」
    「えっ、いやぁいろいろ条件とかもあるし…むにゃむにゃむにゃ…」
    ってことが実際に有りました。
    何だろう、当事者の間でのグレーゾーンってのは在るのかもと思います。
    実際に意味が有るのかどうかはともかくとして。



    てぃんかん

  7. 砲身交換とビスマルクの件ですが、ANSQトップページの一番上に『AnsQ過去ログ』がありますので、そこに“ビスマルク”または“砲身交換”と入れて検索すれば、過去何度と無く出ている関連質問と回答が検索できますので、その辺を見て、更なる疑問点があれば質問をお願いします。



  8. 駄レス様、重ねての解答有難うございます。
    隣のおじさんに聞いたのは20年以上前の事なのです、隣なので何時でも聞けると思っていたので本格的に聞く事も無いまま数年前に亡くなってしまいました、もっと詳しく聞いておけば良かったと思います、今と為っては残念で仕方有りません、今後も宜しく願います。

    てぃんかん様
    参考になります、私としては大和完成後の限界実験での数値だと考えます、設計者としては計画通りの性能が発揮出来るか、また最大限どれ程の数値が出るのか知りたいのは当然だと思います、速力においても機関の耐久限度での数値かと思います、当然ながら実用範囲外でしょう。
    伸様
    的確な解答を有難うございます、やはり多くの人が疑問に思う事柄なのですね。
    tomu3180

  9. >私としては大和完成後の限界実験での数値だと考えます、設計者としては計画通りの性能が発揮出来るか、また最大限どれ程の数値が出るのか知りたいのは当然だと思います、速力においても機関の耐久限度での数値かと思います、当然ながら実用範囲外でしょう。

    設計に関わった人達と言うと福田啓二・江崎岩吉・松本喜太郎・牧野茂などの各氏が思い浮かびますが、誰一人として「速力32ノット」など書いたり語ったりしてないんですケドね
    駄レス国務長官

  10. >8.
    折角ですので少し補足を。

    >実用射撃の数値であり限度いっぱいで撃てば48,000m
     ご存じかと思いますが、火砲の装薬(=発射薬)には通常使用する「常装薬」、特殊な射撃で使用する「弱装薬」「減装薬」があります。 そしてその他に「強装薬」と言うのがあります。 が、これは明治期までは実戦でも撃ったことはありますが、大正期以降では砲の開発時に性能(強度)確認をする時などの特殊な場合以外は使われておりません。 筒発及び尾栓毀損の可能性が高くなるからです。 ましてや、実艦でかつ仰角をかけてこれを行うとなると、砲架や駐退装置そのものを毀損する恐れがあります。

     強装薬を使用すれば最大射程は確かに常装薬の場合以上に出ることは間違いありませんが、実際の強装薬発射の場合でも砲の性能を確認するために単に撃ってみるだけということであって、射程を計測することはしません。 したがって亀ヶ首の陸上射場での開発試験中ならともかく、実艦に搭載しての建造中の公試でやるなどはありませんし、もちろん公試以外でも、そして就役してからもありません。

     ご質問にある値は、おそらくどなたかが何かによって手計算してみた値なのかもしれませんが、上記のように実測データなどはありません。 それ以前の問題として、46糎砲の場合は正規の強装薬そのものが決められておりませんので、データに基づく正確な数値さえ計算できません。 したがって、4万8千mという数値に何等かの根拠は存在し得ません

    (ちなみに、「大和」「武蔵」ともに、主砲の砲熕公試を行ったのは徳山沖の海上射場で、3万メートルが基準(計画)射距離でした。 常装薬でさえ最大射程での砲熕公試などはやっておりません。 もちろん就役後から戦没するまで、訓練射撃でも実戦でも常装薬での最大射程で撃ったことはありません。)

    >砲身の交換
     砲身の交換というのは、砲身そのものを交換するだけならば、単に重量物の取扱いの問題ですから海軍はお手のもので、予備の砲身があり、かつ工作艦などの支援(クレーンなど)があれば平穏な海面状況なら洋上でも実施可能です。

     しかし、実際はそれで済む問題ではありません。 最も重要なことは、交換によって新しく砲座に据え付けた砲の軸線が交換前の砲とでは異なって来ますから、この軸線が規定値内にあることを確認し、無い場合には正しく修正しなければなりません。 これを専門用語で「軸線整合」(collimation)と言います。 戦艦の主砲といえども1ミル(0.056度)単位での整合が必要です。 これをキチンとやらなければ、それこそ撃っても当たりませんので、何の意味もなく役にも立ちません。

     単装砲で砲側照準だけのものならまだ何とかなりますが、連装・3連装となると砲塔の他の砲とキチンと合わせる必要がありますし、ましてや射撃指揮装置で管制するとなると、その方位盤との整合も必要になってきます。 これは洋上では実施できません。 揺れない海面状況とそれなりの設備が必要ですし、場合によってはドライドックに入れて半注水の状態で実施することも必要になってきます。

     戦艦の主砲でも各砲によって発射弾数は異なってきますので、全砲が一斉に砲身命数に達する訳ではありません。 したがって、仮に作戦中に1本だけが命数になった時、あと何本かが命数になるまでその砲を除外して作戦を継続するのか、あるいはその1本でも交換に帰るのかは、偏にその時の状況次第ということになります。

    因みに
    >大和完成後の限界実験での数値だと考えます
     機関の「過負荷全力」というのがどういうことなのかをキチンと勉強されれば、その様なお考えは絶対に出てこなくなると思います。 老婆心ながら。


    艦船ファン

  11. 駄レス様、艦船ファン様、解答有難うございます。
    おじさんがどの様な根拠で32ノット、48000mの数値を言ったのか今と為っては確かめようも有りません、私としては大和の高角砲要員として就役時から乗っていたと聞いただけで全て事実として信じていました。
    以前に本屋の立ち読みで大和の沖縄出撃の時スプルーアンス大将が砲撃撃沈を考えた個所が有りました。
    大和の18in砲は45000mは飛ぶと思われていた、米戦艦は42000だが実効はせいぜい37000だ[大意]との個所を観た時、おじさんの言っていた数字に近い予想を米国もしていたのかと思いました、またアイオワ型の主砲は37000だと思っていたので42000も飛ばせるか?とも感じました、仰角だけでは済まないのでしょうか。
    「丸」だったか如何か記憶になく内容も創作だと言われればそれまでですが
    スプルーアンス大将が東郷元帥に敬意を持ち艦砲での撃沈を考えていた事を知っていたので注意して読んだ記憶が有ります。
    砲身交換はやはり細心の注意が必要ですね、硫黄島や沖縄の映像を観ると無制限に撃てるような印象さえ受けます。
    tomu3180

  12.  32ktと言う数字が何処から出てきたか、というと大和についての当初の軍令部要求案辺りが元だった、と言えるかもしれません。
    当時の軍令部一課の課員だった中沢佑中将の回想(海軍中将中沢佑/中沢佑刊行会編)だと、軍令部内では当初35ktと言っていたが技術的に無理と言う事で、32ktは必要、30kt以下は駄目と言う事で、軍令部要求の30kt以上という速力が出てきたとありますから、軍令部の考えていた“ぼく(軍令部)の考えたうるとらすぺしゃる超弩級戦艦”の速力の話が変な形で伝わったのではないかと。



  13. >11.
    過去のハナシはもう結構ですから今後正しい知識の取得に努められるよう期待します
    (見たところ艦船ファン氏の回答も小職の回答もあまりお役に立ててないようですケド)
    駄レス国務長官

  14. >11.
    >仰角だけでは済まないのでしょうか。
     米海軍の16インチ50口径砲では、砲弾重量2700ポンドで常装薬による初速2500フィート/秒で最大射程42345ヤード、つまり38720メートルです。 また同45口径砲なら同じ弾で初速2300フィート/秒で最大射程36900ヤード、33741メートルです。 米海軍の「射表」に記されていますので疑問の余地は全くありません。

    >注意して読んだ記憶が有ります。
     もし今後も引き続きミリタリー関係に興味がおありでしたら、>13.で駄レス国務長官氏も言われているとおり、是非キチンとした資料に基づき正しい知識を身に着けるようにされることをお薦めします。


    艦船ファン

  15. tomu3180さんへ
    20年前に聞いた話なら、おじさんは50年前の話をされたわけですよね。
    長時間の間に記憶が薄れるのも当然ですから、思い出話は思い出話として受け取れば良く、その内容の正誤をネット上で調べるのは無粋の極みだと思われます。

    出沼ひさし

  16. 伸様、解答有難うございます。
    そうかも知れませ、ビスマルクの就役時の映像でも対外向けかも知れませんが「50pの装甲で護られた」と言い放っています、実情と離れた数値が流布された事も否定出来ません。

    駄レス様
    厳しい御指摘、痛み入ります。

    艦船ファン様
    砲身交換の詳細で解り易い説明に続いての的確な解答有難うございます、
    書籍の内容でも脚色や間違いが有るのも驚きです、ついでながら、
    仰角と散布界の広がりが解りません。

    出沼ひさし様
    解答有難うございます、今と成ってはそうとも言えますが
    おじさんは晩年までカクシャクとしており記憶のブレも無く、まるで昨日のごとくの話が出来ました、さすがに最晩年は「もう忘れてきた」とも言うように成りましたが自分の記憶には自信を持っていたと思います。
    tomu3180

  17. >16.
    >仰角と散布界の広がりが解りません。
     すでに当初のご質問内容から外れておりますので、「4.武器、装備全般」で別スレを立てられたらいかがでしょう。

    艦船ファン


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