373 艦船用の火薬式カタパルトが用いた火薬の種類は何だったのでしょうか。
どういう形で収納・保管されていたかなどもお教えいただけると幸いです。
expery

  1.  日本海軍の一般的な水上艦艇用射出機である呉式二号五型の発射火薬は、十三式火薬(DC火薬)ですね。
    安定して燃焼する無煙火薬なので、射出機用として使用されています。



  2. 「十三式」ではなく「一三式」です。 そしてこれは別に射出機用という訳ではなく、中口径砲以上の発射薬、魚雷射出用として広く使われた火薬です。

    なお、射出機の発射薬は「飛行機射出機装薬包」と言われ、薬莢式で「莢二号撃発火管(射出機用)」が使用されました。

    これらは「射出装薬庫」に装薬と火管を別々にして格納しますが、改造艦などで独立した火薬庫を設けられない場合などには、機銃弾火薬庫や高角砲弾薬庫などの中に専用区画を設けて格納した場合もあるようです。

    艦船ファン

  3. ご回答ありがとうございます。

    実はウィキペディアの戦艦アリゾナの記事に「艦載機カタパルトに使用された黒色火薬にまず着火し〜」という記述があることに気付き、まさか黒色火薬は無いだろうと思ったのですが、カタパルトの解説で使用火薬まで書かれているものが見当たらず質問させていただきました。
    日本が無煙火薬ならアメリカも当然同じと見てよいのでしょうね。

    アリゾナについて書かれた英語サイトではblack powder magazine (used for aircraft catapults)から引火と書かれているのですが、これはガンルームのような歴史的呼称の施設をカタパルト用火薬庫にしたという意味なのでしょうか。日本の軍艦にも黒色火薬庫という名称の施設が見られますが、用途が判りませんでした。
    expery

  4. >3.
    ご存じのとおり黒色火薬と無煙火薬とではその性質が大きく異なりますので、安全確保のためにその取扱い及び保管の要領を別にする必要があります。

    旧海軍においては、取扱いについては『火薬火工兵器取扱規則』(昭和16年内令兵42号)で、弾火薬庫の構造などについては『新造艦船弾火薬庫艤装規程』(大正9年内令13号)で細かく規定されています。

    つまり、無煙火薬と黒色火薬とでは弾火薬庫を別にするのが原則でが、諸般の事情によりそれが出来ずに同じ庫内に格納する場合、黒色火薬の区画は専用の艤装が必要になります。

    因みに旧海軍の「黒色火薬庫」には、空放装薬包、伝火薬、水雷科消耗用黒色火薬、発射装薬、水雷科陸用爆破薬、安全導火線などを格納することとされています。 例えば、伝火薬は薬嚢砲では必ず必要になりますし、空放装薬包(礼砲用を含む)は全ての砲熕武器で必要ですので、これだけでも結構な量になります。

    艦船ファン

  5. 艦船ファン様、再度の回答をありがとうございます。

    空砲は黒色火薬だったのですか。発砲後の煤の掃除が面倒そうな…。
    伝火薬が黒色火薬ということは存じておりましたが、てっきり装薬とセットで格納されるものと思い込んでおりました。通常は別々に保管するものだったのですね。
    勉強になりました。

    expery


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