381 日本海軍に編入されたU−511やU−1224(以下ロ−500とロ−501)ですが、何故イ号ではなくロ号となったのでしょうか。
ロ−500の航続距離は10kt-13000浬であり、一連の海大型(16kt-8000〜10000浬)とは同等以上、イ−15以前の巡潜型とほぼ同等の航続距離です。
ロ−35型は16kt-5000浬であり、ほぼ同サイズのロ−500とロ−501とは大きく見劣りしているように見えます。

10ktと16ktの違いはありますが、ロ−500でもこれらのイ号潜水艦と同等の作戦行動半径が一見取れそうに思えます。
ですが、現実にはロ号であり、イ号として何が不足、不適格とされたのでしょうか。
天ヶ崎

  1. すみません、質問をまとめます。
    1.航続距離が伊号並にあるU−511やU−1224は何故ロ号とされたのでしょうか。

    2.U−195や小型で9.4ktで7,500浬と巡航速度も距離も見劣りマルチェロ型やが呂号ではなく伊号とされたのは何故でしょうか。

    3.独潜は米東海岸で活動する為にスクリューを片方だけ回しながら低速で航行していた、という話を聞いたのですが、速度を落とせば航続距離は伸びるものなのでしょうか。具体的に言えば、日本潜水艦は10ktの場合だと航続距離は独潜水艦以上だったりするのでしょうか。
    天ヶ崎

  2. 1と2に関しては伊号と呂号潜水艦の区別は排水量が基準であり、航続距離は無関係だからです。
    1000トン以上が伊号、それ以下が呂号となります。

    3は単純に駆動するエンジンを減らす(片舷運転)ならば燃料消費量が減少する=結果として航続距離増加に繋がったのではないでしょうか。
    薩摩

  3. 薩摩さん、ありがとうございます。
    ああ、U−511やU−1224は基準排水量1000トン以下だったんですか。
    てっきり1000トン超えているものとばかり思っていました。

    もう一つお聞きしたのですが、独潜水艦は艦の大きさの割りに航続距離が大きく見えるのは何故でしょうか。
    他国の潜水艦と比較しても同サイズで同等以上の航続距離を持っているように感じるのですが、燃料を多く搭載していたり、機関の効率が良かったりしたからでしょうか。
    まさか、測定条件が他国と異なるから一概に大きいとは言えなかったりするのでしょうか。
    天ヶ崎

  4. >3
     基準となる速度の違いと燃料搭載量に注目してください
     例えば同サイズぐらいの呂100と比較して計算すると、燃費効率的に優位な結果は出ません。
     機構的な優位もあるのかもしれませんが、基本的には沢山の燃料を積んで遅く走るからです。
     大ざっぱにいうと、速度と馬力の関係は三乗でして、馬力と時間あたりの燃料消費量は比例します(運転条件や船体の特性でも変わってきますが)つまり10ノットと14ノットでは、馬力錘條ヤあたり消費量は2.74倍、航続距離なら速度の二乗で変わって来るので(航続距離÷航続速度が航続時間ですから)1.96倍、まあ約2倍の差になるんです。14ノットで1万進める船は10ノットなら2万進むことが出来るわけです(実際には食料等の関係もあって単純ではありませんが)
    SUDO

  5. SUDOさんありがとうございます。
    つまり、例えば伊15の航続距離は16kt-14000浬とされていますが、
    これは「16ktの時がもっとも長い距離を航行できる(16ktより速かったり遅かったりする場合、航続距離は短くなる)」という意味じゃない
    伊15が10ktの場合、U−511の10kt-13000浬を凌駕する航続距離の値であろうと考えられる
    という見方でよろしいのでしょうか。(あくまで食料などを抜きにして単純に見た場合ですが)
    天ヶ崎

  6. >5
     はい基本的にはそういうことになります。
     もちろん機関の構成や船体の特性的に比較的効率の良い速度というのも存在しますから、現実は単純計算通りとは行きませんが、かといって極端に外れるということも普通の速度の範囲では起こらないと考えて結構です。
     まあ機関の構成や構造次第でも変わる話ですけどね。
    SUDO

  7.  速力低下による燃費改善を示す極端な例としては、14ノットで航続力5800浬とされる伊二〇一型が、最大経済速力の6ノットで航走した場合、航続力が15,000浬に達するというものがあります。
     但し伊二〇一型の場合、機関出力を10分の3に上げると、一気に航続力が8000浬に減るとか、米潜のように「最大経済速力は11ノット」で、通例出ている航続力の方が低い場合がある潜水艦とかもありますので、14ノットで10000海里→10ノットでその約倍という様な感じには簡単にはならないので注意が必要です(言われている航続力の速力数値より、実際の経済速力が高い、というのは水上艦艇でも例が散見されます)。

     日本潜水艦の16ノット→10ノットでの航続力延伸の度合いの例としては、2サイクル複動式ディーゼル機関搭載の海大6型bの場合で、16ノットで10000浬なのが10ノットで14000〜15000浬と5割ぐらいの伸びになります。まあ通常時より燃料増際し、10ノットに速力を落とした場合の実戦時の最大航続力が公称の倍以上に伸びる、と言われる海中型とかもありますので、これもあくまで目安と受け取っていただければと思います。
    大塚好古

  8. SUDOさん、大塚好古さんありがとうございます。
    よくスペックで書かれる航続距離はそれが最大とは限らないと言う事がよくわかりました。
    やはり速度別で見る必要があるのですね。
    天ヶ崎

  9. U511(IXC型)
    排水量
    水上1120t
    水中1232t

    全長76.76m


    U1224(IXC40型)
    排水量
    水上1144t
    水中1257t

    全長76.76m


    Uボートは、
    余裕浮力が小さい→水上シルエットが小さく低い
    なので、伊号、呂号を見慣れていると1000t超には見えないと思いますが。
    しゃるほ


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