1024  舷側装甲について質問です。

 強度甲板より上の甲板は船体のゆがみを吸収するためにスリットが設けられたりしてますが、舷側に貼られた装甲板も継ぎ目に隙間をつけてたりしたのですか?
おうる

  1.  舷側装甲は端面を接しながら並べ、それぞれをアーマーボルトで船体の背板(バックプレート)に取り付けていきます。ですから、二枚の装甲板の間には不可避的に隙間が生じます(製造時の工作誤差、錆のため)。わざわざ隙間は作りません。もともとが大きいものですから何ミリもあるかと想像します。縦揺れ(ピッチング)により船体が変形し間隔が広がる場合は特に問題はありません。逆に隙間が縮まるような場合は、端面が接触し装甲板は横方向の圧縮を圧縮を受けますが、これは装甲板が一時的に圧縮部材になるだけで、座屈の恐れはないので心配ありません。
     また、舷側装甲を張る部分は、船の曲げが小さい部分でもあり心配は要りません(船を梁と考えると、中立軸は水面に近いところにあります)。空母の飛行甲板が強度部材でない時は、引っ張りには心配ありませんが、圧縮時には座屈の恐れがあるのでジョイント(伸縮継ぎ目)を設けるのでしょう。板厚を大きくして座屈に耐えようとすると重さで重心が上がります。
    電気戦艦  

  2.  先ほどの解答は不正確なところありました。「現物を並べていき、そのまま取り付けていく。結果的には少し隙間ができるだろう」という書き方でした。実際はそうではなく、出来上がった装甲板、アーマーボルト孔に合わせて背板にボルト用孔を開けていきます。大きいものですから、二枚が完全にピタッと合わさることはないので現実的には、小さいとはいえ隙間は残ると言いました。伸縮に対応するため、わざわざ隙間は作らないでしょう、ということでした。
     
    電気戦艦

  3. 回答ありがとうございます。

     戦艦とは船型が全然違いますが、荒天での航海中の船(コンテナ船かタンカーかは不明ですが尺の長い船)の廊下の様子を撮った動画を見て、船体が縦のみならず横にもグネグネ変形している様子を見たので船体の左右方向の曲げにはどう対応していたのか気になって質問した次第です。
    おうる


Back