1097  米戦艦サウス・ダコタ級およびアイオワ級戦艦には、舷側の内側に下に向かって厚さが薄くなっていくアーマーが配置されていました。水中弾と魚雷の双方に対するものであったと思います。しかし、この方式には欠陥があることに気づき、次期計画のモンタナ級には採用されませんでした。そこで質問は、
1. このテーパーアーマーは、どのように組み立てられていたのか、ということです。牧野さんの論文では、アーマーどうしを強力な継手で一体化したとありますが、具体的に知りたいです。
2.この方式の欠陥はどこにあったのでしょうか。このテーパーアーマーと艦底部との結合に弱点があったとも言われるのですが、詳しく知りたいです。
 以上よろしくお願いいたします。
電気戦艦

  1. 欠点でなく欠陥が在ったことの出典を教えて下さい。
    UK

  2. 質問の内容が不明確です。
    牧野さんの論文とは、世界の艦船に30数年前に掲載された日米戦艦比較論のことでしょうか。
    アイオワ級等と異なり、モンタナ級は我国の大和型と同じく油層防御は採用していないようですが、テーパーアーマーは採用しています。
    日本でなく米国の戦艦におけるテーパーアーマー装着の際の欠陥は何も記されていません。ましてや、テーパーアーマーと艦底部との結合等は、何も記されていません。
    UK

  3. ご質問2についてのみですが、以下の点が指摘されています。

    ・実物大模型を使用した水中爆発試験の結果、
    「『サウス・ダコタ』式は魚雷炸裂などにより水中防御隔壁が押し戻された場合、外側のタンクからの浸水が発生する可能性がある。従って『ノース・カロライナ』式の方がやや優れている」
    と判定された。
    ・「モンタナ」型戦艦はパナマ運河通行を放棄しているので艦幅に余裕が生じ、バルジを設置することができた。
    Ranchan

  4. 3ですが、出典を教えて頂けないでしょうか。
    「水中防御隔壁が押し戻された場合、外側のタンクからの浸水が発生する可能性がある」の意味が不明なことと、「水中弾に対してはるかに劣ると思われるノース・カロライナ式の方がやや優れている」と判定された理由を詳しく知りたいからです。
    UK

  5. >4
    歴史群像・太平洋戦史シリーズVol.41「世界の戦艦」中の「戦艦『モンタナ』級 その実力と評価」(P153)と「世界の艦船 2020年6月号:特集・未成戦艦列伝」中の「モンタナ級」(P94)からです。
    Ranchan

  6. どうもありがとうございました。
    UK

  7. >1,2 論文とはおっしゃる通り、「日米戦艦比較論」です。アイオワ級について、あらためてWikiを読みました。確かに、Ranchann様のおっしゃるように、テーパーアーマーと艦底の接続については、アーマーの剛性により割れが生じやすいとありました。結果、ノースカロライナ級よりless effective とありました。ですから欠陥というのは言い過ぎでした。剛性(rigidity) の問題というのがよくわかりません。ひょっとすると、アーマーの厚みが40mmあるのに対し、艦底部の鋼板厚みが20mm前後というのが効いているのかもしれません。この結合部は、溶接でしたが、補強のため、ストラップ(帯状鋼板)を付加したとあります。
     もっと詳しい中央断面図があれば、わかりやすいのですが現状では理解に限界があります。ミズーリは今も真珠湾に現存していますから、気力、体力があれば、艦底構造の実物を見せてもらえる機会がないとは言えません。
     モンタナ級の水中防御は、ノースカロライナ級とアイオワ級のハイブリッドのように見えます。実に不思議な構造であると感じました。

    電気戦艦

  8. サウスダコタ級の上下の舷側装甲は横からキーを打ち込んで接合してた筈です。
    Mk.63GFCS

  9. The Washington Naval Treaty and the Armor and Protective Plating of USS "Massachusetts": Part I及びPart IIにサウスダコタ級の詳細があります。
    Mk.63GFCS

  10. >8,9 Mk.63GHCS 様  どうもありがとうございました。ご紹介の論文など、そのうち読みたいと思っています。
     
    電気戦艦


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