37  冷戦時(今もですが)、NATOではアメリカの核兵器を西ドイツ・イタリアが使用できる体制が整えられていましたが、同じ時期アジアの方で韓国・中華民国などはそういう体制を希望しなかったのでしょうか。またアメリカ(日本も含めて希望してきたら)はどうしたのでしょうか。
バツ

  1. NATOの核共有(Nuclear Sharing)政策は、アメリカが保有する戦術核を西ドイツ等の協定国に保管しておき、使用を含む戦術核の管理は有事においてもアメリカが管理、協定国はアメリカと協議の上、アメリカが戦術核使用を容認したときにNATOの共通作戦指揮下の下、各協定国が戦術核を航空機やミサイル等で運搬して作戦を展開するというものです。有事において、西ドイツ等がアメリカの戦術核を自国の指揮権限下で使えるといったものではありません。
    各共有政策を採用したのは、独自核武装が諸般の事情から困難であること、その一方で実効性のある核抑止が希望されていたこと、アメリカとの高度な相互信頼関係、NATO体制による共通作戦指揮の徹底といったことが要因でしょうけど。
    韓国それに国連加盟国であった頃の中華民国(台湾)について、アメリカがこれらの国の政府を西ドイツ等のNATO諸国並みに信頼していたのか、航空機等を用いた戦術核運用能力があると見ていたのか考えてみれば、何故、核共有政策を選択しなかったのか察しがつくんではないかと。
    アリエフ

  2.  ありがとうございました。
    バツ

  3. アリエフ大先生に付け加えるなら、沖縄返還前は堂々と嘉手納に核展開がされていましたね。今でも韓国軍の総司令権は米国にありますから、必要なら核戦力展開がされるのはありえるでしょう。
    また、昨今明らかになっているように、件の「密約」で、日本に在泊する艦船は核搭載された状態です。
    内陸戦のほうが想定しやすい欧州と、艦船(空母)からの戦力投射が容易な極東では、事情が違うということも考慮すべきかと。
    無記名


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